著者
大森 亮 延原 肇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム
巻号頁・発行日
vol.108, no.461, pp.17-18, 2009-02-26

個人嗜好推定を行うため,その手がかりとなるキーワードの推定に文書キーワード抽出が利用されており,この手法では文書内における重要語の推定を行う.ユーザが文書自体に興味がない場合,そこから抽出されたキーワードもユーザの嗜好に合わないと想定し,補正を行う手法を提案する.提案手法では人気の少ないページは個人の興味が強く反映されているとし,人気サイトランキングサービスを用いて,このようなページに含まれるキーワードの重要度を高くする.実験では本提案手法とその他の手法を比較し,被験者5名によるアンケート調査のもと符号検定を行い,提案手法の有意性を示す.
著者
上田 英雄 奥村 英正 堀口 正晴 浪久 利彦 斧田 大公望 岩村 健一郎 上野 幸久 奥田 邦雄 大森 亮雅 小林 節雄 酒井 和夫 滝野 辰郎 土屋 雅春 橋本 修治 広重 嘉一郎 矢野 幹夫 山本 繁
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.162-171, 1974-03-25 (Released:2009-05-26)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

冷蔵人胎盤の加水分解によるCE14(ラエンネック(L))は各種アミノ酸を含んでおり,その作用として,抗脂肝作用,組織呼吸の促進効果,肝再生の促進などが,実験的研究から知られている.今回の研究は,本剤が慢性肝疾患の治療に有効な薬剤かどうかを知ることであった.患者を二重盲検により,2群にランダムに分けた.Placeboとしては生理的食塩水を用いた.第I群は,L注射を2週間受けた後,Placeboを2週間受け,この方法をもう一度くり返した.第II群は,始めPlacebo注射を2週間受け,つぎの2週はLの注射を毎日受けた.その後は第I群と同様にもう一度くり返した.肝機能検査を2週毎に行なって,その前と2週後の値を比較した.両群とも,GOT, GPTはL投与期間で下降し,それは統計的に有意であった.これに比して,両群のPlacebo期間におけるGOT, GPTの下降は有意ではなかった.以上より,Lは慢性肝疾患患者に効果があるといえよう.
著者
大森 亮介
出版者
九州大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

ウイルスの抗原性は多様な原因により決定され、温度などの環境要因からも大きく影響を受ける。これまでの進化学や理論疫学での感染症の研究では環境変動の感染症流行に与える影響を詳細に調べたものは少なく、宿主免疫の進化を考える上で、この環境要因による影響を考慮することは必要不可欠である。このため、環境要因の変化による感染症の流行をコイヘルペスウイルスを例に解析した。コイヘルペスは感染した個体の80%以上が死亡する非常に毒性の強い感染症で水産業界に多大な被害を与えた。また、コイヘルペスの流行には季節性がある事が知られており、これは感染が起きる水温の範囲が決まっている為である。この特性を利用し、感染が確認された後に水温を感染が起きない様な水温に人工的に変化させ、流行を抑制する治療法が考案された。この治療法を評価し最適な治療スケジュールを決定する為に、水温と感染率の関係性の実験データ(Yuasa et al. 2008)をもとに養殖場内の鯉の集団での感染を記述する数理モデルを構築し、解析を行った。コイヘルペスの流行の季節変動性は感染から発病までの期間、発病から死亡または回復するまでの期間の長さが水温によって変わる事に起因する(Yuasa et al. 2008)。また、水温を人工的に変える治療法は場合により治療を行っていない時よりも被害が増大することも明らかになった。ここから、感染症抑制の為の環境要因のコントロールは計画的かつ正確に行われる必要があることが示唆された。