著者
田中 直史 大沢 正秀 夫 猛 大槻 伸吾 大久保 衞
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.91-96, 1996-10-15 (Released:2012-11-20)
参考文献数
10

PURPOSEWe have reported that there are scapulo-humeral rhythms in the horizontal planes with flexion and extention of the shoulder joint as well as with the elevation of arms and decrease in movements of scapulo-thoracic joint by ageing. Now we wish to propose that there also exists a scapulo-humeral rhythm in the rotation of the shoulder.SU BJECTS AND METHODSWe measured the scapular inclination in seven normal volunteers ranged from 23 to 37(mean: 31), using an X-CT and setting it at a neutral position with the shouldes in abduction 0 ° and flexion 0° and the elbow in flexion 90 ° . The scapular inclinations were measured:1)from neutral to 30° and the maximal rotatio nal position (internal and external)2)at neutral and 30 ° rotation (internal and external) when maximal rota tion isotonic motion were performed.
著者
藤高 紘平 大槻 伸吾 大久保 衞 橋本 雅至 山野 仁志 藤竹 俊輔
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.C0959, 2008

【目的】自然立位とサッカーボールキック動作(以下キック動作)における足アーチ高率の変化量、足趾屈曲筋力とスポーツ障害との関係を調べることである。<BR><BR>【方法】対象は大学生男子サッカー選手51名(平均年齢20.5±1.1歳、平均身長173.4±6.2cm、平均体重66.8±5.7kg)とした。自然立位における足アーチ高率は足長、地面から舟状骨結節までの高さを測定し算出した。キック動作は3m先に設置したマーカーをボールと仮定し、ボールをより遠くへ飛ばすようにイメージして蹴ることを指示し3回行わせた。キック動作はデジタルビデオカメラ(Canon社製)を、レンズの高さ3cm、被写体までの距離2mに設置し、サンプリング周波数を60Hzにて記録した。キック動作における足アーチ高率は動画を静止画像に分割し算出した。足趾屈曲筋力測定はデジタル握力計(竹井機器工業社製)を改良した測定器を用いた。データ分析は測定時より1年間以前の整形外科受診結果(障害例は練習を2日以上休む場合に全例整形外科を受診したものとした)を、障害を有した支持脚と障害がない支持脚で足アーチ高率の変化量と足趾屈曲筋力を比較した。統計学的処理は対応のないt検定を用い、有意水準は5%未満とした。<BR><BR>【結果】整形外科受診59件中、足関節捻挫9件の足アーチ高率の変化量(1.53±0.4%)、足関節障害4件(0.95±0.3%)、足部障害4件(1.55±0.5%)、膝関節捻挫2件(0.89±0.1%)、膝関節障害2件(0.42±0.6%)、障害なし21件(0.94±0.64%)であった。足関節捻挫を有した支持脚の足アーチ高率の変化量は有意に増大した(P<0.05)。足部障害を有した支持脚の足アーチ高率の変化量は大きい傾向にあった(P<0.1)。足関節捻挫、足部障害を有しているものともに足趾屈曲筋力は小さい傾向が認められた(P<0.1)。<BR><BR>【考察】足アーチ高率の変化量の増大は、足部の衝撃吸収機能および、足圧中心位置の変位によるバランス能力の低下を引き起こし、足部・足関節の不安定性を増大させると考えられた。このことから足アーチ高率の変化量の増大は足関節捻挫、足部障害の誘因の一つになることが示唆された。また足趾屈曲筋力の低下により足アーチの保持や足趾把持力が低下し、さらにバランス能力の低下や足部への衝撃ストレスが増大すると考えられる。これらのことが足関節捻挫や足部障害の発生要因になると考えられた。今後、足関節捻挫や足部障害の発症に影響を及す因子や、足アーチ高率の変化量と足部の衝撃吸収機能との関連性についてさらに検討していく必要があると考えられた。<BR><BR>【まとめ】足アーチ高率の変化量と足趾屈曲筋力は足関節障害や足部障害の発生要因となり、足趾屈曲筋力の測定と足部のアライメント評価の重要性が示唆された。
著者
藤高 紘平 藤竹 俊輔 来田 晃幸 橋本 雅至 大槻 伸吾 大久保 衞
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.263-267, 2012 (Released:2012-08-01)
参考文献数
25
被引用文献数
3 1

