著者
永井 成美 山本 百希奈 御堂 直樹 磯村 隆士 脇坂 しおり 森谷 敏夫
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.279-285, 2010-12-10
被引用文献数
6 3

本研究の目的は, スープ摂取後の安堵感(心がほっと安らぐ感覚)の定量的評価を行い, スープの種類による安堵感の違い, および安堵感に影響を及ぼす心理的, 生理的要因を検討することである。予備試験では, 訓練された6名のパネルによる官能検査を4種類のサンプル(コーンポタージュ[90 kcal], チキンコンソメ[43 kcal], および等エネルギーで風味に乏しいコーン・プラセボ, チキン・プラセボ)について行い, 各サンプルの特性を位置づけた。本試験では, 前夜から絶食した11名の女性(22.6±0.3歳)に, スープサンプルを朝食として, 異なる4日間にランダムな順序で負荷した。安堵感スコア, 満腹感スコア, 心拍数, 交感・副交感神経活動(心拍変動解析による), エネルギー消費量(呼気ガス分析による)を, スープ摂取前および摂取1時間後まで経時的に測定した。サンプルへの嗜好スコアは, コーンポタージュ, チキンコンソメの順に高く, 両プラセボで最も低かった。スープ摂取後の安堵感は, コーンポタージュでは他のスープサンプルより有意に高値を示した。安堵感は, 嗜好スコア, 満腹感スコア, 心拍数と正相関し, 副交感神経活動と負の相関を示した。本結果から, コーンポタージュ摂取後の高い安堵感には, スープへの嗜好性, および摂取後の満腹感と心拍数の上昇が関連していることが示唆された。
著者
永井 成美 山本 百希奈 御堂 直樹 磯村 隆士 脇坂 しおり 森谷 敏夫
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.279-285, 2010 (Released:2011-02-15)
参考文献数
19
被引用文献数
3 3

本研究の目的は, スープ摂取後の安堵感(心がほっと安らぐ感覚)の定量的評価を行い, スープの種類による安堵感の違い, および安堵感に影響を及ぼす心理的, 生理的要因を検討することである。予備試験では, 訓練された6名のパネルによる官能検査を4種類のサンプル(コーンポタージュ[90 kcal], チキンコンソメ[43 kcal], および等エネルギーで風味に乏しいコーン・プラセボ, チキン・プラセボ)について行い, 各サンプルの特性を位置づけた。本試験では, 前夜から絶食した11名の女性(22.6±0.3歳)に, スープサンプルを朝食として, 異なる4日間にランダムな順序で負荷した。安堵感スコア, 満腹感スコア, 心拍数, 交感・副交感神経活動(心拍変動解析による), エネルギー消費量(呼気ガス分析による)を, スープ摂取前および摂取1時間後まで経時的に測定した。サンプルへの嗜好スコアは, コーンポタージュ, チキンコンソメの順に高く, 両プラセボで最も低かった。スープ摂取後の安堵感は, コーンポタージュでは他のスープサンプルより有意に高値を示した。安堵感は, 嗜好スコア, 満腹感スコア, 心拍数と正相関し, 副交感神経活動と負の相関を示した。本結果から, コーンポタージュ摂取後の高い安堵感には, スープへの嗜好性, および摂取後の満腹感と心拍数の上昇が関連していることが示唆された。
著者
永井 成美 坂根 直樹 森谷 敏夫
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.761-770, 2005 (Released:2008-04-11)
参考文献数
34
被引用文献数
10

