著者
廣川 大志郎 大森 聖太 西村 紀明 吉田 和郎 和田 伊知朗 山越 昭弘
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.7-12, 2016-02-25 (Released:2016-03-02)
参考文献数
11
被引用文献数
2

2011~2014年度に,陰膳方式による家庭の食事からの放射性物質(134Cs, 137Cs, 40K)摂取量調査を実施した.試料は全国18都県の一般家庭から収集し,延べ1,612試料を分析した.134Cs, 137Csは,宮城県,福島県および東京都の試料から検出され,2011年度は11件,2012年度は12件,2013年度は7件から検出されたが,2014年度はすべて検出限界1.0 Bq/kg未満となった.検出量の最大値は,2011年度に福島県の試料から検出した12 Bq/kgであり,その後は徐々に減少した.放射性セシウムを検出した試料から推定される預託実効線量の最大値は0.14 mSv/yearであった.40Kはすべての試料から検出され,4年間を通してほとんど変化は見られなかった(中央値約30 Bq/kg).
著者
對馬 宣道 栗田 明日香 大森 聖 菊地 萌 鈴木 波 前田 亮輔 太田 能之 吉田 達行 中尾 暢宏 田中 実
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.343-348,図巻頭1p, 2014-03

日本ウズラの卵の斑紋は,極めて特徴的であり人々の目を惹くため,1960年代の研究者たちの興味は,もっぱら卵管の卵殻腺部からの色素分泌と,卵殻表面への色素沈着に向けられていた。また,これらの研究者が,対象とした日本ウズラの卵殻色素と言えば,独特の斑紋の形成に深く関与しているプロトポルフィリンであった。そのため,1970年以降も日本ウズラの卵殻色素に関する研究は,プロトポルフィリンに着目したものばかりであった。そのなかで,Pooleは日本ウズラ卵の卵殻色素としてプロトポルフィリンの他に,ビリベルジンが存在することを指摘している。彼はその論文のなかで,日本ウズラの卵を割って内側(卵殻膜側)を観察したとき,卵殻内側の色が薄茶色をしているものと,緑色をしているものの2つに大別できることを示している。さらに,彼は内側の色が緑色をしている日本ウズラ卵殻から抽出した溶液を用いて,その吸収スペクトルをとったところ,プロトポルフィリンのピーク(波長415nm)以外に,波長680nm付近に異なるピークが存在することを見出した。Pooleは,この波長680nmにピークを示す物質をビリベルジンであろうと推測している。最近,日本ウズラの卵殻腺部からの抽出液を用いて,質量分析を行った研究によると,卵殻腺部にはプロトポルフィリンの他に,ビリベルジンが存在することが明らかにされている。