著者
竹谷 修一 大橋 幸子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.I_273-I_279, 2013 (Released:2014-03-31)
参考文献数
13
被引用文献数
3

2011年3月に発生した東日本大震災においては,地域建設業による迅速な支援活動が実施された.本研究では今後の巨大災害の備えに資する知見を得ることを目的に,支援活動が迅速に行われた要因を明らかにすることとした.分析に際しては,国土技術政策総合研究所・東北地方整備局・東北建設業協会連合会が実施した,地域建設業の活動実態調査結果を用いた.その結果,自社確保による建設機械やオペレーターが迅速な支援の要因と考える企業が被害の大きかった沿岸部で多いこと,支援活動に活用した資源は沿岸部では自社保有による確保が困難であったことなどが明らかとなった.
著者
大橋 幸子 小林 寛
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.592-599, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
8

交通安全に寄与する屈曲部(シケイン)の活用の幅を広げることを目的に、本研究では、一般的な幅員の歩車共存道路に設置が可能で、速度抑制効果を有する屈曲部の形状を示すことを目指した。研究では、屈曲間隔や横断面構成の異なる複数の屈曲部を試験用走路で被験者に走行させ、速度抑制効果、運転の安定性、車両の走行位置を調査した。それらの結果をもとに、速度抑制効果を有し、低速での運転が困難ではなく、走行位置にも特段問題のない屈曲部の形状を示した。併せて、白線より駒止のほうが心理的な速度抑制効果が高いことを示した。また、屈曲間隔が狭いほうが速度抑制につながることなど、屈曲部を構成する各要素が車両の速度抑制に与える影響を確認した。
著者
大橋 幸子 川瀬 晴香 関 皓介 瀬戸下 伸介
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.A_263-A_270, 2017-02-01 (Released:2017-02-01)
参考文献数
6

生活道路の交通安全確保のためには、走行車両の速度抑制対策が重要な事項となる。本研究は、生活道路における安全性確保のための屈曲部に着目し、大型車が走行可能で、普通車の速度を抑制できる屈曲部の形状を明らかにすることを目的とする。研究では、大型車の車両軌跡を確認した上で見通し幅の異なる屈曲部を 3 パターン設定し、これらの形状の屈曲部を設置した実験用の走路で、被験者による普通車の走行実験と意識調査を行った。そのうえで、見通し幅と車両速度、ドライバー意識との関係を分析した。その結果、見通し幅 2m 以下で、速度が概ね 30km/h 以下に抑制される傾向があることが分かった。また、見通し幅 3m では、ドライバーが周辺に注意して運転するようになる効果はあるものの、屈曲部での十分な速度抑制がなされないことなどが分かった。