本研究は, 朝食欠食や食事中の三大栄養素の比率が食後の血糖値, 満腹感, エネルギー消費量, および自律神経活動に及ぼす影響を肥満関連遺伝子多型とともに比較検討したものである. 若年健常者8名に, 各被験者の体重1kgあたり22kcalに調整した総摂取エネルギーが等しい4試行の朝食と昼食の組み合わせ (CC : ご飯を主食とする高糖質食+高糖質食, SC : 欠食+高糖質食2食, FF : パンを主食とする高脂肪食+高脂肪食, SF : 欠食+高脂肪食2食) を4日間でランダムな順序で負荷し, 朝食前および朝食後6時間まで30分間隔で, 血糖値, Visual analog scaleによる満腹感, 呼気ガス, 心拍変動解析による自律神経活動を測定した. CC試行ではFF試行よりも朝食後3時間の血糖値, 満腹感, エネルギー消費量が有意に高く, 6時間の熱産生も4試行中最も高値であった. 高い満腹感や熱産生には有意差はなかったが自律神経系の関与が推察された. 朝食欠食 (SC, SF) 試行では熱産生が低く, 昼食後に心拍数の著増を認めた. また, UCP 1遺伝子のhomo変異 (GG) を有する者では熱産生が低い傾向が認められた. 以上の結果は, 耐糖能正常者において糖質を主体とする朝食の摂取が肥満予防に寄与する可能性とともに, 遺伝的背景へ配慮した予防の必要性を示唆するものである.
著者
脇坂 しおり 松本 雄大 永井 元 村 絵美 森谷 敏夫 永井 成美
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.19-25, 2011 (Released:2011-05-27)
参考文献数
30
被引用文献数
6 2

胃電図は, 腹部表面から皮膚電極を用いて胃筋電活動を記録する方法である。本研究では, 摂取する水の温度と量が朝の胃運動に及ぼす影響を検討するため, 胃疾患を有さない27名の女性を無作為に3群に割り付け, 15ºC, 250 mLの冷水 (Cold250) と65ºCの同量の湯 (Hot250), 65ºCのカップ1杯 (150 mL) の湯 (Hot150) をそれぞれの群に負荷した。前夜から絶食した被験者に, 午前9時に試験サンプルを負荷し, 飲水前20分間, および飲水後35分間の胃電図を測定した。得られた胃の電気信号を解析し, 1分間に約3回発生する胃運動正常波の出現頻度と, 胃運動の強さの指標として正常波をパワースペクトル解析して得られた正常波パワーを飲水前後の増加比で評価した。飲水負荷後の正常波出現頻度は, Hot250では一過性に増加, Cold250では一過性に減少し, 経時変化のパターンには有意な差が認められた (p=0.001) 。Hot150負荷後の正常波出現頻度においてもHot250と同様の変化が認められた。正常波パワー増加比は, 水の温度, 量にかかわらず飲水後に同程度の増大が認められた。以上より, 65ºCで150 mL以上の湯は飲水後の胃運動正常波の出現頻度を増加させること, および胃運動正常波の強さは本研究で用いた水の温度と量にかかわらず一過性に増大することが示唆された。
著者
永井 成美 菱川 美由紀 三谷 信 中西 類子 脇坂 しおり 山本 百希奈 池田 雅子 小橋 理代 坂根 直樹 森谷 敏夫
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.263-270, 2010 (Released:2011-02-15)
参考文献数
27
被引用文献数
3 1

本研究の目的は, 若年女性の肌状態に栄養, 生理学的要因が関与するかどうかを検討することである。横断的研究として, 肌状態, 生理学的検査, 2日間の食事調査, 精神状態, ライフスタイルに関するデータを皮膚疾患のない54名 (2022歳) の女子学生より得た。肌状態と生理学的検査項目 (体温, エネルギー消費量, 自律神経活動) は非侵襲的手法により測定した。統計解析の結果, 角層細胞面積とエネルギー代謝, 角層水分量とビタミンA・B1摂取量, 交感神経活動指標に関連が認められた。バリア機能の指標である経皮水分蒸散量と炭水化物, ビタミンB1, 野菜摂取量にも関連が認められた。また, 肌状態はメンタルな面や自宅での冷暖房使用とも関連していた。以上の結果から, 若年女性の肌状態には栄養的な因子とともに活発な代謝と自律神経活動が関与することが示唆された。
著者
好田 裕史 淡路 友香子 内田 雅昭 永井 成美
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.243-250, 2018 (Released:2018-10-19)
参考文献数
21

