著者
藤木 大介 若杉 佳彦 楞野 祥子 岩本 理沙 島田 英昭
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.390-395, 2017-10-25 (Released:2017-10-25)
参考文献数
19

When reading narratives, readers infer the emotions of characters and empathize with them. Emphathic responses can be parallel or reactive. This study, based on the dual-process theory, investigated which emotional responses (i.e., emotion inference, parallel response, or reactive response) in reading are caused by system 1 (unconscious, implicit, automatic, low-effort process) and which depend on system 2 (conscious, explicit, controlled, high-effort process). As cognitive load affects responses influenced by system 2, the effects of working memory load on reading were examined. Participants were divided into two groups based on working memory capacity, and instructed to read narratives under a dual-tasks situation similar to the reading span test. The results revealed no effect of cognitive load on inference of characters’ emotions. However, additional load did affect both types of empathic responses in the low-capacity group. Further, when cognitive load was low, emotion inference correlated with both empathic responses. These results indicate that emotion inference is an automatic process, whereas empathic responses are controlled processes.
著者
島田 英昭 北島 宗雄
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.474-486, 2008-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
24
被引用文献数
6 5

本研究は, 挿絵が文章理解を促進する効果に対して, 動機づけを高める効果と精緻化を促進する効果の2つがあるとする認知モデル, 2段階モデルを提案した。そして, 既存の防災マニュアルを事例として実験を実施し, 2つの効果を確認した。実験1 (N=34) では, 実験参加者に対して, マニュアル中のページを2秒間見ることを求め, その直後に動機づけに関する質問に答えることを求めた。その結果, 挿絵がマニュアルの読解に対する動機づけを高めることを示した。実験2 (N=23) では, 実験参加者に対して10分間でマニュアルを理解することを求め, 挿絵が注視され, 記憶されていることを明らかにした。さらに, 挿絵の記憶が関連するテキストの記憶を促進することを明らかにした。つまり, 挿絵が精緻化を促進することを示した。
著者
島田 英昭
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.Suppl., pp.21-24, 2020-02-20 (Released:2020-03-23)
参考文献数
9

本研究は,教材の読解初期の短時間情報処理プロセスを対象に,挿絵を含む教材の版面率が動機づけに及ぼす影響を検討した.大学生20名を対象に,版面率と挿絵の有無を操作した6条件の防災教材を作成し,1種ずつ2秒間提示し,それぞれ動機づけと主観的わかりやすさの評価を求めた.その後,同じ教材を1種ずつ時間制限なく提示し,主観的情報量と主観的効率性の評価を求めた.その結果,挿絵があり,版面率が小さい教材において,動機づけ効果が大きく,主観的わかりやすさも大きいことが明らかになった.また,挿絵は文字に比べて主観的情報量の増分が小さく,挿絵がある教材では主観的効率性が高いことが明らかになった.
著者
石澤 亜耶乃 島田 英昭
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.245-253, 2014-06-01 (Released:2015-02-10)
参考文献数
20
被引用文献数
1

Empathic responding is divided into the following two types: parallel and reactive. In the framework of a dual-process theory, our hypothesis is that parallel responding depends on system 1, which operates fast, automatically, and unconsciously, and that reactive responding is controlled by system 2, which operates slowly but serves as the basis of rationality. We investigated the hypothesis by means of manipulating the load of working memory which was an essential element for system 2. Participants read a story of an unhappy person with a memory task, in which they were required to memorize underlined words and recall them after reading it, and then answered the parallel and reactive responding scales. As a result, high working memory load, in which condition participants were required to memorize more words, led to lower re-active responding than low working memory load, but the difference was not shown in parallel responding. This result affirms our hypothesis.
著者
山本 博樹 織田 涼 島田 英昭
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.89.17015, (Released:2018-05-25)
参考文献数
24

