著者
井上 俊明 太田 睦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.500, pp.7-12, 2012-03-22

各種のカメラ搭載機器の急速な普及に伴い、撮影・蓄積された画像を有効に活用する画像認識技術への期待が高まっている.特に認識対象を限定しない一般物体認識問題の研究では,画像のアピアランス変化に頑強なSIFTやSURFなどの局所特徴量抽出手法が広く用いられており,これらのさらなる高精度化により認識性能を効果的に改善できると考えられる.そこで本研究では,SIFTに注目した高精度化手法を提案する.従来のSIFTでは,ガウス関数の空間微分であるLoG関数を近似したDoGフィルタを用いて,スケールスペース画像から特徴点を検出していたのに対し,本研究では,DoGフィルタの代わりにウインドウサイズを固定した単純なラプラシアンフィルタを用いる.これによりLoG関数に対する近似誤差を改善するとともに,再現性のあるより多くの特徴点を検出できる.公開画像を用いた実験で本提案の効果を評価し,従来のSIFTやSURFに対して再現性が改善されることを確認した.また本提案によるSIFTを画像照合に応用し,ALOIデータセットを用いた実験でも照合精度が改善されることを確認した.
著者
太田 睦 大網 亮磨
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.1162-1171, 1996-08-20
被引用文献数
47 2

ロスレス(可逆)DCT符号化方式を提案する.まず, DCT基底を整数化し, その場合の変換点構造を解析することで可逆量子化を導入した.8×8のDCTについて, この方式でロスレス符号化する方式について述べ, シミュレーションで基本性能を確認した.この方式は, 画質劣化を嫌う放送局での1次伝送等に用いることができる.さらに, DCTを用いた既存の標準方式と互換性のあるロスレス方式の可能性がある.
著者
宮本 義弘 横山 裕 太田 睦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. AVM,[オーディオビジュアル複合情報処理] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.25-32, 1995-07-14
被引用文献数
2

低ビットレートでのビデオ符号化において,オブジェクト階層符号化(Object Scalability)を実現する方式を提案する.ISO/IEC MPEGでは次世代低ビットレートビデオ化符号化方式(MPEG-4)の標準化を進めているが,従来の方式に比較して符号化効率を改善するだけでなくマルチメディアデータアクセスに適した符号化技術の開発を目標としている.例えばオブジェクト階層符号化の技術により,画像中の注目する被写体領域だけを符号化伝送したり,圧縮データのままの状態で領域単位での画像の合成や編集などが可能になる.提案方式はワーピング予測を基本方式とし,ワーピング処理の単位であるパッチを注目する被写体領域の輪郭に適合させることで,オブジェクト階層符号化を実現する.領域形状はパッチにより近似表現するので,形状符号量は僅かですむ.ワーピング予測は予測効率に優れ,予測による歪が視覚的に目立ち難いので低ビットレート符号化に適している.またパッチ形状に合わせた可変形状DCTを用いることで予測誤差を効率的に変換符号化する.計算機シミュレーション結果により方式の効果を示す.