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著者
大澤 映二
出版者
THE CARBON SOCIETY OF JAPAN
雑誌
炭素 (ISSN:03715345)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.210, pp.262-266, 2003-12-22 (Released:2010-06-28)
参考文献数
13
被引用文献数
2 1
著者
田中 一義 大澤 映二 千々和 一豊 吉田 孝紀 横尾 俊信 伊藤 彰浩
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は海外調査研究として、現地・ロシア連邦カレリア共和国のオネガ湖北西部付近の下部原生界Karelian Super Group中のシュンガイト鉱石産出地Shungaほかにおいて採取した鉱石試料の分析を行うものである。一般にこの鉱石群は黒色、細粒かつ緻密な岩石で、最大98wt%もの炭質物を含む。平成16年度は前年度に引き続いて、約20億年前(先カンブリア時代)に堆積した炭素富裕鉱物層中でフラーレン分子が存在していることを確認したType Iシュンガイト(75-98wt%C)に加えて、上記オネガ北岸地域および西北地域Shunga, Zazhogino, Maksovoで産出される、Ludicovian Groupでの低炭素含有鉱石(タイプII-V;10-75wt%C)の産状と周辺の岩石層の研究の纏めを行った。Karelian Super Groupは層序的下位より、Jatulian, Ludicovian, Kalevian, Vepsianの各グループに区分されている。Ludicovian Groupの玄武岩のSm-Nd年代は1.98Gaである。16年度に得られた結論として、低炭素含有シュンガイトは初生的に有機物に富む硅質な堆積岩を起原とすると考えられ、Type IIIシュンガイト(20-35wt%C)などの中程度の炭素含有量を示すものは、初生的に炭素質な堆積岩と火山岩類の反応によって富化された結果による可能性がある。Type I-II(35-98wt%C)シュンガイトは何らかの状況で濃集した炭質物が流体として再移動した結果の産物と考えることができる。しかしながら、堆積物中に本来存在した炭質物の起源や、火山岩類を伴わない大量のType III-IV (10-35wt%C)シュンガイトの起原は現時点では不明であり、なお調査を要すると考えている。さらに12月3日京都大学において、海外共同研究者のナタリアN.ロシュコワ博士を招いて西側諸国としては初のシュンガイトシンポジウムを開催し、化学的・鉱物的・地質学的な各視点からの活発な討論を行った。
著者
大澤 映二 保柳 康一 千々和 一豊 田中 一義 小澤 理樹
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

天然フラーレンC_<60>の存否は未だに定かでない。KT層、PT層など燃焼煤を含むとされる黒色古地層あるいは隕石クレーター中の岩石から抽出される炭素質中に存在するとされるC_<60>濃度は概ね0.1ppm以下で、技術的に確証を取るのは困難である。唯一高濃度に存在し、複数の分析手段を併用して確実な結果が得られたのは中国雲南省一平浪炭鉱産出の石炭であるが、情報が不正確で炭層が特定できず、追加試料は全てネガティブであったために、現地採取を行って確認を行うのが本研究費の目的であった。研究費支給期間中に地質学者を帯同して中国を3回訪問し、一平浪炭鉱のみならず中国各地から石炭サンプルを採取した。一平浪近くの隕石クレーターにも足を伸ばした。また南アフリカに存在するマグマ貫入炭層、世界最大最古の隕石クレーターにも赴いて試料を採集した。その結果以下の結果が得られた。(1)一平浪炭鉱石炭試料のみが0.3%のC_<60>/C_<70>を含み、同試料は共存異常成分として煤と酷似した構造をもつ黒鉛型ナノ炭素粒子、鉄銅硫酸塩ほか一点の未記載鉱物(おそらく高温高圧変態)を含む。またフラーレンは石炭表面に存在する、(2)他の石炭試料に関するフラーレン分析結果は悉くネガティブ。この結果から自然界で発生する衝撃波によるフラーレン生成説が浮上した。しかし、中国の炭鉱に立ち入ることが出来ず、また坑内地図も閲覧が自由にならないので、採取場所の特定は依然として不可能であった。研究期間終了後も粘り強く交渉を続け、漸く最近に至って中国煤炭勘査局が全山から系統的サンプリングを行い、採取した試料を入手することに成功した。時間飛行型質量分光器による予備分析の結果C_<60>が検出され、現在高速液体クロマトグラフによる定量分析中であり、間もなくC_<60>産出場所の正確な位置が特定できる見込みである。
著者
大澤 映二
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.A31-A38, 2011 (Released:2011-12-31)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

The author first diagnosed the reason for waned interest in the industrial application of fullerenes as being the failure in determining the mechanism of formation of C60 under unusual conditions in time. Recently, the Irle-Morokuma group solved the mechanism by performing combined quantum mechanics and molecular dynamics calculations on random assemblies of C2 molecules at 2000 to 3000 K. They proposed a shrinking hot giant road mechanism, which fits Prigogine's irreversible thermodynamic theory. Still the last steps of this mechanism leading to significant yields of C60 could not be satisfactorily reproduced. The author suggests carbon mono-oxide as a critical catalyst for giant fullerenes to close to C60.