We examined the hypothesis that the effect of signaling on students' prose comprehension is significant only when structure strategies are deficient during production. Participants included first-year high school students (N = 120, mean age 16.0) and university students (N = 120, mean age 20.8). Students' tendencies to use structure strategies were evaluated and classified as lower-structure (LS) or upper-structure (US) strategy using the median (23 high school students and 25 university students). Participants performed sentence arrangement, recall, and reconstruction tasks. Each task consisted of expository sentences with or without signaling. The results indicated the following: (a) Signaling facilitated structure identification in organizational processes in the US strategy group of high school students, which improved their prose comprehension, whereas no effects were evident in the LS strategy group. (b) An identical effect was seen in the LS strategy group of university students, whereas it was not observed in the US strategy group. These results support our hypothesis. The boundary conditions for the effect of signaling on students' prose comprehension are discussed from the perspective of the production deficiency in structure strategy.
著者
犬塚美輪 島田英昭 深谷達史 小野田亮介 中谷素之
出版者
日本教育心理学会
雑誌
日本教育心理学会第60回総会
巻号頁・発行日
2018-08-31

企画の趣旨 論理的文章の読み書きは,教授学習の中の中心的活動の一つである。自己調整学習の研究や指導実践が数多く実施され,読解や作文を助ける方略やその指導が提案されてきた。 本シンポジウムの第一の目的は,読むことと書くことの関連性を捉え,その観点から新たな論理的文章の読み書きの指導を考えることである。読むことと書くことの研究は,別の研究領域として扱われることが多かった。しかし,両者は本来テキストによって媒介されるコミュニケーションとしてつながりを持つものと考えられる(犬塚・椿本,2014)。従来明示的でなかった読むことと書くことのつながりを意識することで,読み書きの研究・実践に新たな視点を提示したい。 第二の目的は,感情の側面を視野に入れた読み書きのプロセスを検討することにある。論理的文章の読み書きでは,動機づけ以外の情動的側面に焦点があてられることが少ないが,その一方で,情動要因の影響を示す研究も増えている。特に実践の場では学習者の情動的側面は無視できない。これらの観点を総合的に踏まえ,論理的文章の読み書きの指導について検討したい。感情と論理的文章の読み書き島田英昭 文章の読み手は感情を持つ。論理的文章を書いても,読み手の感情によっては論理的に読まれない。本シンポジウムでは,読み手の感情が文章の読みに影響することを示した,話題提供者自身の実験研究を2点紹介し,論理的文章の読み書きについて二重過程理論の観点から考える。 第1の実験研究は,読解初期の数秒間における読みのプロセスである(島田, 2016, 教育心理学研究)。実験参加者は,タイトル,挿絵,写真の有無等が操作された防災マニュアルの1ページを2秒間一瞥し,そのページをよく読んでみたいか,そのページがわかりやすそうか,の質問に答えた。その結果,タイトル,挿絵,写真の存在が,読み手の動機づけを高めることを示した。また,タイトルのような文章の構造に関わる情報の効果は,挿絵・写真のような付随的な情報の効果に比べ,より高次の認知プロセスによることが示唆された。 第2の研究は,共感と読みの関係である(Shimada, 2015, CogSci発表)。教員養成課程の学生が,「わかりやすい教育実践報告書の書き方」と題されたマニュアルを読み,内容に関するテストへの回答,主観的わかりやすさの評価等を行った。マニュアルは2つの条件で作成し,一つは書き方のマニュアルに特化した統制条件,もう一つは執筆者のエピソードや挿絵等を追加した実験条件であり,実験条件は執筆者への共感喚起を意図したものであった。