ウイスキーの香り刺激後の眠気感覚を体温や自律神経活動と共に評価することを目的とした。若年女性12名に, 異なる2日間の午前9時に, ウイスキー (8倍希釈) もしくはブランク (水) 10 mLを染み込ませた角綿をマスクに挟んで65分間連続で香りを負荷し, 主観的眠気・覚醒感覚, および深部 (鼓膜温) ・末梢 (足先) 体温, 自律神経活動 (心拍変動) を経時測定した。その結果, 1) 主観的な眠気スコア (絶対値) には両試行間で有意な差はみられなかった, 2) 深部体温は, ブランクでは負荷後65分まで緩やかに上昇を続けた (約0.05℃上昇) が, ウイスキー試行では負荷後30分まで上昇 (約0.15℃) した後低下する変化を示した。3) ウイスキー試行では, 負荷後の深部体温 (最大値からの低下量) と眠気スコア増加に有意な相関が認められた。本研究で用いたウイスキーの香りには, 深部体温を変化させる作用を有することが示唆された。主観的眠気に関しては, 評価方法を改善した検討が必要である。
著者
高木 絢加 谷口 彩子 駒居 南保 村 絵美 永井 元 森谷 敏夫 永井 成美
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.19-25, 2014 (Released:2014-03-03)
参考文献数
30
被引用文献数
2 1

炭酸水の口腔内刺激 (清涼感) に着目し, 炭酸水の飲水が実体温をどの程度変化させるのか, その反応は炭酸の口腔内刺激のみでも起こるのかどうかを明らかにするために, 等温・等量の炭酸水と水を用いた飲用試験と偽飲 (Sham-feeding;SF) による口腔内刺激のみの試験を行った。炭酸水の飲水 (炭酸水) , 水の飲水 (水) , 炭酸水の偽飲 (炭酸水SF) , 水の偽飲 (水SF) の4試行をrandomized crossover designで実施した。前夜10時より絶食した若年女性13名に, 室温を26℃に保持した実験室で異なる日の朝9時にサンプル (15℃, 250 mL) を負荷した。心電図 (心拍数, 心拍変動) をサンプル負荷前20分間および負荷後40分間測定し, 深部体温 (鼓膜温) , 末梢体温 (足先温) を高感度サーモセンサーで連続測定した。鼓膜温は水・炭酸水ともにSFでは変化せず, 飲水で一過性に低下した。足先温は, 飲水 (水, 炭酸水) で約2.5-3℃低下し, 水SFでは約1℃の低下であったのに対し炭酸水SFでは約2.5℃の低下を認めた。心拍数は, 炭酸水, 炭酸水SFで負荷直後に一過性に上昇した。結果より, 炭酸水の口腔内刺激 (味, 炭酸刺激) のみでも足先温や心拍数を変化させることが示された。
著者
永井 成美 坂根 直樹 森谷 敏夫
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 = Journal of the Japan Diabetes Society (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.761-770, 2005-11-30
被引用文献数
12

本研究は, 朝食欠食や食事中の三大栄養素の比率が食後の血糖値, 満腹感, エネルギー消費量, および自律神経活動に及ぼす影響を肥満関連遺伝子多型とともに比較検討したものである. 若年健常者8名に, 各被験者の体重1kgあたり22kcalに調整した総摂取エネルギーが等しい4試行の朝食と昼食の組み合わせ (CC : ご飯を主食とする高糖質食+高糖質食, SC : 欠食+高糖質食2食, FF : パンを主食とする高脂肪食+高脂肪食, SF : 欠食+高脂肪食2食) を4日間でランダムな順序で負荷し, 朝食前および朝食後6時間まで30分間隔で, 血糖値, Visual analog scaleによる満腹感, 呼気ガス, 心拍変動解析による自律神経活動を測定した. CC試行ではFF試行よりも朝食後3時間の血糖値, 満腹感, エネルギー消費量が有意に高く, 6時間の熱産生も4試行中最も高値であった. 高い満腹感や熱産生には有意差はなかったが自律神経系の関与が推察された. 朝食欠食 (SC, SF) 試行では熱産生が低く, 昼食後に心拍数の著増を認めた. また, UCP 1遺伝子のhomo変異 (GG) を有する者では熱産生が低い傾向が認められた. 以上の結果は, 耐糖能正常者において糖質を主体とする朝食の摂取が肥満予防に寄与する可能性とともに, 遺伝的背景へ配慮した予防の必要性を示唆するものである.
著者
永井 成美 脇坂 しおり 高木 絢加 山口 光枝 森谷 敏夫
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.17-27, 2012 (Released:2012-02-27)
参考文献数
35
被引用文献数
5 1

