著者
永井 聖剛 Patrick J. Bennett 熊田 孝恒 Melissa D. Rutherford Carl M. Gaspar Diana Carbone 奈良 雅子 石井 聖 Allison B. Sekuler
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.51, 2007

Classification image法により視覚情報処理方略を詳細に示すことが可能である.例えば,顔画像が提示され個人弁別課題が与えられたとき,「顔のどの部分にどれくらい強く処理ウェイトをおくか」をピクセル単位で明らかにすることができる(e.g., Sekuler et al., 2004).ただし,この方法は相当数の試行数を必要とし,障害者など特殊な被験者に適用することは容易では無かった.本研究ではサブ・サンプリング刺激提示,ならびにデータ加工法の洗練により,従来より遙かに少ない試行数で,従来と同等に高い精度で顔情報処理の特徴を明らかにすることに成功し,自閉症者の顔情報処理を詳細に調べた.実験の結果,自閉症者においても健常者と同じく目・眉の領域に処理のウェイトをおくが,自閉症者ではそのウェイトが弱く,額にも処理ウェイトをおくなど健常者にはみられない処理方略を示した.