著者
西本 一志 横山 裕基
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014-HCI-159, no.10, pp.1-8, 2014-07-28

工学研究は,人々の生活を便利にする技術の実現を目的として推進されてきた.しかしながら,過剰で近視眼的な便利さの追求の結果,副作用として各種の問題が生じてきている.この 1 つの解決策として,筆者らは,妨害的要素をあえて導入することによって,人による人間的な営みに対して,異なる視点,あるいは高次の視点から見た場合にプラスの影響をもたらそうというメディア・デザインの考え方を提唱している.本稿では,このデザイン方法論の確立に向けた第一歩として,これまで筆者らの研究室で行われてきた,妨害的要素を採り入れた知的活動支援技術に関する研究を俯瞰し,整理する.これにより,本デザイン方法論体系化のための端緒を見出すことを目指す. : The engineering studies have been promoted to create technologies that make our life more convenient. However, various undesirable side effects have arisen because of excessive and myopic pursuit of convenience. As one of the ways to solve this problem, we proposed a novel media-design concept where we produce positive effects from different and/or higher viewpoints by incorporating some obstructive factors into the media. In this paper, we overview and rearrange our research attempts on supporting technologies of intelligent activities into which some obstructive factors were incorporated. By means of this, we aim at finding some clues to organize the design methodology.
著者
横山 裕一
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.361, pp.56-57, 2004-10-08

●● 土木工事を題材にした漫画を描いていますが,どういう部分に魅力を感じたのでしょうか。横山 子どもって工事現場が好きでしょう。町中で好きなところを描きなさいというと,何人か工事現場を描く子がいますよね。最初はそんな幼稚な興味だったんです。 美大の学生だったころに作品の題材に使えないかと思って,いろいろな工事現場に行って写真を撮り始めました。
著者
横山 裕 櫛田 裕 広松 猛 小野 英哲
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文報告集 (ISSN:09108025)
巻号頁・発行日
no.434, pp.21-30, 1992-04-30
被引用文献数
2

This paper presents some knowledge of vibrations caused by actions of a large audience during concert is given. Firstly, full investigation was made into relationships between vibrations, actions of audience and music programme of a concert. From this investigation, it was made clear that main cause of the vibration was "TATENORI" action "TATENORI" action was done by audience when rhythms of performed music became quick (about 2-3 Hz). Secondly, from the relationships between experimental and analytical investigation, exciting force of "TATENORI" action was estimated. One time history curve was obtained as the exciting force, which was composed of triangular pulses.
著者
柿崎 竹彦 横山 裕貴子 夏堀 雅宏 唐沢 梓 久保 聡 山田 直明 伊藤 伸彦
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.361-365, 2006-04-25

犬における血漿中プロベネシドの測定と共にその血漿蛋白結合特性および薬物動態学的パラメータを求めた.血漿中プロベネシド濃度はHPLCによって良好な直線性および添加回収率が示され,血漿試料の定量限界はS/N比3として約50ng/mlまで塩酸とメタノールによる簡便な試料処理によって測定された.プロベネシドは犬血漿蛋白と高親和性低結合容量および低親和性高結合容量の2相性の結合特性を示し,この結果より犬血漿中ではその後in vivoで観察された濃度範囲(<80μg/ml)で80〜88%のプロベネシドが血漿蛋白との結合型で存在することが示された.プロベネシド(20mg/kg)静脈内投与後の血漿中消失プロフィールより,2コンパートメントモデルがもっともよく適用され,その血漿クリアランスは0.34±0.04ml/min/kg,定常状態の分布容積は0.46±0.07l/kg,消失相の半減期は18±6hr,平均滞留時間(MRT)は23±6hrであった.プロベネシドは酸性薬物に対する腎尿細管での強力な能動分泌阻害薬であることと,その血漿蛋白結合率が高いために,血漿蛋白結合および薬物動態に関する著者らの知見は,本薬物による犬や他の動物種における薬物相互作用の基礎的情報を提供すると考えられる.
著者
横山 裕 伊藤 仁洋 高橋 宏樹 小野 英哲
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.64, no.516, pp.37-44, 1999
被引用文献数
2 1

