著者
川原 由佳里 奥田 清子
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.91-100, 2009-12-05 (Released:2016-08-25)
参考文献数
29
被引用文献数
3

本研究の目的は,看護におけるタッチ/マッサージに関する文献の統合的レビューを通じて,この領域における研究の進展状況と成果を確認することである.Cooperの統合的レビューの方法ならびに van Tulder et al.による研究のバイアスのリスクの評価基準を用いて分析を行った.その結果,ストレス状況下における看護師によるタッチにはストレス,不安,苦痛を軽減する効果があること,ナーシングホームやホスピスの入居者,がん患者へのハンドマッサージやフットマッサージには安楽や症状緩和の効果があること,全身/背部マッサージにはリラクセーション,疼痛緩和,皮膚温上昇の効果があることが明らかにされた.また会話しながらのタッチは会話のみの場合よりもストレス緩和の効果が高いなどの実践への示唆が得られた.研究の状況,母集団,タッチ/マッサージの方法,コントロール群,評価の指標やタイミングがいまださまざまであり,今後より厳密なコントロールのもとに追試を行っていく必要があることが考察された.
著者
三好 弘子 奥田 豊子 小林 紀崇 奥田 清 小石 秀夫
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.165-170, 1987 (Released:2010-02-22)
参考文献数
33
被引用文献数
3 2

5人の健康な若年成人男子を被験者として, 白米食と玄米食を比較することにより, 米繊維のミネラルの出納, およびみかけの吸収率に対する影響を検討した。体重当たり1.2gのタンパク質を含んだ玄米食, 白米食をそれぞれ2週間与えたが, 食物繊維としては, 玄米食は白米食の約2倍含んでいた。摂取ミネラル量は, 白米食, 玄米食ともミネラル必要量を充足していたが, 玄米のほうが白米よりミネラル含量が多く, とくにK, P, Mgの摂取量が玄米食で多くなった。糞中排泄量は玄米食で白米食に比べて, K, P, Mgが有意に多くなり, 摂取量を反映していた。また, Na, Caにおいても玄米食で糞重量が約2倍と有意に多かったことを反映して糞中排泄量が多くなる傾向がみられた。しかし, これから計算される吸収量においてはK, P, Mgとも有意差は認められなかった。みかけの吸収率ではK, Pで摂取量が多かったにもかかわらず, それ以上に糞中排泄量が大きく, 玄米食で有意に低下した。その結果, 出納をみると, 各ミネラルとも白米食と玄米食の間に有意差は認められなかった。血漿ミネラル濃度ではNa, K, Cl, P, Ca, Mgのいずれの項目にも白米食と玄米食で有意差はみられなかった。
著者
川原 由佳里 守田 美奈子 田中 孝美 奥田 清子 本江 朝美 田中 晶子 五味 己寿枝
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.46-55, 2009-06-05 (Released:2016-08-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1

本研究の目的は, ①触れるケアをめぐる看護師の経験, ②臨床のなかでの触れるケアの位置づけ, そしてアロマセラピストの語りとの比較を通じて③看護における触れるケアの特徴を明らかにすることである. 看護師 13 名とアロマセラピスト 4 名に面接を行い, 参加者の語りを身体論的な観点から分析した. 結果, 看護師は生活援助やコミュニケーション等のさまざまな場面で, 直観的に相手のニーズを把握し, 即応的に触れるケアを行っていた. 触れている最中, 看護師は自らの手に感じられる相手の状態に集中し, 相手の心身の変化を感じとっていた. 看護師たちは触れるケアの効果を確信をもって語り, そうしたケアに看護職としての喜びを見出していたが, 治療中心, 効率性優先の臨床では, 触れるケアは特別な価値をもつものとは認識されず, その体験を誰かと共有することも少なかった. 看護師自身にも触れるケアの価値そのものが認めづらい現状が明らかになった.
著者
山崎 慶太 奥田 清明 阿部 隆之 内川 義則 志村 徹 小谷 誠
出版者
公益社団法人 日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:02850192)
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, pp.769-774, 1992-12-01 (Released:2013-01-11)
参考文献数
7
被引用文献数
6 7

This paper describes the design and the development of a prefabricated magnetically-shielded-room (PMSR) of the hexagonal type for high sensitive measurement of neuro-magnetic fields such as magnetoencephalography (MEG) mainly using SQUIDs with first and/or second-order gradiometers. This PMSR consists of prefabricated plywood panels 1.2 m wide×2.4 m high×24 mm thick. It covers a floor area of about 9 m2. The panel is sandwiched by two layers of high-μ metal sheets 1 mm thick. The shielding factor at the center of PMSR against the external magnetic field is 20 to 40 dB in the range of DC to 120 Hz. Magnetic noise inside PMSR measured by a second-order gradiometer was less than hundreds fT above 0.5 Hz excepting 50 Hz. In this case, a second order gradiometer was able to eliminate the common mode magnetic noise of about 20 Hz, which was essentially observed by a magnetometer, caused by the vibration of PMSR. These results were discussed and compared with the calculations.