その結果,実験条件は統制条件に比べ,内容テストの得点は低かったが,執筆者に対する共感,主観的わかりやすさが高かった。 これらの実験研究は,読み手が文章を読むときに,動機づけや共感等の感情が影響していることを示している。ここから,論理的文章の読み書きについて,二重過程理論の観点から考える。二重過程理論とは,人間の思考や意思決定が無意識的,直観的で素早いシステム1と,意識的,熟慮的で遅いシステム2の並列処理により行われるというモデルである。このモデルから,読み手が論理的文章を論理的に読むための条件として,(1)読み手がシステム2を働かせる動機づけを高めること,(2)読み手がシステム1の感情的偏りに気づき,論理的情報を論理的に処理すること,の2点が浮かび上がる。本シンポジウムでは,読み手のこのような特性に基づき,「論理的に読んでもらえる論理的文章」について議論する。自ら方略的に読み書く児童を育てる授業実践―小学校4年生における説明的な文章の指導―深谷達史 文章を的確に読むための知識は,文章を的確に書くためにも有用であることがある。例えば,説明的な文章が主に「問い-説明-答え」の要素からなるという知識は,説明文を読む場合のみならず書く場合にも活用可能だろう。本研究は,説明的な文章の読解と表現に共通して働く知識枠組みを「説明スキーマ」と捉え,小学校4年生1学級を対象に,説明スキーマに基づく方略使用を促す2つの説明的文章の単元の実践を行った。 実践1は1学期の5月に(単元名「動物の秘密について読んだり調べたりしよう」),実践2は2学期の10月に行われた(単元名「植物の不思議について読んだり知らせたりしよう」)。2つの実践では,単元の前半に説明スキーマを明示的に教授し,問いの文を同定するなど,説明スキーマを活用して教科書の教材を読み取らせた。単元の後半では,問い-説明-答えの要素に基づき,授業時間外に読んだ関連図書の内容を説明する文章を作成した。また,こうした単元レベルの主な手だての他,1単位時間の工夫としても,ペアやグループで読んだことや書こうとしていることを説明,質問しあう言語活動を設定し,内容の精緻化を図った。 効果検証として3つの調査を行った。事前調査は4月に,事後調査は11月(表現テストのみ12月)に実施した。第1に,質問紙調査を行った。例えば,読みと書きのコツについて自由記述を求めたところ,読み・書きの両方で,事前から事後にかけて説明スキーマに基づく記述数の向上が認められた。第2に,実際のパフォーマンスを調べるため,授業で用いたのとは別の教科書の教材をもとにテストを作成し,回答を求めた。その結果,問いの文を書きだす設問と適切な接続語を選択する設問の両方で,正答率の向上が確認された。最後に,事後のみだが,他教科(理科)の内容でも,自発的に説明スキーマに基づく表現を行えるかを調査したところ,大半(9名中8名)の児童が,問い-説明-答えの枠組みに基づいて表現できた。自己調整学習の理論では,他文脈での方略活用が目標とされることからも(Schunk & Zimmerman, 1997),論理的に読み書く力を育てる試みとして本研究には一定の意義があると思われる。意見文産出における自己効力感の役割小野田亮介 意見文とは「論題に対する主張と,主張を正当化するための理由から構成された文章」として捉えられる。主張を正当化する理由には,自分の主張を支持する「賛成論」だけでなく,主張に反する理由である「反論」とそれに対する「再反論」が含まれるため,論理的な意見文には,これらの理由が対応し,かつ一貫していることが求められる。それゆえ,意見文産出に関する研究では,学習者が独力で適切な理由選択を行い,一貫性のある文章を産出するための目標や方略の提示が行われてきた(e.g., Nussbaum & Kardash, 2005)。 ただし,理由間の一貫性を考慮した文章産出は認知的負荷の高い活動であるため,上述の介入を行ったとしても全ての学習者が目標を達成できるとは限らない。忍耐強く文章産出に取り組むためには,文章産出に対する動機づけが不可欠であり(e.g., Hidi & Boscolo, 2006),中でも「自分は上手に文章を産出できる」といった自己効力感を有することが重要だと指摘されている(e.g., Schunk & Swartz, 1993)。したがって,目標達成を促す介入を行ったとしても,そもそも学習者の意見文産出に対する自己効力感が高くなければ,介入の効果は十分には得られない可能性がある。 ところが,筆者のこれまでの研究では,意見文産出に対して高い自己効力感を有する学習者ほど,目標達成に消極的であるという逆の結果が確認されてきた(小野田,2015,読書科学)。その原因として考えられるのは,意見文産出に対する自己効力感が「自分なりの書き方への固執」と関連している可能性である。すなわち,「自分は上手に意見文を産出できる」と考えている学習者は,書き方を修正する必要性を感じにくいため,意見文産出の目標や方略を外的に与えられたとしても書き方を修正しようとしなかった可能性がある。 ここから,意見文産出指導では自己効力感がときに介入の効果を阻害することが予想される。その場合には,学習者の自己効力感を揺らしたり,一時的に低減させるような指導が必要になるのかもしれない。本発表では,これらの研究結果について紹介しつつ,説得的な意見文産出を支援するための工夫について考えていきたい。
著者
山本 博樹 織田 涼 島田 英昭
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.89, no.3, pp.240-250, 2018 (Released:2018-08-28)
参考文献数
24

