著者
西山 知佳 佐藤 隆平 島本 大也 黒木 裕士 江川 達郎 金丸 敏幸 谷間 桃子 大鶴 繁 田中 真介 石見 拓
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.852-859, 2022-10-31 (Released:2022-10-31)
参考文献数
8

目的:COVID-19流行期において,新入生(以下:学生)を対象に救命処置を理解することを目標に行ったオンライン講習の実施内容を報告する。方法:2,942人の学生を12グループに分け各々Zoomを立ち上げた。教員がDVDを用いて胸骨圧迫と自動体外式除細動器の使い方について指導を行っている様子をビデオカメラで撮影しZoom配信した。クッション,体重計を学生に準備させ30kgを目標に胸骨圧迫の練習を行った。ブレイクアウトルーム機能を使い新入生10名に対して教員1名のグループに分け,学生が行っている胸骨圧迫に対して教員がフィードバックを行った。結果:3日間で2,623人が講習に参加し,2,393人(91.2%)が講習後の無記名調査に回答した。98.1%が救命行動を理解でき,84.4%がオンライン講習を有意義と回答した。結語:身近なものを教材とし学生へのフォロー体制を整えることで,短期間に多人数に対して,大多数の学生が意義を感じる講習ができた。
著者
人見 真由 倉田 真宏 相田 伸二 下戸 学 趙 晃済 大鶴 繁
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.139-148, 2022-12-10 (Released:2023-03-11)
参考文献数
38

This research examined the seismic behavior of medical equipment, which supports advanced hospital functions through shaking table testing and numerical analysis, and derived evaluation index for mitigating damage. The shaking table test observed the rocking and overturning of neonatal beds and a dialysis liquid feeding apparatus under sine waves and the building floor responses during earthquakes. The rocking and overturning damage occurred only when the casters of equipment were all locked, and the ratio between the equipment’s gravity center height (h) and leg width (b), b/h, is smaller than a certain threshold. The influence of equipment dimensions and weight on the seismic behavior was studied by parametric analysis using a distinct element method (DEM) model of equipment. The probability of damage decreased significantly when the ratio between the b/h becomes large. For the floor velocity response of 80cm/s, which is assumed for the approximate return period of 500 years and with the response amplification factor (the ground to floor response ratio) of 1.6, the probability of overturning became negligible when the b/h is 0.4 or larger. This paper also presents an analytical equation to calculate sufficient safety weights added to existing equipment for conforming to the above thresholds of b/h.
著者
宮本 将太 高谷 悠大 奥野 善教 邑田 悟 篠塚 健 下戸 学 柚木 知之 趙 晃済 大鶴 繁 小池 薫
雑誌
第46回日本集中治療医学会学術集会
巻号頁・発行日
2019-02-04

【背景】三環系抗うつ薬(TCA)は過量摂取時に強い毒性を有することが知られており、死に至ることもある。主な死因に痙攣や致死性心室性不整脈が挙げられる。今回、処方にTCAが含まれていなかったにも関わらず、痙攣と致死性心室性不整脈を発症し、不整脈の加療およびTCA中毒と判断するのに苦慮した一例を経験したため報告する。【臨床経過】双極性障害を既往に持つ39歳男性、身長163cm、体重63kg。これまで6回の薬物大量内服による救急搬送歴があった。来院2時間前に、薬物大量服用の意思を友人に電話で伝えていた。友人到着時は意識清明だったが、徐々に意識レベルが低下したため救急要請し、当院搬送となった。来院時はJCS300、血圧128/77mmHg、心拍数141/分・整、呼吸数32回/分、SpO2 90%(高濃度酸素マスク10L投与下)だった。来院直後、脈あり心室頻拍が出現したが1分以内に自然頓挫した。その後けいれん発作が出現したため、ジアゼパム、レベチラセタム、ビタミンB1を投与したが発作を繰り返し、気管挿管の上でプロポフォール持続投与開始したところ鎮痙した。しかしその後、脈なし心室頻拍も持続したため蘇生を行った。ショック遷延に対して複数の昇圧剤および炭酸水素ナトリウム投与を要した。心エコーおよび全身CTでは特記すべき器質的病変を認めなかった。尿中薬物定性検査ではベンゾジアゼピン、TCAが検出されていたが、判明していた内服薬にTCAは含まれていなかった。病歴と合わせて薬物中毒による痙攣および致死性不整脈が起こっていると考えられた。集中的な全身管理が必要と判断し、ICUに入室させた。入室時APACHE2スコアは32点、SOFAスコアは17点だった。ICU入室後は昇圧剤投与下でも血圧80mmHg前後で推移していたが、第2病日に脈なし心室頻拍出現、CPR開始した。除細動2回施行し、アドレナリン投与含む蘇生を行ったが、自己心拍は再開しなかった。来院されたご家族に状況説明したところ、V-A ECMO導入は希望されず、死亡確認を行った。後日、血液検査結果では、アミトリプチリンが2034ng/mLと致死量を超える血中濃度を示していた。以上よりTCA中毒により痙攣および致死性不整脈が生じたと考えられた。【結論】TCA処方歴のないTCA中毒を経験した。急性薬物中毒が疑われる症例では、処方歴よりも顕現している症状から原因薬物を検索すべきである。
著者
太田 好紀 松田 直之 西山 慶 大鶴 繁 小林 勝哉 瀬川 一 小池 薫
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.10, pp.836-842, 2009-10-15 (Released:2009-12-28)
参考文献数
10

症例は63歳の男性。ニセクロハツを摂取し,1時間後に嘔吐,4時間後に下痢,18時間後に全身筋肉痛,21時間後に呼吸困難感が出現し,救急外来を独歩で受診した。血行動態に変化は認めなかったが,身体所見と血液検査所見などからニセクロハツ中毒による近位筋の横紋筋融解症と診断した。急性腎不全などの臓器不全を予防するため下大静脈(IVC)径が20mm以上もしくは中心静脈圧(CVP)が8mmHgになるように初期輸液を開始した。第3病日まで晶質液を7~7.5L必要とし,その間CVPは8mmHg以上が維持され,尿量は1~2ml/kg/時以上を得た。第3病日に血清CKは46,876IU/lを最高値としたが,輸液療法により腎機能が保たれていたため血液浄化療法の適応としなかった。ニセクロハツ中毒に対してIVC 20mm以上もしくはCVP 8mmHg以上を目安として初期輸液をすることで横紋筋融解症の増悪や急性腎不全の合併を回避できた可能性がある。