著者
小林 晃 畑 泰司 山本 浩文 鈴木 真紀 竹元 慎吾 宮上 寛之 太良 光利
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.86-90, 2017-06-20 (Released:2017-06-21)
参考文献数
10

目的:徳之島の医療施設で経験した14例の悪性貧血について臨床的および疫学的検討を行った.方法:平成21年3月より平成26年5月までに当院で悪性貧血と診断した14例を対象として,後方視的に検討した.結果:全例50歳以上で,高齢女性に多かった.14例のうち6例は特に症状はなかったが,定期検査で大球性貧血を認めたことが契機で,悪性貧血の診断に至った.この期間における当院の年間発症数は中央値3(95%confidence interval[CI]:1.25-3.42)であった.結論:徳之島での今回の我々の成績では,悪性貧血の10万人当たりの年間発症率が,本邦の従来の報告例に比し,大幅に高い可能性があることが判明した.その理由として,高い高齢化率,看過されやすい疾患であること,民族的ないし地域的特異性が関与している可能性を指摘した.悪性貧血の罹患率は従来の報告より高い可能性があり,貧血の鑑別診断として,悪性貧血を念頭に入れて診療を行う必要がある.
著者
児浦 純義 太良 光利 徳永 正義
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.101, no.11, pp.1333, 1991 (Released:2014-08-11)

IFN-γ吸入療法の奏効したKi-I陽性ATLの1例を報告した.症例は56歳,男性で,HTLV-I抗体陽性,皮膚腫瘤はCD2,CD3,CD4,CD25並びにCD30を発現した大型リンパ球の増殖を示した.PCR法で腫瘍細胞にHTLV-I Provial DNAを証明した.治療として,IFN-γ吸入療法を実施し,皮膚腫瘤の消褪をみとめるとともに,併発していた汎発性白癬もほぼ治癒した.文献的見地から,Ki-I抗原の意義について述べるとともに,あわせてKi-Iリンパ腫にも言及した.又,IFN-γ吸入療法の意義を述べた.