We examined the hypothesis that the effect of signaling on students' prose comprehension is significant only when structure strategies are deficient during production. Participants included first-year high school students (N = 120, mean age 16.0) and university students (N = 120, mean age 20.8). Students' tendencies to use structure strategies were evaluated and classified as lower-structure (LS) or upper-structure (US) strategy using the median (23 high school students and 25 university students). Participants performed sentence arrangement, recall, and reconstruction tasks. Each task consisted of expository sentences with or without signaling. The results indicated the following: (a) Signaling facilitated structure identification in organizational processes in the US strategy group of high school students, which improved their prose comprehension, whereas no effects were evident in the LS strategy group. (b) An identical effect was seen in the LS strategy group of university students, whereas it was not observed in the US strategy group. These results support our hypothesis. The boundary conditions for the effect of signaling on students' prose comprehension are discussed from the perspective of the production deficiency in structure strategy.
著者
島田 英昭
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.296-306, 2016
被引用文献数
3

本研究は, 従来の教材研究が精読を前提とした内容理解を目指していることに対し, 読解初期の動機づけ効果に着目した。典型的な教材の構成要素であるタイトル・サブタイトルの有無, 挿絵・写真の有無, および, 挿絵・写真のモノクロ・カラーを操作した防災教材を作成した。教材の2秒間の一瞥の後, 動機づけと主観的わかりやすさについて, 5段階評定を求めた。その結果, 上記の構成要素は, いずれも動機づけ, 主観的わかりやすさの向上に寄与していた。また, 挿絵・写真・カラーの効果が, タイトル・サブタイトルに比較して大きかった。動機づけ効果のプロセスについて共分散構造分析により分析した結果, 挿絵・写真・カラーについては主観的わかりやすさを介さない感性的要因による動機づけの向上が大きかったが, サブタイトルについては主観的わかりやすさを介する認知的要因による動機づけの向上が大きく, タイトルについてはほぼ同等であった。
著者
島田 英昭 平野 友朗
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Suppl., pp.5-8, 2017-01-15 (Released:2017-03-06)
参考文献数
4

メールを効果的に書くことは,学業やビジネスの効率化に役立つ.メールでは主にテキスト形式が用いられるため,レイアウトの操作に限界がある.本研究は,テキストメールの中で操作可能な行間と箇条書きに着目し,行間と箇条書きがメールの読解プロセスに与える影響を視線計測により心理実験的に調べた.大学生を対象に,案内,依頼,報告,催促に関するメールを読解することを求め,読解中の視線を計測した.その結果,行間と箇条書きが序盤の読解の安定と,終盤の見直しの促進に寄与していることが示唆された.
著者
島田 英昭
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.296-306, 2016-09-30 (Released:2016-10-31)
参考文献数
29
被引用文献数
3

