著者
小林 晃洋 大久保 街亜
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.60-68, 2014-04-25 (Released:2014-04-15)
参考文献数
34
被引用文献数
2 6

The Operation Span Test (OSPAN) is widely used to assess working memory capacity. However, this instrument has been rarely used to test Japanese participants because its task was not sufficiently difficult. The mean score for the original computerized OSPAN often reached a ceiling when Japanese participants were tested. In this study, we developed a computerized version of OSPAN for Japanese participants by increasing the task difficulty of the arithmetic procedures. The OSPAN scores were normally distributed and the mean score was approximately 50%. There were positive correlations between OSPAN scores and other scores of working memory measurements, such as a reading span test and a digit span test. These results suggest that the Japanese OSPAN is a reliable and valid measurement of working memory to test Japanese participants.
著者
平田 倫啓 鹿野田 一司 松野 元樹 小林 晃人
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.214-220, 2018-04-05 (Released:2019-02-05)
参考文献数
28

物質中の電子は,物質の結晶構造や対称性,元素組成などによって決まるさまざまな大きさの見かけ上の質量,有効質量をもつ.近年,特定の条件がそろったときに,固体中の電子が質量ゼロの相対論的な粒子のように振る舞うことが見出され,大きく注目されている.このように質量がゼロの奇妙な電子状態のことを「ゼロ質量ディラック電子」と呼び,グラファイトを単層剥離し作製するグラフェン中で10年ほど前に確認された.それ以降,ゼロ質量のディラック電子は,表面のみ金属的な伝導特性を示すトポロジカル絶縁体,その類縁物質であるトポロジカル半金属,さらには有機物質中などでも見つかり,「ディラック物質」の科学として新たな広がりを見せている.ゼロ質量ディラック電子の運動は,ディラックコーンと呼ばれる線形なエネルギー・運動量の分散関係で記述される.このコーン型分散をもつことの帰結として,コーンの交点近傍では,キャリア数が極端に少なくなり,通常の金属や半導体で見られるクーロン相互作用の(遍歴電子による)遮蔽効果が消失する.このため,普通は隠れているクーロンポテンシャルの長距離成分(∝1/r)が復活し,従来とは全く異なる電子相関効果が期待される.実際,グラフェンにおいては,電子相関が(通常とは逆に)電子の速度の特異な増大を引き起こし,その結果,コーンが内向きに変形する現象が確認されている.しかし,グラフェンでは電子相関の大きさ自体が小さく,また乱れなどの影響で,交点まわりでの電子の励起を詳細に検証することが難しい.このため,ディラックコーン系における電子相関効果の全貌は,実験的に十分には解明されていない.そんな中,筆者らのグループは最近,強い電子相関と高い結晶性を合わせもつ,有機物質α-(BEDT-TTF)2I3のゼロ質量ディラック電子系に着目し,低エネルギー励起と相関効果の検証に有効な核磁気共鳴(NMR)測定を行った.理論モデルの数値解析を併用し精査することで,ディラックコーン系の電子相関効果に,従来物質とは著しく異なる階層性が存在することを明らかにした.α-(BEDT-TTF)2I3における13C NMR測定によって,局所電子スピン帯磁率の温度依存性が導出される.コーン交点に位置するフェルミ準位のまわりでの熱励起特性を調べることで,三つの電子相関効果が異なる温度(エネルギー)スケールで現れることが示される.すなわち,(A)室温から100 K程度までの温度領域では,従来の強相関電子系と同様に,短距離相互作用によるバンド幅(運動エネルギー)の抑制が生じる.(B)~100 K以下になると,クーロンポテンシャルの長距離成分によって電子速度が増大し,ディラックコーンの顕著な変形(右下図)が見られる.さらに,(C)60 K以下の温度領域になると,オンサイトのクーロン斥力によって磁場誘起のフェリ磁性分極が発現する.ディラックコーン系の電子相関効果に,このように多彩な階層構造が見出されたことは,ディラック物質全般における多体効果を解明し理解していく上での第一歩である.
著者
小林 晃 畑 泰司 山本 浩文 鈴木 真紀 竹元 慎吾 宮上 寛之 太良 光利
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.86-90, 2017-06-20 (Released:2017-06-21)
参考文献数
10