【目的】我々はこれまでに,腹壁電極から胃の活動電位(胃電図)を導出・解析する方法により胃運動を測定し,飲水(冷水・温水)が胃運動を一過性に増大させることや,胃運動の強さと食欲には関連がみられたことを報告している。本研究では,刺激味を有する液体が胃運動や食欲感覚へ及ぼす影響を検討することを目的として,香辛料(カレーパウダーとコンソメ)を含むスープ(Spice)と等エネルギー・等Na量で風味がないプラセボスープ(Control)を用いて比較試験を行った。【方法】若年女性12名に異なる2日間の朝9時に,SpiceまたはControlをランダムな順序で負荷した。ベッド上で胃電図,鼓膜温,心拍数をスープ負荷20分前から負荷40分後まで測定し,食欲感覚(空腹感,満腹感,予想食事量,満足感)は,負荷20分前,負荷直後,40分後の3回測定した。胃運動の強さは,胃電図から徐波,正常波,速波の各パワー値を計算し負荷前を基準としたパワー比を評価に用いた。【結果】Spice負荷後の胃運動は,徐波,正常波,速波パワー比ともにControlと比較して高い傾向が示された。Spice負荷後の食欲感覚は,満腹感と満足感でControlと比較して有意に高値を示した。鼓膜温,心拍数は両スープとも負荷後に上昇したが,鼓膜温(増加量)はSpiceでControlよりも有意に高値を示した。【結論】香辛料を含むスープ摂取後には,胃運動が増大する傾向があること,満腹感と満足感が高まること,負荷直後の体温が上昇することが等エネルギー・等ナトリウムのプラセボスープとの比較により示唆された。
著者
井上 紗奈 本田 秀仁 森 数馬 山本(前田) 万里 椎名 武夫 曲山 幸生 永井 成美 和田 有史
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.7-25, 2018-03-01 (Released:2018-09-01)
参考文献数
41
被引用文献数
1

A new functional food-labeling system was implemented in 2015. Food products with new functional information are expected to increase along the increase of health awareness in Japan. However, it is difficult for ordinal consumers to understand each functional component of food. When descriptions on food include scientific information,people often misunderstand or excessively expect about a new function. This research investigated how understanding the information of foods was correlated with individual’s cognitive traits conducting a web-based survey using a fictional news report based on real research to two groups, ordinal consumers group and specific occupations group that supposed to have high recognition degree of new functional food-labeling system. We also used three cognitive indices, the cognitive reflection test, numeracy and graph literacy, to investigate the influence of cognitive traits on reading comprehension and interpretation. The results revealed that graph literacy was correlated with understanding and that the other two indices were correlated with psychological factors of interpretation though there was no group difference.
著者
高木 絢加 岸田 菜々 鈴木 麻希 武田 一彦 木村 理恵 永井 成美
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.165-173, 2016 (Released:2017-01-19)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