本研究は, 従来の教材研究が精読を前提とした内容理解を目指していることに対し, 読解初期の動機づけ効果に着目した。典型的な教材の構成要素であるタイトル・サブタイトルの有無, 挿絵・写真の有無, および, 挿絵・写真のモノクロ・カラーを操作した防災教材を作成した。教材の2秒間の一瞥の後, 動機づけと主観的わかりやすさについて, 5段階評定を求めた。その結果, 上記の構成要素は, いずれも動機づけ, 主観的わかりやすさの向上に寄与していた。また, 挿絵・写真・カラーの効果が, タイトル・サブタイトルに比較して大きかった。動機づけ効果のプロセスについて共分散構造分析により分析した結果, 挿絵・写真・カラーについては主観的わかりやすさを介さない感性的要因による動機づけの向上が大きかったが, サブタイトルについては主観的わかりやすさを介する認知的要因による動機づけの向上が大きく, タイトルについてはほぼ同等であった。
著者
島田 英昭
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.61-64, 2016

説明文に挿入される挿絵は,理解支援だけではなく,読解初期の動機づけを高める効果がある.本研究は実験心理学的手法により,説明文におけるテキストと挿絵の関連性が,読解初期2秒間の間に動機づけを高めるかどうかを検討した.実験参加者(大学生,N=16)は,テキストと挿絵の関連性および挿絵の有無が操作された防災マニュアルの1ページを2秒間見た後,動機づけの程度を評価した.その結果,挿絵の有無に比較すると小さいが,テキストと挿絵の関連性の効果がみられた.また,関連性が強いほど動機づけが高かった.以上から,テキストと挿絵の関連性は読解初期2秒間の間に動機づけを高め,その効果は関連性の程度に依存することが明らかになった.
著者
藤木 大介 若杉 佳彦 楞野 祥子 岩本 理沙 島田 英昭
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.390-395, 2017

<p>When reading narratives, readers infer the emotions of characters and empathize with them. Emphathic responses can be parallel or reactive. This study, based on the dual-process theory, investigated which emotional responses (i.e., emotion inference, parallel response, or reactive response) in reading are caused by system 1 (unconscious, implicit, automatic, low-effort process) and which depend on system 2 (conscious, explicit, controlled, high-effort process). As cognitive load affects responses influenced by system 2, the effects of working memory load on reading were examined. Participants were divided into two groups based on working memory capacity, and instructed to read narratives under a dual-tasks situation similar to the reading span test. The results revealed no effect of cognitive load on inference of characters' emotions. However, additional load did affect both types of empathic responses in the low-capacity group. Further, when cognitive load was low, emotion inference correlated with both empathic responses. These results indicate that emotion inference is an automatic process, whereas empathic responses are controlled processes.</p>
著者
島田 英昭 北島 宗雄
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.111-119, 2009
被引用文献数
4

マルチメディアマニュアルの分かりやすさを向上させるため,3種の構成要素(画像,字幕,ナレーション)の提示タイミングと分かりやすさの関係を認知心理学的に議論し,適切な提示タイミングを心理実験により同定した.地震が起きたときの対処手順を説明する防災マニュアルを題材として,3つの実験を実施した.実験参加者は,1秒単位(実験1,2)または0.5秒単位(実験3)で3種の構成要素の提示タイミングが操作されたマニュアルの一場面を見て,分かりやすさを主観的に評価することを求められた.その結果,分かりやすい場面の条件は,画像の1秒後にナレーションが提示されることと,字幕がその間に提示されることの2点であることが明らかになった.
著者
島田 英昭
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.103-112, 2005
被引用文献数
2 1

