著者
諏訪 博彦 山本 仁志 岡田 勇 太田 敏澄
出版者
一般社団法人社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会学会誌 (ISSN:09151249)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.59-70, 2006-03-31
被引用文献数
6

持続可能な社会の実現のために、様々な方法で環境問題の解決が試みられている。しかし現状では、環境教育プログラムによって環境に対する態度は変化させられるものの、環境配慮行動を促す効果的なプログラムの開発は不十分である。我々は、どのような「環境に配慮する態度」をもっている個人が、「環境に配慮する行動」を実行しているのかを明らかにしたい。このために、既存の環境教育力リキュラムの順序性と心理的プロセスを援用し、人々が環境に対してどのような関心や動機を持ち、行動を行っているのかに関して質問紙調査を行った。調査結果を基に環境配慮行動を促す環境教育プログラム開発のための関心・動機・行動間のパスモデルを構築した。その結果、意識的環境配慮行動を規定する要因として、費用負担意思がもっとも高い影響を及ぼしていることがわかった。
著者
石原 裕規 諏訪 博彦 鳥海 不二夫 太田 敏澄
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.14, pp.1-6, 2012-12-05

東日本大震災時に,人々は, Twitter により様々な情報収集や,情報交換を行い震災に対処した.この際,情報発信や拡散の起点となるアカウントや,情報を仲介するアカウントが重要となる.ネットワーク分析においてこれらのアカウントは次数中心性と媒介中心性で表現できると考える.本研究では,二つの中心性を算出し,アカウントを特定し,コミュニケーション形態により分類した.今後このアカウントがどのような役割を果たしていたか理解し,今後の震災時における Twitter 利用に繋げられると考える.Using tweets extracted from Twitter during the Great East Japan Earthquake 2011, social network analysis techniques were used to generate and analysis the online networks that emerged at that time. People attempted to collect information about earthquakes and to communicate with friends through the twitter, and it is coping with the earthquake disaster. The aim was to identify active players for the Great East Earthquake on twitter. We construct a communication network and calculate two centrality measures(degree and betweenness) on twitter. As a result, Important players during the Great East Japan Earthquake were found to be: media reporters, people from not-for-profit, social media volunteers, newspaper publishing company, celebrity, and autonomous computer program.
著者
石原 裕規 諏訪 博彦 鳥海 不二夫 太田 敏澄
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

東日本大震災では,Twitterに多くのツイートが投稿された.この際,震災に関する情報は人々のコミュニケーション(リプライ,リツイート)により流通している.この情報流通においては,情報拡散の起点となるアカウントや,情報を仲介するアカウントが重要となる.本研究では,東日本大震災前後のツイートデータからコミュニケーションネットワークを1日毎に生成し,次数中心性と媒介中心性を求めることで重要なアカウントの特定を行っている。震災前後の変化を観察するために,重要アカウントがどのように時系列変化するのかを確認している.また,抽出した重要アカウントのコミュニケーション形態を分類し,震災前後で比較している.
著者
太田 敏澄
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

Web上の社会情報学事典構築の研究に関し,社会情報システム学の観点に基づき検討を行った.成長する社会情報学事典のプロトタイプ・システムを開発し,メーリングリストを通じて事項の収集を行っている.この事典は,サイバー・コモンズの典型的な事例となっている.今後の課題は,社会情報学のためのモデル構築プラットホームを概念化し,ソシオ・インフォマティカを開発することである.ソシオ・インフォマティカは,電子的な文献の集積体を基盤とし,マルチ・エージェント・シミュレーションを行うことのできるプラットホームである.このプラットホームは,社会的ネットワークや人工社会に関心をもつ研究者の研究を支援することができるものと考えられる.さらに,同事典を閲覧する人,および同事典に情報や知識を投稿する人を支援するためめシステムとして,視覚化システムを開発した.このシステムは,社会情報学に関する最近の文献におけるパラグラフに着目し,そこでの用語間の関係に基づき,用語を視覚化するシステムである.また,モデル構築やシミュレーションを通じて,デマンド・チェーンについて検討するため,ベンダーと顧客との間を仲介する情報ネットワークにおけるマネジメント・システムの有効性を確認したこと,モバイル・コミュニケーションの特性を検討するため,学生を対象とする調査に基づきモデルのパラメータを推定することで,パーソナル・コンピュータのe-mail利用との比較を行い,モバイル・コミュニケーションの相手は,直観に反し,多様化しないことを確認したこと,ウイナー・テイク・オール現象を解明するため,商品の選択における集中化傾向についてモデル化を行い,情報チャネルの数が,集中化傾向を強めていることを確認したことなどの研究成果を挙げている.