【目的】我々は,温スープ摂取後の安堵感の上昇にはスープの嗜好性が,体温上昇にはスープの温度が関連することを若年女性において見出したが,スープ中のナトリウム(Na)の影響の程度は不明であった。本研究の目的は,日常で摂取している容量のNaが嗜好性・安堵感や主観的温度感覚,深部・末梢体温の上昇に及ぼす影響を,スープと食塩のみを除いたスープ(食塩無スープ)を用いた実験により明らかにすることである。【方法】前夜から絶食した若年女性12名に対し,スープ(Na 440 mg)摂取,食塩無スープ(Na 61 mg)摂取,スープ摂取なし(ブランク)の3試験を異なる日の朝9時より無作為な順序で行った。サンプル(65°C,150 ml)は5分間で摂取し,直後に嗜好調査を行った。深部体温(鼓膜温),末梢体温(手先温・足先温),心拍数は,摂取10分前から65分後まで測定し,安堵感と主観的温度感覚は質問紙で6回測定した。【結果】スープでは食塩無スープと比べて嗜好得点が有意に高く,摂取後の足先温(曲線下面積:AUC)も有意に高かった。重回帰分析より,足先温上昇に嗜好得点が関連していることが示された。安堵感,主観的温度感覚,心拍数の各AUCは,両スープともにブランクより高かったがスープ間での差はなかった。【結論】スープに含まれるNaは,食塩としてスープの嗜好性を高め,摂取後の足先温上昇に関与することが示唆された。一方,両スープ摂取後の安堵感,主観的温度感覚,鼓膜温,心拍数は類似した経時変化を示したため,本研究で用いたサンプルのNa濃度の影響は限定的だと考えられる。
著者
高木 絢加 谷口 彩子 駒居 南保 村 絵美 永井 元 森谷 敏夫 永井 成美
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.19-25, 2014
被引用文献数
1

炭酸水の口腔内刺激 (清涼感) に着目し, 炭酸水の飲水が実体温をどの程度変化させるのか, その反応は炭酸の口腔内刺激のみでも起こるのかどうかを明らかにするために, 等温・等量の炭酸水と水を用いた飲用試験と偽飲 (Sham-feeding;SF) による口腔内刺激のみの試験を行った。炭酸水の飲水 (炭酸水) , 水の飲水 (水) , 炭酸水の偽飲 (炭酸水SF) , 水の偽飲 (水SF) の4試行をrandomized crossover designで実施した。前夜10時より絶食した若年女性13名に, 室温を26℃に保持した実験室で異なる日の朝9時にサンプル (15℃, 250 mL) を負荷した。心電図 (心拍数, 心拍変動) をサンプル負荷前20分間および負荷後40分間測定し, 深部体温 (鼓膜温) , 末梢体温 (足先温) を高感度サーモセンサーで連続測定した。鼓膜温は水・炭酸水ともにSFでは変化せず, 飲水で一過性に低下した。足先温は, 飲水 (水, 炭酸水) で約2.5-3℃低下し, 水SFでは約1℃の低下であったのに対し炭酸水SFでは約2.5℃の低下を認めた。心拍数は, 炭酸水, 炭酸水SFで負荷直後に一過性に上昇した。結果より, 炭酸水の口腔内刺激 (味, 炭酸刺激) のみでも足先温や心拍数を変化させることが示された。
著者
永井 成美 菱川 美由紀 三谷 信 中西 類子 脇坂 しおり 山本 百希奈 池田 雅子 小橋 理代 坂根 直樹 森谷 敏夫
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.263-270, 2010-12-10
参考文献数
27
被引用文献数
2 1