本研究の目的は,複数桁数の大小判断過程を検討することであった.被験者は,2桁同士,3桁同士,4桁同士の数の大小を判断することを求められた.実験1と2では,上位から2,3,4桁目の適合性を操作した.最上位桁のみで判断が可能な数の組に対して分析した結果,有意な適合性効果は2桁目のみにみられ,3,4桁目にはみられなかった.実験3では,最上位桁が等しいダミー試行を除き,さらに最上位桁のみで判断が可能であることを被験者に教示した.その結果,2桁目の適合性効果量が減少した.以上の結果から,最上位桁が異なる桁の大きさが同じ複数桁数の大小判断では2桁目までが並列処理され,2桁目の処理には2桁目が判断に必要であるかどうかについてあらかじめ認知することが重要な役割を果たすことが示された.
著者
小林 進 落合 武徳 堀 誠司 宮内 英聡 清水 孝徳 千葉 聡 鈴木 孝雄 軍司 祥雄 島田 英昭 岡住 慎一 趙 明浩 大塚 恭寛 吉田 英生 大沼 直躬 金澤 正樹 山本 重則 小川 真司 河野 陽一 織田 成人 平澤 博之 一瀬 正治 江原 正明 横須賀 收 松谷 正一 丸山 紀史 税所 宏光 篠塚 典弘 西野 卓 野村 文夫 石倉 浩 宮崎 勝 田中 紘一
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.80, no.6, pp.265-276, 2004-12-01

