著者
大松 勉
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.70-74, 2020-12-20 (Released:2021-10-21)

Bat (Order Chiroptera) is thought to be a natural reservoir of SARS-CoV-2, the causative agent of COVID-19, which is currently a problem all over the world. Bat is also known as natural hosts for other important infectious disease agensts including Ebola virus and Nipah virus, and epidemiological studies on bats and researches on bat-specific viral tolerance systems are underway worldwide. This review describes that the pathogens detected in bats, the biological characteristics of bats, and where they can be seen. In addition, I explain that the epidemiological study on bats in the Philippines, which is a joint research in microbiology, epidemiology, and ecology.
著者
臼井 達哉 大松 勉 川野 竜司
出版者
東京農工大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2022-06-30

ヒトと同様に猫の高齢化が進むことで治療の機会が増えているが、病態解明につながる研究がほとんど進んでいない。そこで本研究では、猫の正常肺、腸管、肝臓および腎臓オルガノイドを搭載したマイクロ流路デバイスを作製し、猫から分離された新型コロナウイルスを含む様々なウイルスを灌流させることで多臓器への直接的な影響やウイルス遺伝子の増幅や変異パターンの時空間的解析を行い、猫の生体内におけるウイルス感染症に対する制御機構を明らかにすることを目的とする。
著者
大浜 剛 大松 勉
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究の目的は、停滞感のある抗がん剤開発の分野に対して、旧来の分子標的薬開発とは逆転の発想である「ホスファターゼを活性化する創薬」を提案するための基盤になることである。具体的には、最近申請者が発見した、重要ながん抑制因子であるホスファターゼPP2A、PP2A阻害タンパク質であるSET、および転写因子E2F1から構成されるシグナル伝達「SET/PP2A/E2F1軸」が、がんの悪性化を引き起こす分子機構と、イヌおよびヒトの腫瘍における役割の比較検証を行う。また、申請者が樹立した「発光反応によるタンパク質結合解析系」を用いて、PP2Aを活性化してSET/PP2A/E2F1軸を動かす刺激を同定し、抗がん効果を解析する。本年度は、ヒトおよびイヌの骨肉腫細胞株について、SET発現を抑制した細胞ET発現の低下が、がん細胞の表現型に与える影響について解析を行った。その結果、ヒトとイヌの骨肉腫細胞株では、SET発現抑制に対する反応性が大きく異なり、イヌ細胞ではSET発現抑制による抗がん効果が弱いことが明らかとなった。この点は、比較生物学的な観点から興味深く、より詳細な検討を行う予定である。ヒト骨肉腫細胞株に対するSET発現抑制の効果については、詳細な分子機構を解明するため、次世代シークエンサーを用いた網羅的な解析を行った。今後は、得られたデータをもとに、着目したシグナル伝達機構について、より詳細な検討を行う予定である。また、「発光反応によるタンパク質結合解析系」を用いた検討について、PP2AとSETの結合(PPI)を制御するシグナル伝達機構を明らかにするため、各種阻害剤ライブラリーを用いたスクリーニングを行った。これにより、PPIに影響を与える阻害剤が幾つか同定された。今後は、ヒット化合物についての詳細な検討を行うと同時に、新規化合物ライブラリーを用いたスクリーニングを追加する予定である。