著者
田中 賢治 森 千夏
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.398-401, 2015 (Released:2016-09-09)
参考文献数
6

静岡県駿東郡小山町は,300年前の富士山の噴火によってスコリア (岩滓) が厚く堆積している状況である。厚く堆積したスコリアは近年の豪雨により流出し,甚大な被害をもたらした。そこで,地域住民らが所有する山地での災害を未然に防ぐため,スコリア堆積地を植生回復させ,植物の根系緊縛力によるスコリア流出を抑制する試みを行った。本稿では,山地を所有している住民自らが行った,スコリア堆積地の防災対策事例について報告する。
著者
立川 康人 宝 馨 田中 賢治 水主 崇之 市川 温 椎葉 充晴
出版者
THE JAPAN SOCIETY OF HYDROLOGY AND WATER RESOURCES
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.139-151, 2002-03-05 (Released:2009-10-22)
参考文献数
26
被引用文献数
2 2

筆者らがこれまでに開発してきたマクログリッド型流出モデルを淮河流域に適用し,GAME強化観測期間(1998年5月1日~8月31日)の流量シミュレーションを行った.モデルへの入力データには田中らによって作成された毎時5分グリッドの水文データセットを用いた.このデータセットは,1998年の強化観測期間に取得された気象・水文観測データと鉛直一次元の陸面過程モデルSiBUCとを用いて作成されたものである.実測流量と計算流量とを比較したところ,下流域ほど計算流量は観測流量よりも小さく算定されることがわかった.この原因として,用いたデータセットの蒸発散量が過大評価されていること,ダムなどによる人為的な流水制御をモデルで考慮していないことなどが考えられるが,今後の検討を要する.また,河川流量の再現シミュレーションの過程で,河道流追跡モデルが大河川流域の河川流量を予測する上で果たす効果を示した.
著者
戸田 淳治 田中 賢治 浜口 俊雄
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, 2013

[研究の目的]自然災害による犠牲者を一人でも減らすため、洪水災害や土砂災害の予測から避難警報に至るまでのプロセスをシステム化し、防災情報を必要とする人々が避難に対する意思決定を行う上での指針を示すことが最終目標であるが、今回は洪水氾濫シミュレーション部分を中心に述べる。  [システムの概要]近年頻発するようになった大雨などによる洪水災害に備えるため、我々は流出予測及び氾濫予測を行うための流出氾濫統合システムを構築した。流出モデル及び氾濫モデルを統合し一元的に扱うため、両モデルの空間解像度、計算時間間隔は同一とする(前者は1km、後者は10分毎)。流出モデルから出力されるメッシュ毎の水位データ等が氾濫モデル入力データとなる。また地盤高データは10mDEMを使用し、下記の佐用川流域での大雨イベントにおける再現計算で使用した降雨データは1kmメッシュの解析雨量である。  [これまでの研究]構築された洪水氾濫統合解析システムを実流域にあてはめ、再現性を評価する研究を行った。我々が取り上げたのは2009年8月に兵庫県佐用町で発生した水害である。出力結果(メッシュ毎の浸水深)の評価手法であるが、浸水深実績データとの比較に加えて平面二次元不定流モデルの出力結果と比較することで行った。平面二次元不定流モデルの空間解像度(50m)を基準にして、内・外水氾濫マクロモデルの空間解像度を50m、100m、1kmと変化させて計算精度を比較した。1kmメッシュの浸水深データは50mメッシュにダウンスケーリングした。 [今後の予定]上記システムを用いて2011年8月下旬に発生した台風12号がもたらした紀伊半島豪雨の再現計算を行う。計算対象は十津川流域、降雨データは空間解像度2kmのメソアンサンブルデータを使用する予定である。この事例では洪水災害に加えて土砂災害の影響が大きかったため、洪水氾濫モデルから出力されるメッシュ毎の浸水深データに土砂災害の発生危険度分布を加味したデータ(複合災害に対する危険度を示すデータ)を作成し、避難モデルの入力データとする。
著者
中北 英一 鈴木 賢士 坪木 和久 大石 哲 川村 誠治 橋口 浩之 高橋 劭 城戸 由能 田中 賢治 中川 勝弘 岩井 宏徳 市川 温 杉本 聡一郎 鈴木 善晴 出世 ゆかり 若月 泰孝 相馬 一義 大東 忠保 山口 弘誠
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2010-04-01

集中豪雨やゲリラ豪雨による水災害軽減のための総合的基礎研究を実施した。最新型偏波レーダーとの同期フィールド基礎観測実験においてビデオゾンデ観測の汎用化をはかることでこれまで夢に描いてきた積乱雲内の多地点連続観測を実現するとともに、ヒートアイランドの影響を受ける都市域での積乱雲形成・発達過程のマルチセンサー同期観測の緒も開いた。それらを土台に積乱雲のモデル化と豪雨予測手法の開発を行い、加えて早期警戒情報提供や水位予測などの水管理に重要な手法をも構築した。特に、開発したゲリラ豪雨の早期探知・危険性予測手法は国土交通省で現業化され試験運用が開始されており、科学的にも社会的にも意義深い貢献を果たした。
著者
田中 淳 纐纈 裕美 大藪 崇司 藤原 道郎 田中 賢治 朝日 伸彦 杉浦 弘毅
出版者
JAPANESE SOCIETY OF REVEGETATION TECHNOLOGY
雑誌
日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.139-142, 2011-08-31
被引用文献数
2