千葉大学医学部附属病院において2000年3月から,2003年8月まで8例の生体部分肝移植手術を施行した。5例が18歳未満(7ヶ月,4歳,12歳,13歳,17歳)の小児例,3側が18歳以上(22歳,55歳,59歳)の成人例であった。2例(7ヶ月,4歳)の小児例は左外側区域グラフトであるが,他の6例はすべて右葉グラフトであった。2側が肝不全,肺炎のため移植後3ヶ月,2ヶ月で死亡となったが他の6例は健存中であり,元気に社会生活を送っている。第1例目は2000年3月6日に実施した13歳男児のウイルソン病性肝不全症例に対する(ドナー;姉22歳,右葉グラフト)生体部分肝移植である。現在,肝移植後4年3ヶ月が経過したが,肝機能,銅代謝は正常化し,神経症状も全く見られていない。第2例目は2000年11月23日に実施した12歳男児の亜急性型劇症肝炎症例である(ドナー;母親42歳,右葉グラフト)。術前,肝性昏睡度Vとなり,痛覚反応も消失するほどの昏睡状態であったが,術後3日でほぼ完全に意識は回復し,神経学的後遺症をまったく残さず退院となった。現在,術後3年7ヶ月年が経過したがプログラフ(タクロリムス)のみで拒絶反応は全く見られず,元気に高校生生活を送っている。第3側目は2001年7月2日に実施した生後7ヶ月男児の先天性胆道閉鎖症術後症例である。母親(30歳)からの左外側区域グラフトを用いた生体部分肝移植であったが,術後,出血,腹膜炎により,2回の開腹術,B3胆管閉塞のためPTCD,さらに急性拒絶反応も併発し,肝機能の改善が見られず,術後管理に難渋したが,術後1ヶ月ごろより,徐々にビリルビンも下降し始め,病態も落ち着いた。術後6ヵ月目に人工肛門閉鎖,腸管空腸吻合を行い,現在,2年11ケ月が経過し,免疫抑制剤なしで拒絶反応は見られず,すっかり元気になり,精神的身体的成長障害も見られていない。第4例目は2001年11月5日に行った22歳男性の先天性胆道閉鎖症術後症例である(ドナー:母親62歳,右葉グラフト)。術後10日目ごろから,38.5度前後の熱発が続き,白血球数は22.700/mm^3と上昇し,さらに腹腔内出血が見られ,開腹手術を行った。しかし,その後敗血症症状が出現し,さらに移植肝の梗塞巣が現れ,徐々に肝不全へと進行し,第85病日死亡となった。第5例目は2002年1月28日に行った4歳女児のオルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症症例である(ドナー;父親35歳,左外側区域グラフト)。肝移植前は高アンモニア血症のため32回の入院を要したが,肝移植後,血中アンモニア値は正常化し,卵,プリンなどの経口摂取が可能となり,QOLの劇的な改善が見られた。現在2年5ヶ月が経過したが,今年(2004年)小学校に入学し元気に通学している。第6例目は2002年7月30日に行った17歳女性の亜急性型劇症肝炎(自己免疫性肝炎)症例である(ドナー:母親44歳,右葉グラフト)。意識は第2病日までにほぼ回復し,第4病日まで順調な経過をたどっていた。しかし,第6病日突然,超音波ドップラー検査で門脈血流の消失が見られた。同日のCTAPにて,グラフトは前区域を中心とした広範囲の門派血流不全域が示された。その後,肝の梗塞巣は前区域の肝表面領域に限局し,肝機能の回復が見られたが,多剤耐性菌による重症肺炎を併発し,第49病日死亡となった。第7例目は2003年3月17日に行った59歳男性の肝癌合併肝硬変症例(HCV陽性)症例である(ドナー:三男26歳,右葉グラフト)。Child-Pugh Cであり,S8に4個,S5に1個,計5個の小肝細胞癌を認めた。ドナー肝右葉は中肝静脈による広い環流域をもっていたため,中肝静脈付きの右葉グラフトとなった。術後は非常に順調な経過をたどり,インターフェロン投与によりC型肝炎ウイルスのコントロールを行い,移植後1年3ヶ月を経過したが,肝癌の再発も見られず順調な経過をとっている。第8例目は2003年8月11日に行った55歳男性の肝癌合併肝硬変症例(HBV陽性)症例である(ドナー;妻50歳,右葉グラフト)。Child-Pugh Cであり,S2に1個,S3に1個,計2個の小肝細胞癌を認めた。グラフト肝は470gであり過小グラフト状態となることが懸念されたため,門脈一下大静脈シヤントを作成した。術後はHBV Immunoglobulin,ラミブジン投与により,B型肝炎ウイルスは陰性化し,順調に肝機能は改善し合併症もなく退院となった。現在移植後10ヶ月が経過したが,肝癌の再発も見られず順調な経過をとっている。ドナー8例全員において,血液及び血液製剤は一切使用せず,術後トラブルもなく,20日以内に退院となっている。また肝切除後の後遺症も見られていない。
著者
小林 進 落合 武徳 堀 誠司 鈴木 孝雄 清水 孝徳 軍司 祥雄 剣持 敬 島田 英昭 岡住 慎一 林 秀樹 西郷 健一 高山 亘 岩崎 好太郎 牧野 治文 松井 芳文 宮内 英聡 夏目 俊彦 伊藤 泰平 近藤 悟 平山 信夫 星野 敏彦 井上 雅仁 山本 重則 小川 真司 河野 陽一 一瀬 正治 吉田 英生 大沼 直躬 横須賀 収 今関 文夫 丸山 紀史 須永 雅彦 税所 宏光 篠塚 典弘 佐藤 二郎 西野 卓 中西 加寿也 志賀 英敏 織田 成人 平澤 博之 守田 文範 梁川 範幸 北原 宏 中村 裕義 北田 光一 古山 信明 菅野 治重 野村 文夫 内貴 恵子 斎藤 洋子 久保 悦子 倉山 富久子 田村 道子 酒巻 建夫 柏原 英彦 島津 元秀 田中 紘一
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.231-237, 2000-10-01
被引用文献数
1

今回,千葉大学医学部附属病院において,本県第1例目となるウイルソン病肝不全症例に対する生体部分肝移植の1例を実施したので報告する。症例(レシピエント)は13歳,男児であり,術前,凝固異常(HPT<35%)とともに,傾眠傾向を示していた。血液型はAB型,入院時の身長は176.0cm,体重は67.0kgであり,標準肝容積(SLV)=1273.6cm^3であった。ドナーは姉(異父)であり,血液型はA型(適合),身長は148.0cm,体重は50.0kgと比較的小柄であり,肝右葉の移植となった。術後は極めて良好な経過をたどり,肝機能は正常化(HPT>100%)し,術後72病日で退院となった。