The purpose of this study is to present the lower criterion of C.S.R not to slip at the landing when people step on the slippery surface without the knowledge of the slipperiness changing. In this paper, first, it was made clear that the most dangerous motion was fast walking at the speed of one-point-two-two times the height per second. So, fast walking and walking at natural speed were selected as motions to be investigated. Secondly, from the investigation of the load applied to the floor while these motions, the load to be simulated by "Landing Slip Meter" was established.
著者
小浦 卓 高木 徹 横山 裕介 小西池 泰三
出版者
日本関節病学会
雑誌
日本関節病学会誌 (ISSN:18832873)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.155-158, 2019 (Released:2020-04-28)
参考文献数
6

Background: Popliteal cysts are often observed in patients with rheumatoid arthritis (RA) . Complications of these cysts are rupture, dissection, pseudothrombophlebitis, leg ischemia, nerve entrapment, and compartment syndrome. We describe a patient suffering from RA with a ruptured popliteal cyst that was treated by surgery.Case: A 74-year-old patient with RA presented with sudden-onset pain and tense swelling in his right calf. Prior to hospital admission, a deep vein thrombosis (DVT) was suspected, and he was referred for evaluation and treatment. His C-reactive protein level was 3.78 mg/dL, and his D-dimer level was 3.7 μg/mL (normal level, <1.0 μg/mL) . During his evaluation for DVT, the diagnosis of a ruptured popliteal cyst (RPC) was made on enhanced computed tomography and magnetic resonance imaging. He resisted conservative management and was treated surgically. Postoperatively, the cyst disappeared completely and has not recurred.Conclusion: A popliteal cyst is a benign lesion that results from degenerative or inflammatory disease of the knee joint. This cyst may rupture causing severe pain in the calf, with warmth, erythema, and tenderness. This may be confused with other causes of swelling and pain in the calf including deep vein thrombosis. Hence it is also described as pseudothrombophlebitis. After surgical resection of such cysts, general as well as local signs of inflammation improved. In difficult cases, surgery is considered to be very effective for the treatment of RPCs. In the case of failure of conservative management, surgical treatment is a good option for the treatment of RPCs.
著者
横山 裕 佐藤 晋哉 横井 健
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.78, no.690, pp.1359-1365, 2013-08-31 (Released:2013-11-30)
参考文献数
9

Floor-slipperiness is a crucial factor in designing buildings for cohabitation with pets. This study proposes an indicator of floor slipperiness applicable to small-breed indoor dogs prone to skidding accidents. The incidence of skidding was recorded by applying load elicited by movements of 12 dogs on 6 flooring materials with different Coefficient of Slip Resistance (CSR). The relationship between recorded incidence and floor materials' CSR revealed that dogs slowed their movements to avoid skidding on low CSR floors. A range of CSR that does not slow dogs' movements was determined and its minimum value is proposed as the required lower limit.
著者
星野 由維 筒山 将之 杉本 博行 小林 大介 横山 裕之 望月 能成 谷口 健次
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.692-700, 2022-11-01 (Released:2022-11-30)
参考文献数
36

症例は85歳の男性で,腹痛・嘔吐を主訴に前医を受診し,小腸閉塞の診断で保存的加療を行ったが食事摂取で再燃を繰り返したため,精査・加療目的に当院に紹介受診となった.腹部ダイナミックCTにて,空腸に造影効果を伴う壁肥厚とその口側の腸管拡張を認め,空腸腫瘍とそれに伴う腸閉塞と診断した.寛解・増悪を繰り返す腸閉塞を認めており,手術適応と判断し腹腔鏡下小腸部分切除術と所属リンパ節郭清を施行した.術後病理検査にて小腸組織内に膵腺房組織を認め異所性膵が存在し,異所性膵組織の一部と連続性を持って異型細胞を認め異所性膵癌と診断した.根治切除可能であったが,術後2か月で多発肝転移・腹腔内リンパ節再発を認め,S-1内服を継続し現在も外来通院中である.今回,術前診断が困難な小腸異所性膵癌の1例を経験したので報告する.
著者
横山 裕 櫛田 裕 広松 猛 小野 英哲
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文報告集 (ISSN:09108025)
巻号頁・発行日
vol.434, pp.21-30, 1992-04-30 (Released:2017-12-25)
被引用文献数
1 2

