著者
小野崎 隆 池田 広 山口 隆 姫野 正己 天野 正之 柴田 道夫
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.13-16, 2002-04-01
被引用文献数
2 14

Burkholderia caryophylliにより発生するカーネーション萎凋細菌病は, 日本でのカーネーション栽培上最も重要で問題となっている病害である.カーネーション品種'スーパーゴールド'×強抵抗性野生種D. capitatusの種間雑種系統の中から, 強度の萎凋細菌病抵抗性を有する系統91B04-2を選抜し, 中間母本'カーネーション農1号'として品種登録した.'農1号'は定植から約3か月で開花する極早生性を示し, 調査期間中の全収量は11.5本/株と対照として供試したカーネーション3品種をいずれも上回る多収性を示した.フローサイトメトリーによる相対的な核DNA量の測定により, '農1号'は'スーパーゴールド'とD. capitatusの雑種であることが確認され, 二倍体と推定された.本系統は, 抵抗性育種素材として, カーネーションおよびダイアンサスの実用品種の育成に利用できる.