目的:徳之島の医療施設で経験した14例の悪性貧血について臨床的および疫学的検討を行った.方法:平成21年3月より平成26年5月までに当院で悪性貧血と診断した14例を対象として,後方視的に検討した.結果:全例50歳以上で,高齢女性に多かった.14例のうち6例は特に症状はなかったが,定期検査で大球性貧血を認めたことが契機で,悪性貧血の診断に至った.この期間における当院の年間発症数は中央値3(95%confidence interval[CI]:1.25-3.42)であった.結論:徳之島での今回の我々の成績では,悪性貧血の10万人当たりの年間発症率が,本邦の従来の報告例に比し,大幅に高い可能性があることが判明した.その理由として,高い高齢化率,看過されやすい疾患であること,民族的ないし地域的特異性が関与している可能性を指摘した.悪性貧血の罹患率は従来の報告より高い可能性があり,貧血の鑑別診断として,悪性貧血を念頭に入れて診療を行う必要がある.
著者
小林 晃洋 大久保 街亜
出版者
専修大学社会知性開発研究センター
雑誌
専修大学社会知性開発研究センター/心理科学研究センター年報 : 融合的心理科学の創成 ; 心の連続性を探る
巻号頁・発行日
vol.1, pp.89-108, 2012-03-14

無償OSであるUbuntu上で, OctaveとPsychtoolboxを利用した実験環境の構築方法について紹介した。商用ソフトウェアはサポートの終了やプログラムの改変に対する制約, 価格の問題などを抱えており, 無償かつ改変可能な実験環境を構築できることがのぞましい。ただし無償ソフトウェアを用いた実験環境を構築するためのドキュメントは未だ少ないため, 本稿では基本的な設定手順や注意すべき点について説明した。またサンプルプログラムを掲載し, Psychtoolbox上でのプログラミング方法を紹介した。
著者
小林 晃
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.114, no.2, pp.71-78, 2019-02

サツマイモは日本全国で栽培されており,平成29年全国の作付面積は,前年に比べ400ha(1%)減少した3万5600ha,生産量は前年に比べ5万3600トン減少した80万7100トンである。サツマイモの主な用途としては,市場販売用,でん粉原料用,焼酎原料用,加工食品用があるが,平成27年においては生産量全体の25%,約20万トンのサツマイモが焼酎原料として消費されている。また,焼酎メーカーが多く所在する宮崎県および鹿児島県では,焼酎原料用途の消費比率が高く,宮崎県産および鹿児島県産サツマイモのそれぞれ66%(5.6万トン),48%(14.3万トン)が焼酎原料として使われており,南九州における焼酎原料用サツマイモは農業生産においても,また,地域経済においても重要な品目となっている。国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター都城研究拠点サツマイモ育種グループ(所在地 宮崎県都城市)では,これまでに様々なサツマイモの品種開発を行ってきたが,ここでは,焼酎原料用サツマイモを中心に,品種開発の変遷と今後の展望について紹介する。
著者
小林 晃
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.114, no.2, pp.71-78, 2019 (Released:2019-06-21)
著者
小林 晃
出版者
神奈川大学
雑誌
商経論叢 (ISSN:02868342)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.15-30, 2004-03

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著者
小林 晃
出版者
神奈川大学経済学会
雑誌
商経論叢 (ISSN:02868342)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.p238-187, 1992-02
著者
小林 晃
出版者
公益財団法人東洋文庫
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012-04-01