〔目的〕足部アーチ保持筋力トレーニング効果が大学サッカー選手の足関節と足部のスポーツ傷害に及ぼす影響を検討した.〔対象〕大学サッカー選手30名とした.〔方法〕対象を2群に分け,足趾把持筋力,アーチ高率,最大1歩幅,片脚立位保持時間などを測定し,経過観察中に発生したスポーツ傷害を調査した.トレーニング群には,1年間の足部アーチ保持筋力トレーニングを実施し,2群間で測定・調査項目を比較した.〔結果〕トレーニング群では足趾把持筋力,最大一歩幅,片脚立位保持時間が有意に増加し,足関節捻挫発生数が有意に少なかった(χ2=4.66).〔結論〕足部アーチ保持筋力トレーニングにより,足趾把持筋力の向上や姿勢制御能の改善が導かれ,足関節捻挫の発生数低下に影響を与えたと推察された.
著者
安本 慎也 大槻 伸吾 柳田 育久 相原 望 大久保 衞
出版者
一般社団法人 日本整形外科スポーツ医学会
雑誌
日本整形外科スポーツ医学会雑誌 (ISSN:13408577)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.100-104, 2022 (Released:2022-05-31)
参考文献数
18

メディカルチェックは選手の身体特性を把握するための有益な情報となる.本研究では大学野球部新入生を対象としたメディカルチェックを実施し,投球肩肘障害を有する選手の身体機能を比較検討した.身体機能検査では下肢・体幹可動性テスト,肩・肩甲骨可動性テスト,肩甲骨周囲筋・腱板機能の測定を実施した.肩痛群(PS群)では疼痛なし群(N群)と比較して,Elbow Push Test(EPT)の陽性者が有意に多かった.投球肩障害には,今回測定した身体機能のうち,肩甲骨動的安定性の低下が関与している可能性が示唆された.
著者
若森 真樹 土井 龍雄 大久保 衞 大槻 伸吾
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.89-93, 2001
被引用文献数
1

食品および生活雑貨の受注販売会社の配送配達作業従事者,平成9年度365名,平均年齢31.4歳,平成10年度360名,平均年齢31.9歳,平成11年度362名,平均年齢32.1歳(すべて男性)に対し,作業状況を調査し,腰痛その他の障害の危険因子を分析し対策の立案,実施の資料とした.その結果から職場体操を作成し指導した.また,作業方法,姿勢の改善指導し,体力測定を行った.さらに職場リーダの養成や腰痛検診および腰痛体操教室を実施した.その結果,腰痛を訴える者は62.7%から47.2%,医師による腰痛検診の結果,所見なし30.5%から90.2%と改善した.体力測定結果は筋,筋持久力テストでは有意に向上した.この企業においては作業環境改善や省力化を中心とした対策を講じてきたが顕著な改善は得られなかった.今回,成果が得られた要因は作業状況を調査し予防と治療,また個体的要素と作業環境要素から作業や職場に適した対策を立案,実施し,教育やサポート体制の整備などを包括的に行ったことによるものと考えられた.
著者
小林 茂 辻 英次 西本 勝夫 金尾 顕郎 大谷 真由美 大久保 衞 藤本 繁夫 栗原 直嗣
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法のための運動生理 (ISSN:09127100)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.3-8, 1994 (Released:2007-03-29)
参考文献数
11
被引用文献数
2

慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)患者では歩行時の移動動作以外にも,腕を挙上位で使う日常生活活動において障害を訴えるものも多い。そこで今回我々は,COPD患者6例に対し,定量的腕エルゴメーター負荷訓練を実施した。そして,同負荷訓練がCOPD患者の自覚症状,体幹機能およびKraus-Weberテストなどの評価で検討した結果,背筋持久性,体幹の柔軟性,さらに分時換気量の改善に伴って呼吸困難度が有意な改善を示した。以上のことにより,COPD患者にとって,定量的腕エルゴメーター負荷試験は,体幹の柔軟性,背筋の機能を改善することによって,呼吸困難度を軽減する有効な方法であると考えられた。
著者
岸本 恵一 神田 かなえ 日下 昌浩 大槻 伸吾 大久保 衞 前田 正登 柳田 泰義
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.67-70, 2017

<p>アメリカンフットボール競技の現場で重症度判定が適切でなかった熱中症の症例を経験した.主訴は全身性筋痙攣であり,当初は意識清明であるとの評価から軽症な熱中症を疑ったが,採血結果から重症熱中症(III度熱中症/熱射病)と診断された.スポーツ現場で利用可能な重症度判定指標は限られるため,暑熱環境下での体調不良は重症熱中症の可能性を疑い,可及的早期に病院を受診することが望ましい.</p>