This paper presents some knowledge of vibrations caused by actions of a large audience during concert is given. Firstly, full investigation was made into relationships between vibrations, actions of audience and music programme of a concert. From this investigation, it was made clear that main cause of the vibration was "TATENORI" action "TATENORI" action was done by audience when rhythms of performed music became quick (about 2-3 Hz). Secondly, from the relationships between experimental and analytical investigation, exciting force of "TATENORI" action was estimated. One time history curve was obtained as the exciting force, which was composed of triangular pulses.
著者
田中 健士郎 横山 裕之
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.683-686, 2019-05-31 (Released:2020-05-27)
参考文献数
14

高マグネシウム(以下,Mg)血症は,多くが腎機能障害患者へのMg含有製剤の過剰投与が原因とされている。今回,クエン酸Mg(マグコロールP®)服用後に高Mg血症と糞便性腸閉塞をきたした1例を経験したので報告する。症例は66歳女性。肛門痛と便秘症の精査で注腸検査予定となった。前処置としてクエン酸Mgを内服したところ,意識障害をきたし当院の救急外来へ搬送された。精査で高Mg血症および糞便性の腸閉塞を認め,緊急透析となった。翌日もMg値の再上昇,腸閉塞の悪化を認め,緊急S状結腸人工肛門造設術を施行した。術後,すみやかに血清Mg濃度は正常化した。腎機能障害を有さない患者でもクエン酸Mg製剤投与により重篤な高Mg血症を発症したとの報告がある。重度の高Mg血症は致死的な経過をたどることもあり,その投与に際しては十分な配慮と患者指導を行うとともに,発症時には迅速な対応が重要であると思われた。
著者
三上 泰正 高舘 正男 横山 裕正 川村 陽一 小林 渡 舘山 元春 前田 一春 工藤 龍一 中堀 登示光 小山田 善三 工藤 哲夫
出版者
青森県農林総合研究センター
雑誌
青森県農林総合研究センター研究報告 (ISSN:03887650)
巻号頁・発行日
no.41, pp.45-62, 2007-03

水稲新品種'恋ほのか'は、青森県農業試験場(現青森県農林総合研究センター)において、全量炊飯型香り米の育成を目標に、'関東154号'(後の'サリークイーン')と'ハツコガネ'のF3個体を母とし、'ふ系143号'(後の'ヤマウタ')を父として人工交配を行い、その後代から育成された香り米の粳種である。2000年から'青系香144号'の系統名で「あおもり米優良品種の選定試験(水稲奨励品種決定、基本調査)」に供試され、栽培特性と利用方法の両面から検討を行った結果、従来の米と異なる新たな需要が期待されることから、2004年2月に青森県の第1種認定品種に指定された。'恋ほのか'の出穂期及び成熟期は'むつほまれ'より遅く、熟期は'つがるロマン'並の「中生の中」に属する。草型は「偏穂数型」で、稈長は「短稈」であるが、倒伏抵抗性は「中」である。障害型耐冷性及びいもち病抵抗性は「強」である。玄米の形はやや細長く、'むつほまれ'より玄米品質はまさり、玄米千粒重は軽く、収量性は低い。炊飯米はポップコーンのような香りがあり、白飯のほかに、ピラフ、パエリア、リゾット等の各種調理飯に利用できる。
著者
江木 啓訓 横山 裕紀 今村 瑠一郎 則常 一輝
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.135-145, 2021-06-10 (Released:2021-06-18)
参考文献数
27

本研究では,視野映像を用いてTA(Teaching Assistant)が自らの学習支援行動を振り返るための行動記録システムを提案する.学習者に対して臨機応変に支援を行うために,TA には自ら考えて行動する主体性が求められる.視野映像を記録する方法で自らの行動を振り返ることにより,主体性を伸ばすための気づきを喚起することが期待できる.しかし,TA が従事する全ての時間の視野映像を確認することは負担が大きい.この問題に対して,TA が身につけた加速度センサのデータから行動を推定し,振り返り時の手掛かりとして提示する行動記録システムを開発した.複数のTA が本システムを用いた振り返りを行った実験の結果から,加速度センサでTAの学習支援行動を識別することが可能であった.また,手掛かりの提示によって,いずれのTAも振り返りのための視野映像の確認時間が短くなった.本システムを用いることで,TA が学習支援行動を効率的に振り返ることの可能性が示唆された.
著者
三上 泰正 川村 陽一 横山 裕正
出版者
青森県農林総合研究センター
巻号頁・発行日
no.41, pp.23-44, 2007 (Released:2010-04-05)