本研究の目的は, 若年女性の肌状態に栄養, 生理学的要因が関与するかどうかを検討することである。横断的研究として, 肌状態, 生理学的検査, 2日間の食事調査, 精神状態, ライフスタイルに関するデータを皮膚疾患のない54名 (2022歳) の女子学生より得た。肌状態と生理学的検査項目 (体温, エネルギー消費量, 自律神経活動) は非侵襲的手法により測定した。統計解析の結果, 角層細胞面積とエネルギー代謝, 角層水分量とビタミンA・B<sub>1</sub>摂取量, 交感神経活動指標に関連が認められた。バリア機能の指標である経皮水分蒸散量と炭水化物, ビタミンB<sub>1</sub>, 野菜摂取量にも関連が認められた。また, 肌状態はメンタルな面や自宅での冷暖房使用とも関連していた。以上の結果から, 若年女性の肌状態には栄養的な因子とともに活発な代謝と自律神経活動が関与することが示唆された。
著者
脇坂 しおり 小橋 理代 菱川 美由紀 山本 百希奈 池田 雅子 坂根 直樹 松永 哲郎 森谷 敏夫 永井 成美
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.297-304, 2009-12-10
参考文献数
29
被引用文献数
2 4

胃電図は, 腹部に装着した表面電極から経皮的に胃筋電活動を記録する非侵襲的な胃運動評価法である。本研究では, 胃電図を指標として朝食欠食と朝の胃運動の関連を検討するために, 朝食摂取習慣のある女性11名 (21.5&plusmn;0.2歳) に, 1週間の朝食欠食および1週間の再摂食試験を連続して行った。各試験の前後に検査日を設け, 前夜から絶食した被験者の体組成, 空腹感と食欲 (Visual analog scaleによる) を測定し, 午前9時より胃電図と心電図を同時に記録した。得られた胃の電気信号を解析し, 1分間に約3回生じる正常波パワー (Normal power), 正常波パワー含有率 (% Normal power) およびその出現頻度 (Dominant frequency; DF) を定量した。心電図からは心臓自律神経活動を定量した。1週間の朝食欠食は, 有意ではないが% Normal powerとDFを低下させた。DFは欠食後から再摂食後にさらに低下した (<I>p</I>=0.074 <I>versus</I> baseline) 。朝食欠食後の空腹感スコア (<I>r</I>=0.55, <I>p</I>=0.077), 食欲スコア (<I>r</I>=0.60, <I>p</I>=0.051) と % Normal powerの相関には有意傾向が認められた。以上の結果より, 1週間の朝食欠食が習慣的に朝食を摂取している若年女性の胃運動を減弱させる傾向が認められたこと, および, 胃収縮運動の強さが空腹感や食欲の強さと関連している可能性が示唆された。
著者
赤松 利恵 永井 成美 長幡 友実 吉池 信男 石田 裕美 小松 龍史 中坊 幸弘 奈良 信雄 伊達 ちぐさ
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.110-119, 2012 (Released:2012-04-24)
参考文献数
27
被引用文献数
2

【目的】管理栄養士教育の到達度を評価するために作成したコンピテンシー項目のうち,基本コンピテンシーの高い学生の特徴について検討することを目的とした。【方法】2010年12月に管理栄養士養成施設(111施設)に自記式質問紙を送付し,102施設の4年次在籍者より6,895人の有効回答を得た(推定回収率75.7%)。40項目のコンピテンシー(5段階評価,基本4項目,共通29項目,職域別7項目)の他,属性(性・年齢,卒業後の進路状況等)をたずねた。基本コンピテンシー合計得点の10・50・90パーセンタイル値(十分位数,decile)を基準に4群に分け(得点の高い順よりD4,D3,D2,D1),属性,共通・職域別コンピテンシーの得点を比較した。【結果】97.6%が21~25歳であり,90.1%が女性であった。基本コンピテンシーの4群の分布は,D4:662人(9.6%),D3:3,113人(45.1%),D2:2,166人(31.4%),D1:948人(13.7%)であった(欠損6人,0.1%)。基本コンピテンシーの高い群(D4)に比べ,基本コンピテンシーの低い群(D3~D1)で,女性,既卒者,社会人経験者,卒業研究実施者,国家試験受験予定者が少なかった。また,基本コンピテンシーの低い群では,就職内定者が少なく,さらに,管理栄養士を採用条件とする就職内定者が少なかった。共通・職域別コンピテンシーの全ての項目で,基本コンピテンシーの高い群の得点は高かった。【結論】基本コンピテンシーの高い学生の特徴として,卒業研究の実施,国家試験受験の他,就職・進学が内定していることが示された。また,基本コンピテンシーが高い学生は,その他のコンピテンシーも高かった。
著者
高木 絢加 武田 一彦 御堂 直樹 駒居 南保 山口 光枝 永井 成美
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.49-58, 2013 (Released:2013-05-23)
参考文献数
32
被引用文献数
2 1

