著者
孫 昊 金 明哲
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.3-14, 2018-02-27 (Released:2018-04-13)
参考文献数
35
被引用文献数
2

川端康成の少女小説における代筆問題は昔から指摘されており,中でも『花日記』は中里恒子の代筆という疑いが強い.本研究では計量文体学の方法を用いて,この小説の代筆問題に新たな解決策を提示する.本研究では,文章から抽出した文字・記号のbigram,形態素タグのbigram,文節パターンを特徴量とし,アダブースト(AdaBoost),高次元判別分析(HDDA),ロジスティックモデルツリー (LMT),サポートべクターマシン(SVM)とランダムフォレスト(RF)を用いて判別分析を行った.分析の結果,『花日記』は川端康成と中里恒子の共同執筆という結論に至った.
著者
孫 昊 Hao Sun
出版者
同志社大学
巻号頁・発行日
2018-03-22

本論文では,計量的な手法を用いて川端康成の代筆問題と文体問題に取り組み,次に挙げたことを明らかにした。①小説『乙女の港』と『花日記』は川端康成と中里恒子の共同執筆である。②『コスモスの友』,『古都』,『眠れる美女』と『山の音』は代筆の可能性が低い。③泉鏡花,徳田秋聲と横光利一と比べ川端康成文体の存在が確認され,終戦の1945 年を境に川端康成の語彙の豊富さと,機能語の助詞,副詞,接続詞に変化が見られた。
著者
孫 昊 Hao Sun
出版者
同志社大学
巻号頁・発行日
2018

https://doors.doshisha.ac.jp/opac/opac_link/bibid/BB13056382/?lang=0
著者
孫 昊 ソン コウ Sun Hao
巻号頁・発行日
2018-03-22

本論文では,計量的な手法を用いて川端康成の代筆問題と文体問題に取り組み,次に挙げたことを明らかにした。①小説『乙女の港』と『花日記』は川端康成と中里恒子の共同執筆である。②『コスモスの友』,『古都』,『眠れる美女』と『山の音』は代筆の可能性が低い。③泉鏡花,徳田秋聲と横光利一と比べ川端康成文体の存在が確認され,終戦の1945 年を境に川端康成の語彙の豊富さと,機能語の助詞,副詞,接続詞に変化が見られた。 In this study, we revealed the following ghostwriting and writing style problem of Kawabata quantitatively. ①Otome no minato and Hana nikki were colloboratively written by Kawabata and Nakazato. ② Kosumosu no tomo, The Old Capital, House of the Sleeping Beauties, and The Sound of the Mountain were not written by the suspected ghostwriters. ③ Kawabata has his own writing style as compared to novels written by Izumi, Tokuda, and Yokomitsu. Changes were observed in vocabulary richness, postpositional particles, adverb, and conjunctions in Kawabata's novels after the second world war.
著者
孫 昊 金 明哲
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.3-14, 2018
被引用文献数
2

<p> 川端康成の少女小説における代筆問題は昔から指摘されており,中でも『花日記』は中里恒子の代筆という疑いが強い.本研究では計量文体学の方法を用いて,この小説の代筆問題に新たな解決策を提示する.本研究では,文章から抽出した文字・記号のbigram,形態素タグのbigram,文節パターンを特徴量とし,アダブースト(AdaBoost),高次元判別分析(HDDA),ロジスティックモデルツリー (LMT),サポートべクターマシン(SVM)とランダムフォレスト(RF)を用いて判別分析を行った.分析の結果,『花日記』は川端康成と中里恒子の共同執筆という結論に至った.</p>
著者
孫 昊 李 鍾賛 金 明哲
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:21888957)
巻号頁・発行日
vol.2015-CH-107, no.8, pp.1-4, 2015-08-02

日本初のノーベル文学賞を受賞した川端康成にまつわる数多くの代作問題があり,その一つは 「花日記」 である.「花日記」 は新潮社 1981 年版の川端全集第 20 巻に収録されているが,本作は当時川端康成を師事した主婦作家・中里恒子の代作という説がある.本研究は文章から抽出した文字・記号列の Bigram,タグの Bigram,文節パターン特徴量を基に,統合的分類アルゴリズムを用いて代作問題を検証した.