著者
田中 直史 大沢 正秀 夫 猛 大槻 伸吾 大久保 衞
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.91-96, 1996-10-15 (Released:2012-11-20)
参考文献数
10

PURPOSEWe have reported that there are scapulo-humeral rhythms in the horizontal planes with flexion and extention of the shoulder joint as well as with the elevation of arms and decrease in movements of scapulo-thoracic joint by ageing. Now we wish to propose that there also exists a scapulo-humeral rhythm in the rotation of the shoulder.SU BJECTS AND METHODSWe measured the scapular inclination in seven normal volunteers ranged from 23 to 37(mean: 31), using an X-CT and setting it at a neutral position with the shouldes in abduction 0 ° and flexion 0° and the elbow in flexion 90 ° . The scapular inclinations were measured:1)from neutral to 30° and the maximal rotatio nal position (internal and external)2)at neutral and 30 ° rotation (internal and external) when maximal rota tion isotonic motion were performed.
著者
大沢 正秀 李 康彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.357-363, 2009 (Released:2009-08-12)
参考文献数
11

同一患者において複数の臓腑経絡が関与する頭痛が生じ,それぞれの頭痛の特徴,増悪因子,緩解因子が異なる一例を経験した。症例は40歳女性。(1)後頭部痛(足少陰腎経が関与)。(2)両側頭部から目,耳の奥にかけての痛み(陽明,少陽経が関与)。弁証論治により,腎陽虚水泛,肝気上逆と弁証し,温陽利水と疏肝降気による活絡目的で,真武湯を処方。いずれの頭痛も軽減,消失した。病因病機では本たる証を腎陽虚,標の証として肝気上逆を考えた。真武湯は標治法としても本治法としても効果的であったと考えられた。
著者
大八木 敏弘 西川 順子 大沢 正秀
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.708-717, 2010 (Released:2010-10-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1

線維筋痛症と診断された患者に対して,四診により証を明確にして鍼治療のみを行い,胸背部の疼痛,発熱,不眠症状の軽減とQOLの改善をもたらすことができた。症例は35歳女性。仕事上の精神的,肉体的ストレスが持続した後,胸背部の疼痛及び発熱が発症し入院するが,精密検査では異常はみられず経過観察となった。次第に痛みが激しくなり,大学病院で線維筋痛症と診断されたが,東洋医学的治療を希望し当院を受診した。肝鬱気滞,気滞血瘀,気鬱傷陰と弁証し神道穴及び照海穴の少数配穴による鍼治療を行った。痛みは37診以降には3割程度になり,発熱も消失し,91診時には痛みは気にならない程度になった。Fibromyalgia Impact Questionnaireは初診時の78から17カ月後の82診時には23に改善され,線維筋痛症に対して鍼治療のみで著効を得ることができた。