平成26年度は、南宋末期の公田法に関する研究論文を『歴史学研究』の誌上に掲載させ、その研究を一区切りさせるとともに、新たな研究テーマとして南宋末期における四明(現在の浙江省寧波市)史氏の没落過程の解明に着手した。四明史氏は南宋後期に3人の宰相・執政を輩出するなど、当時の中央政治を掌握し続けた一族であったが、南宋理宗時代に宰相史嵩之が失脚したあとは政治的な地位を喪失した。従来の研究は史氏没落の原因を、政治的な立ち位置をめぐる史氏一族の内輪もめに求めてきたのであった。しかし史氏の没落によって、四明出身の官僚たちが南宋中央から駆逐されたとされてきたことを考えると、史氏没落の様相を明らかにすることは、つづく元朝・明朝における四明知識人の活動実態を明らかにするための前提条件であるといえよう。以上の問題関心のもと、当時の史料を検討してみたところ、史氏の没落の原因は一族内の内輪もめではなく、史嵩之の政治的資産を引き継げる適当な人物が存在していなかったことにあることが明らかになった。しかしそうした状況は、皇帝理宗の政治運営に深刻な影響をもたらした。皇帝理宗は、それまで史氏の出身者が築いてきた国防体制に依拠してモンゴルとの戦争を切り抜けてきたからである。これを正常に機能させるためには、史氏が有した人的結合関係に重なる人脈を持つ者を宰相に据えなければならない。こうした事情のなかで、史氏の継承者として登場したのが賈似道であったと考えられる。賈似道の義母は四明史氏の女子であり、まさに史氏の人的結合の延長線上に位置する人物だったのである。このように見てくると、南宋最末期にも四明出身者の人脈が大いに活躍していたことが明らかとなる。これらの研究成果については、早期に研究論文としてまとめて発表する予定である。
著者
小林 晃洋 大久保 街亜
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.60-68, 2014
被引用文献数
6

The Operation Span Test (OSPAN) is widely used to assess working memory capacity. However, this instrument has been rarely used to test Japanese participants because its task was not sufficiently difficult. The mean score for the original computerized OSPAN often reached a ceiling when Japanese participants were tested. In this study, we developed a computerized version of OSPAN for Japanese participants by increasing the task difficulty of the arithmetic procedures. The OSPAN scores were normally distributed and the mean score was approximately 50%. There were positive correlations between OSPAN scores and other scores of working memory measurements, such as a reading span test and a digit span test. These results suggest that the Japanese OSPAN is a reliable and valid measurement of working memory to test Japanese participants.
著者
村上 章 中畑 和之 西村 伸一 藤澤 和謙 小林 晃 鈴木 誠
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

地震災害リスクと豪雨災害リスクを統合したアセットマネジメントシステムの構築につき、任意年の地震リスク=損失額×地震損失確率を算定し、最終的にLCC=供用年内のリスク+改修費用+維持管理費用を得る。LCCを最小化することで最適な改修および維持管理方法を決定する。この解析を複数の対象地域(ため池群の流域とその下流地域)で実施し、一連の分析を統合化した意思決定システムを完成させた。上記の研究成果は、論文や口頭発表を通じて公表した。さらに、一般市民向け研究成果公開事業「京都大学アカデミックデイ」にて発表・説明した。
著者
大津 宏康 立川 康人 小林 晃 稲積 真哉
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

インドシナ地域で斜面崩壊が最も多発している風化花崗岩(まさ土)からなる斜面での原位置計測の分析結果より,降雨は表面流出,地中への浸透に加え,表面貯留の3成分に分類され,この内表面貯留は,斜面表層部でのインク瓶効果により,降雨浸透が抑制されることで生じることを確認した.また,解析で算定された浸透量を流入境界とした飽和・不飽和浸透流解析と実測値との比較から,同手法は,表面貯留量の概念を導入することで,浸透量を適切に表現可能となることを示した.さらに,降雨に起因する斜面崩壊機構として,降雨浸透に伴う飽和度の上昇による有効粘着力の減少により,安全率の低下が生じることを明らかにした.