著者
好田 裕史
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.110, no.2, pp.81-85, 2015 (Released:2018-04-12)
参考文献数
9
被引用文献数
1

ウイスキーは長期貯蔵後,製品化され,その複雑な香味が特徴的で大きな魅力のひとつである。このウイスキーの豊かな香り成分は単に味わいとなるだけでなく,ストレスを緩和させる作用があることが明らかにされつつある。筆者らの内分泌,神経科学,生理学的検証から,その作用を解説して頂いた。
著者
好田 裕史 淡路 友香子 内田 雅昭 永井 成美
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.243-250, 2018 (Released:2018-10-19)
参考文献数
21
被引用文献数
2

ウイスキーの香り刺激後の眠気感覚を体温や自律神経活動と共に評価することを目的とした。若年女性12名に, 異なる2日間の午前9時に, ウイスキー (8倍希釈) もしくはブランク (水) 10 mLを染み込ませた角綿をマスクに挟んで65分間連続で香りを負荷し, 主観的眠気・覚醒感覚, および深部 (鼓膜温) ・末梢 (足先) 体温, 自律神経活動 (心拍変動) を経時測定した。その結果, 1) 主観的な眠気スコア (絶対値) には両試行間で有意な差はみられなかった, 2) 深部体温は, ブランクでは負荷後65分まで緩やかに上昇を続けた (約0.05℃上昇) が, ウイスキー試行では負荷後30分まで上昇 (約0.15℃) した後低下する変化を示した。3) ウイスキー試行では, 負荷後の深部体温 (最大値からの低下量) と眠気スコア増加に有意な相関が認められた。本研究で用いたウイスキーの香りには, 深部体温を変化させる作用を有することが示唆された。主観的眠気に関しては, 評価方法を改善した検討が必要である。
著者
好田 裕史
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.12, pp.927-934, 2006-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
9

アルコール飲料の主成分であるエタノールは中枢神経系を介してリラックス効果を高め, ストレス解消に役立つことは良く知られている。 最近, ワイン, ビール, ウイスキーに含まれる香気成分がストレス緩和に役立つとの報告がなされている。 本稿ではビールに含まれる様々な香気成分とGABA受容体応答がどのような機序でストレス緩和に関係するか著者らの実験データをもとに解説して戴いた。