著者
大須賀 彰子
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.81-89, 2007-03-31

本研究では、学生とその母親を対象に野菜類と魚介類の食嗜好についてアンケート調査を行った。その結果、1.過去に嫌いな食材があったと回答したものは、母親より学生の方が多かった。2.嫌いとして挙げた食材の出現率は、野菜類では「ピーマン」「セロリ」「にんじん」「トマト」、魚介類では「いくら」「うに」「かき」「うなぎ」が、学生と母親とも高かった。3.野菜類の克服率は、学生と母親ともに高い値を示したのに対し、魚介類の克服率は低かった。4.野菜類の克服状況は、学生では克服理由として「調理法」「食習慣」「食教育」が多くあげられた。5.母親では、野菜類の克服理由は「調理法」「結婚」「妊娠・子育て」があがり、魚介類は「食環境」「妊娠・子育て」があがった。このことより、母親の食に対する意識の向上が、日々の食生活を通じ、子どもの食嗜好に変化を与える可能性が示唆された。6.結論として、子どもだけでなく、母親の食教育の必要性も示唆された。今回は、野菜類と魚介類に限定して調査を行ったので、今後は他の食品の食嗜好も調査をし、さらに検討していきたいと思う。
著者
大須賀 彰子 岩崎 裕子 高橋 智子 大越 ひろ
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.15-22, 2013 (Released:2013-11-22)
参考文献数
18
被引用文献数
5

本研究では,油脂の性状がマッシュポテトの飲み込みやすさに及ぼす影響を力学的特性と官能評価の観点から検討した。試料は性状の異なる3種の油脂,すなわち液状油O,固形脂F(ゲル状油脂),固形脂S(ショートニング),また対照として水をマッシュポテトに添加し,調製した。その結果,固形脂のテクスチャー特性の硬さと降伏応力がマッシュポテト試料に影響していた。水平方向の抵抗力の測定により得られた平均抵抗力はマッシュポテト試料のなめらかさやすべりやすさの指標となり,この測定法の有効性が示唆された。マッシュポテト試料中の副材料を顕微鏡で観察したところ,水と油脂では分散が異なり,力学的特性にも影響することが示された。官能評価では,水添加試料が硬く,なめらかさに欠ける傾向を示した。また,水と液状油Oを添加した試料が固形脂F添加試料に比べ,有意にべたつき感と残留感が少なく,飲み込みやすいと評価された。
著者
大須賀 彰子
巻号頁・発行日
2014-03-20

日本女子大学
著者
大須賀 彰子 大越 ひろ 茂木 美智子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.26, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 既報では、千葉県内を調査地とし、すしの利用において種類や具材等に地域差や特徴があることを報告した<SUP>1)</SUP>。本報告では、手作りのすしを使う割合が高かった内陸部と低かった都市部に限定し、食生活におけるすしの位置づけを、年齢層の差として把握することを目的とした。調査地域に10年以上在住する15~40歳、41~64歳、65歳以上の女性を対象にアンケート調査を行い、分析した。<BR><B>【方法】</B><BR> アンケートは既報に準じ、自己記入式の用紙を各地域で配布し、その場で回収をした。調査時期は平成18年6月~10月、調査対象は都市部・内陸部に10年以上在住する15~40歳 (91名・41名)、41~64歳 (79名・164名)、65歳以上 (37名・71名)と、3セグメントの年齢区分を行った。分析項目はすしの嗜好・印象、食生活におけるすしの利用とし、各セグメントの比較を行った。<BR><B>【結果】</B><BR> すしは年齢に関係なく好まれていることが確認され、年齢が高くなるに従い、すしという料理へのごちそう感が強くなる傾向を示した。家で作るすしは、地域に関係なく、年齢が上がるに従い、手間のかかるすしが多く回答され、年齢が低くなるに従い、手軽に作れる形態のすしが多くなった。手間のかかるすしとしては都市部で散らしずし、内陸部では太巻きずしが挙がり、地域差もみられた。すしの作り方は年齢に関係なく、母親からの伝承が多かった。すしを購入する場所は、都市部では、年齢が上がるに従い、すし専門店とデパートの食品売り場が多く回答され、内陸部では、年齢に関係なく、すし専門店とスーパーマーケットの回答が多く、地域・年齢による違いがみられた。<BR>1)日本家政学会第59回大会研究発表要旨集 P.156(2007)