著者
大形 徹
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

神仙思想の仙人の起源は、秦・漢時代の死生観の変化に由来すると思われる.仙人は、たんに長生きした人ではなく、むしろ、本来は死者であり、死者の魂の永世という観念が屈折して、肉体も不死であるという仙人が生み出されてきたのであろう。この内容に即して、以下のような考察をおこなった。一、僊の文字と魂・死についての文字学的考察-魂と骨の観点から-・厚葬と薄葬-神仙思想の観点から-・「仙」と「僊」-神仙思想の形成と文字の変化-二、列仙図と列仙傳:・祀られる仙人-列仙図をめぐって-・『列仙傳』の仙人-黄帝・関尹子・涓子-三、蓬莱山と博山炉・博山炉と香-蓬莱山との関わりから-四、崑崙山と渾沌・『荘子』にみえる北と南と中央五 房中術の精気・房中術の精気と鍼灸の精気これらは、いずれも、神仙思想の生み出される基盤を形成していたと考えられる。
著者
佐藤 大志 釜谷 武志 佐竹 保子 大形 徹 川合 安 柳川 順子 釜谷 武志 佐竹 保子 大形 徹 川合 安 柳川 順子 林 香奈 狩野 雄 山寺 三知 長谷部 剛
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、『隋書』音楽志上・中・下の本文校訂と訳注作成を行い、その訳注の検討を通して、南北朝末期から隋王朝へと各王朝の音楽及びその制度が整理・統合されていく過程を明らかにした。南朝では梁王朝によって雅楽が整備され、陳王朝を経て、隋王朝の雅楽改革へと影響すること、北朝では中原以外の楽が中原の楽と融合しつつ隋王朝の雅楽や燕楽に吸収されてゆく過程などを辿り、南北朝から隋へと至る宮廷音楽の変遷を解明することを試みた。