土壌化学性の改質による外来植物の防除技術の開発実験を実施した。土壌 pH を 4.6,5.5,6.8 に調整した土壌にナルトサワギクならびセイタカアワダチソウを移植した。土壌 pH 4.6 では,移植後約 1 ヶ月で 2 種ともほぼ枯死した。土壌 pH 5.5 の地上部の生育は,pH 6.8 とあまり変わらなかったが堀取った根は生育不良であった。また,土壌を酸性にする溶液をろ紙にひたし発芽実験を行った。ススキの発芽率は,精製水をろ紙にひたしたものと比較して発芽率の低下が少なかったが,ナルトサワギクの発芽率は低下し 0%となった。これらのことから,土壌化学性の改質が,外来植物から在来植物への植生構造の転換技術へ応用できることが示唆された。
著者
中北 英一 田中 賢治 坪木 和久 大石 哲 中川 勝広 鈴木 善晴 大石 哲 坪木 和久 鈴木 賢士 川村 誠治 高橋 劭 田中 賢治 中川 勝弘 市川 温 杉本 聡一郎 鈴木 善晴 出世 ゆかり 大東 忠保 山口 弘誠
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

豪雨災害の軽減を目指して、次世代型偏波レーダーの降水量推定・降水予測への利用を目的に、偏波レーダーとビデオゾンデの同期集中観測を実施し、その結果、降水粒子の粒径と種類の推定手法を構築することに成功した。さらに、モデル予測への応用や現象の理解を深めることで降水量推定・降水予測の高度化を実現した。
著者
中北 英一 田中 賢治 戎 信宏 藤野 毅 開發 一郎 砂田 憲吾 陸 旻皎 立川 康人 深見 和彦 大手 信人
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

本研究プロジェクトは「琵琶湖流域の水・熱循環過程解明に向けた総合研究と衛星同期共同観測」を骨子としたオープンなプロジェクトであり,1989年の山梨大学工学部砂田憲吾による提唱をベースに,様々な方々,関係機関のサポートを頂戴しながら,手弁当による参加をベースに継続して続けられてきたものである.フリーな議論をベースにそのあり方を問い続けてきたプロジェクトでもある.その土台をベースに砂田憲吾をプロジェクトリーダーとして進んできた第1ステージが1994年に終了し,1995年からは,1)衛星リモートセンシングデータの地上検証 2)衛星データを用いた水文量抽出アルゴリズム/モデルの開発 3)地表面-大気系の水文循環過程の相互作用の解明 4)水文循環過程の時空間スケール効果の解明 を目的として,本科学研究費補助金をベースとした第2ステージを進めてきた.そこでは,これまでの地上,衛星,航空機による観測に加え,対象領域全体を表現するモデルとのタイアップを新たに目指してきた.その中で,どのスケールをベースに水文過程のアップスケーリングを図って行くべきなのかの議論を深めながら,20km×20kmまでのアップスケーリングをめざし第3ステージに橋渡しをするのが,わが国に根付いてきた琵琶湖プロジェクトのこの第2ステージの果たすべき役割である.'95共同観測では,様々なサポートにより上記第2ステージの目的を追求するのに何よりの航空機,飛行船を導入した大規模な観測態勢を敷くことができた.また,96年度から初の夏期観測をスタートすると共に,モデルとタイアップさせたより深い共同観測のあり方についての議論を行ってきた.成果としては,上記目的それぞれに関する各グループの成果報告,観測・モデルを組み合わせたスケール効果の解明と今後のあるべき共同観測態勢,研究グループ外部をも対象としたデータベースや観測・解析プロダクツを報告書として啓上している.
著者
大畠 雅之 田中 賢治 中村 昭博
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.313-317, 2004-12

漏斗胸に対する胸骨翻転術,胸骨拳上術に変わる治療として2001年よりNuss法を行っている. Nuss法は金属プレートにより変形胸骨を表面より支える方法で現在まで12例に施行した. 8例にステンレス鋼を4例にチタン合金のプレートを使用した. 手術時間は48分から4時間11分で平均1時間47分であった. 出血量は前例20g以下であった. 術後の鎮痛として10例に硬膜外麻酔を用いた. 術後合併症が2例に発生し,1例は皮下気腫,他の1例は術後金属プレートの偏位のための金属プレートの抜去術が行われた. Nuss法後2年が経過した1例に金属プレートの抜去術が行われたが,胸郭の変形,再陥凹を認めていない. 多くの患児とその家族は術後の結果に非常に満足しているが,成長過程にある小児の場合注意深い経過観察が重要であると思われる.