水稲新品種‘まっしぐら’は、青森県農業試験場(現青森県農林総合研究センター)において、「中生」熟期でいもち病抵抗性と障害型耐冷性が強い極良食味品種の育成を目標に、‘奥羽341号’を母、‘山形40号’を父として人工交配を行い、その後代から育成された粳種である。1999年から‘青系138号’の系統名で「あおもり米優良品種の選定試験(水稲奨励品種決定調査)」に供試され、2005年3月に奨励品種に指定された。‘まっしぐら’の出穂期は‘むつほまれ’より1日程度‘ゆめあかり’より1?2日程度遅く、成熟期は‘むつほまれ’並で、‘ゆめあかり’より2?3日程度遅く、熟期は「中生の早」に属する。草型は「偏穂重型」で、稈長は「短稈」、倒伏抵抗性は「強」である。穂孕期の障害型耐冷性は「やや強」で、いもち病抵抗性は「強」である。収量性は‘ゆめあかり’よりやや高く、‘むつほまれ’よりやや低い。玄米千粒重は‘むつほまれ’よりやや重く、玄米品質は‘むつほまれ’並である。食味は、‘むつほまれ’より明らかにまさり、‘つがるロマン’並の「上中」である。
著者
中村 陽祐 竹内 裕美 福島 慶 横山 裕子 森實 理恵 榎本 雅夫
出版者
日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会
雑誌
耳鼻咽喉科免疫アレルギー (ISSN:09130691)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.1-6, 2017 (Released:2017-03-24)
参考文献数
13

抗ヒスタミン薬の鼻閉に対する効果を補完するために,第2世代抗ヒスタミン薬のfexofenadineフェキソフェナジンと経口血管収縮薬のpseudoefedrineプソイドエフェドリンの配合剤(F/Pと略す)が臨床で使用されている。F/Pの鼻閉に及ぼす臨床効果は経験的に確認されているが,鼻腔通気性の変化を客観的に評価した研究はほとんどない。本研究では,通年性アレルギー性鼻炎患者17人(男性12人,女性5人,平均年齢28.6歳)を対象として,F/P服用後の鼻腔通気性の変化を鼻腔通気度検査によって検討した。また,F/P服用後の自覚的な鼻閉感の変化についてVASを用いて検討した。鼻腔通気度検査は,F/P服用前は4時間,服用後は8時間,30分毎に測定した。また鼻閉感は,鼻腔通気度検査に合わせて測定した。鼻腔通気性の客観的な指標である総鼻腔気流量は,服用後90分から有意に増加し,服用後8時間まで有意な増加が持続した。一方,鼻閉感は,服用後2時間から有意に低下し,服用後6時間まで有意であり,試験期間の服用後8時間の間,効果が持続した。本研究によって,F/Pの鼻腔通気性に対する速やかな効果発現と持続性を客観的に証明することができた。また,鼻腔通気性の改善に伴い自覚的な鼻閉感も有意に改善することが確認された。
著者
横山 裕
出版者
九州保健福祉大学
雑誌
九州保健福祉大学研究紀要 (ISSN:13455451)
巻号頁・発行日
no.5, pp.41-51, 2004-03

In this paper I argue that based upon the historical records of rei (courtesy) in old China, the aged, handicapped, sick, and children were exempted from their duties and given economic aids, which was considered to be an ideal welfare policy. Specifically, it is confirmed that with a view to putting koo (filial piety) into practice, the aged need to be given not only economic aids but also a mental care of kei (respect). It is, moreover, showed that the mentality of kei has been passed on to the law principle concerning the aged welfare in the east-north Asian countries, and, consequently, that welfare policies in old China are closely connected to what they are now.