著者
大畠 雅之 田中 朋子 中越 享 永安 武
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.687-690, 2004-08-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
13

症例は11ヵ月の男児.犬吠様咳嗽と発熱にて発症し胸部単純レントゲン写真で右中・下葉無気肺と上葉の過膨張を認めた.酸素投与,去痰剤投与を行ったが症状改善せず,気管支内祝鏡検査を行った.気管支ファイバーにて右中・下葉枝人口部に粘液栓を認め,硬性気管支鏡による異物鉗子にて摘出した.摘出標本は長さ4cmの白色ゴム状で中葉・下葉枝の気管支鋳型を呈していた.病理学的には炎症細胞浸潤を主体とする粘液様,フィブリン様物質でplastic bronchitisと診断された.術後呼吸状態は著明に改善し,その後の検査にて気管支系に異常を認めていない.
著者
大畠 雅之 徳永 隆幸 吉田 拓哉 望月 響子 永安 武
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.1151-1155, 2010
参考文献数
8

瘻孔再発を繰り返した直腸尿道瘻術後の高度排便障害に多孔性ポリウレタン肛門用装具(アナルプラグ)使用でQOLの改善が得られた症例を経験したので報告する.症例は10歳男児.直腸尿道瘻の診断で生後9か月に根治術を受けたが術後直腸尿道瘻が再発した.3回の瘻孔閉鎖術不成功の後,7歳5か月時に腹仙骨会陰式Endorectal pul-through法による直腸尿道瘻閉鎖が行われた.その後難治性の便失禁に陥り,人工肛門,MACE法による排便管理を予定したが家族の希望で多孔性ポリウレタン肛門用装具の使用を試みた.使用開始当初の肛門違和感克服後便失禁症状の著明な改善がみられた.成長期の小児にとってアナルプラグの長期効果は不明であるが,肉体・精神発達時期の小児にとって一時的とはいえ失禁の不安から解放される時期を提供できる有効な治療法の一つと思われる.
著者
大畠 雅之 田中 賢治 中村 昭博
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.313-317, 2004-12

漏斗胸に対する胸骨翻転術,胸骨拳上術に変わる治療として2001年よりNuss法を行っている. Nuss法は金属プレートにより変形胸骨を表面より支える方法で現在まで12例に施行した. 8例にステンレス鋼を4例にチタン合金のプレートを使用した. 手術時間は48分から4時間11分で平均1時間47分であった. 出血量は前例20g以下であった. 術後の鎮痛として10例に硬膜外麻酔を用いた. 術後合併症が2例に発生し,1例は皮下気腫,他の1例は術後金属プレートの偏位のための金属プレートの抜去術が行われた. Nuss法後2年が経過した1例に金属プレートの抜去術が行われたが,胸郭の変形,再陥凹を認めていない. 多くの患児とその家族は術後の結果に非常に満足しているが,成長過程にある小児の場合注意深い経過観察が重要であると思われる.