著者
川野 貴弘 西浦 公章 車谷 典男 土肥 祥子 米増 國雄 金内 雅夫 土肥 和紘
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.659-663, 1997-10-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
11

糖尿病患者は非糖尿病患者に比して大腸癌に罹患しやすいかを検討する目的で横断研究を実施した. 対象は, 総合病院町立大淀病院で全大腸内視鏡検査が施行された患者391例 (男性235例, 女性156例, 平均年齢61歳) である. Mantel-Haenszel法で算出したオッズ比から糖尿病と大腸癌合併の関連性について検討した. 大腸癌の合併は, 糖尿病患者57例中17例 (有病率30%) に対し, 非糖尿病患者334例中48例 (有病率14%) であった. 大腸癌有病率についての非糖尿病群に対する糖尿病群のオッズ比は, 2.35 (95%信頼区間: 1.28~4.48) であった. 以上から, 糖尿病患者は, 非糖尿病患者に比して大腸癌に罹患しやすいことが示唆される.
著者
濱田 薫 長 澄人 藤村 昌史 福岡 和也 堅田 均 澤木 政好 成田 亘啓 渡辺 裕之 今井 照彦 大石 元 東口 隆一 西浦 公章
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.249-258, 1991-05-25

気管支鏡を用いた内視鏡的治療法の一つとして, 気管, 気管支の腫瘍性狭窄, 閉塞に対して99.5%エタノール(純エタノール)局注療法を試みた。対象は肺癌7例, 転移性肺癌, 気管癌, 多発性気管乳頭腫各1例の計10例であった。有効症例は10例中6例(60%)であり, 肺癌症例のうち1例は有効, 3例は一時有効で, 他3例は無効であった。転移性肺癌症例は無効であったが, 気管癌, 気管乳頭腫症例では有効であった。有効例での腫瘍の発育は主にポリープ状であり, 無効例では浸潤性狭窄を呈していた。副作用は軽度の咳嗽以外認められなかった。以上から, 気管支鏡下純エタノール局注療法は, 適応をある程度限定すれば, 他療法の制限をともなう悪性腫瘍症例においても姑息的, 対症的治療法としてQOLの改善に有用であると考えた。
著者
今井 照彦 堅田 均 西浦 公章 錦織 ルミ子 浜田 信夫 濱田 薫 渡辺 裕之 成田 亘啓 三上 理一郎
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.268-274, 1987
被引用文献数
4

症例は, 47歳男性。既往歴は42歳時肺結核, 糖尿病。61年1月10日ころより微熱, 咳, 労作時呼吸困難出現。2月5日洗面器約半分の喀血を2回繰り返し, 当院第二内科へ入院した。検査の結果, 右上葉の肺結核の遺存空洞に発生した肺アスペルギルス症と判明した。気管支鏡では右主気管支および上葉枝入口部は全体に発赤腫脹し, B^3入口部は拡大がみられ, 末梢は空洞様であった。壁は凹凸不整で全体に膜がはったようになり, 黒い部分や, 発赤, 新生血管と思われる赤い部分, 苔状物と思われる黄白色の部分が混在してみられた。アンホテリシンB空洞内注入療法により発赤部分, 黄白色の部分が次第に減少して, 治療終了後には凹凸不整がとれ平坦となり, 色調も赤みが消失して全体に一様に黒くなり, 一部線維化のごとく白くなっていた。この所見と平行して臨床症状も改善し, 胸部X線でも空洞壁が著明に薄くなり, これらの空洞壁の内視鏡所見は, アスペルギルス症の治癒過程を示していると思われる。