著者
大谷 直輝 姥浦 道生 苅谷 智大 小地沢 将之
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.449-456, 2019-10-25 (Released:2019-11-06)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本研究の目的はCFにおけるハード整備に関する事業の実態を明らかにすることである。結果として、ハード整備CF事業は、2つの典型的事業類型によってその位置づけが異なるといえる。一つは営利団体が取り組む傾向のある、飲食店やシェアハウス・コワーキング整備を中心としたサービス収益事業であり、目標達成割合が比較的高く、基本的には民有地で行われているものの、社会的貢献性のあるフリースペースを有している事業が目標達成しやすく、情報発信も目的としており、金融機関からの融資と組み合わせて資金調達を行う傾向があった。もう一つは非営利団体が取り組む傾向のある、景観形成や歴史保全を中心とした都市環境整備・保全事業であり、目標達成割合が比較的低く、不足する事業資金を獲得するための手段としてCFを活用している傾向があった。CFは、既存の助成制度でも対象となる公益的事業に対する上乗せ的資金調達制度として一定の役割を果たしつつも、その中心は対象とならなかった収益性ある事業に対する横出し的資金調達制度としての機能であるといえる。このような性質を考慮しつつ、まちづくり活動に対する資金調達制度全体を設計することが重要である。
著者
大谷 直輝
出版者
京都府立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、前置詞の文法機能と談話機能の体系的な記述を行い、前置詞の意味拡張や機能範疇の変化を動機づける認知的な基盤を考察した。本研究の成果は『A Cognitive Analysis of the Grammaticalized Functions of English Prepositions』(179頁)として開拓社より出版された。また、overとunderの非対称的な機能・意味を『English Linguistics』と『言語研究』に、upの完了用法を『言語の創発と身体性』で発表した。また、定量的な言語分析の研究手法を『認知言語学研究の方法』で提示した。
著者
大谷 直輝
出版者
埼玉大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

本研究では、理論と方法論の両面から言語構造を動機づける認知的・談話的な基盤についての考察を行った。具体的には、大規模な言語コーパスを参照して、実際の使用文脈の中から現れる、英語の不変化詞の談話機能や文法機能を考察した。また、方法論の面では、言語の身体性や反意語間に見られる非対称性に注目した質的方法論と、文法的・意味的・談話的な要素のコーディングに基づく量的な方法論を融合させ、言語を経験的に分析するための手順を示した。