【目的】温かい飲食物摂取後の,「体の温かさ」や体温の変化を検討した報告は少ない。本研究の目的は,温度の異なるスープをサンプルとして,飲食物の温度が摂食者の主観的温度感覚と深部・末梢体温に及ぼす影響を調べることである。【方法】前夜から絶食した若年女性20名に,異なる日の朝9時に,65°Cスープ摂取,対照として 37°Cスープ摂取,スープ摂取なし(ブランク)の3試行をランダムな順序で実施した。26°Cの実験室で検査衣を着用した安静状態の被検者の,サンプル摂取10分前から摂取65分後までの主観的温度感覚,深部体温(鼓膜温),末梢体温(手先温,足先温),心拍数を測定した。スープ摂取後には嗜好調査を実施した(大変おいしい[10点]~大変まずい[0点])。【結果】嗜好得点は,65°Cスープでは37°Cスープより有意に高かった。摂取後の鼓膜温,足先温,心拍数の変化量は,65°Cスープ, 37°Cスープ,ブランクの順に高値で経時変化した(Sample effect, Sample×Timeとも有意)。各測定時点の多重比較からは,65°Cスープでは,主観的温度感覚は摂取直後で 37°Cスープやブランクと比べて有意に高値であること,鼓膜温は摂取20分後まで,足先温は摂取15分後まで 37°Cスープと比べて有意に高値であることが示された。【結論】37°Cスープとの比較から,65°Cスープ摂取後の鼓膜温や足先温の上昇はスープの温度の影響を受けていると考えられた。3試行の結果から,飲食物に含まれるエネルギー基質や美味しさなどの要因に加え,飲食物の温度自体も主観的温度感覚や体温に影響を及ぼすことが示唆された。
著者
松田 もと子 永井 成美 折笠 史明 多田 建造 辰巳 浩輝 藤原 麻紀 古川 良俊 石橋 寛二 井上 昌幸
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.588-595, 1994-06-01
被引用文献数
2 1

歯科用金属に起因すると考えられる金属アレルギーが注目されており,その診断にパッチテストが用いられている.しかし,判定は主観に頼り,皮膚の変化を的確,経時的に把握することは困難である.本論文はパッチテストにおける客観的な判定システムを開発することを目的として,パッチテスト後の皮膚色を分光測色し,色彩学的に分析したものである.その結果,皮膚の発赤反応に色彩学的に特徴のある変化が観察された.皮膚の発赤反応を判定する客観的指標を示したものとして興味深い.
著者
永井 成美 森谷 敏夫 坂根 直樹 森谷 敏夫 坂根 直樹
出版者
岡山県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

20歳代女性の3~4割に、低体重または標準体重でありながら体脂肪率が高い、いわゆる「隠れ(正常体重)肥満」やその予備群である「隠れ(正常体重)肥満傾向」が認められるとの報告がある。若い女性特有の「太りたくない」という強い思いから、食事のカロリーのみを気にして食事の質が良くない場合に、筋肉量、骨量の低下と体脂肪量の増加によって「隠れ肥満」が形成されると考え、食行動パターンやダイエット歴、体組成、代謝・自律神経活動等の生理学的特性や遺伝的特性(肥満関連遺伝子多型)などからその成因を検討した。さらに、カロリーだけでなく食事の「質」を重視した3回の介入試験を「隠れ肥満」若年女性を被験者として実施し、その有効性についても評価した。研究の成果は、10件の論文、17件の学会発表、2冊の著書により公表するとともに、NHK健康番組やその関連雑誌等によって広く紹介された。