著者
安藤 章
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.561-566, 2014-10-25 (Released:2014-10-25)
参考文献数
28
被引用文献数
3

国民価値観の多様化により,従来の経済効率性中心の国土・都市政策への限界が指摘されて久しい.近年,多くの国際機関,国で「幸福論」の指標化に関する取り組みが盛んである.わが国でも民主党政権下の2008年に政府が専門委員会に幸福の指標化に関する諮問を行ったが,その後,国レベルでの具体の動きはみられない.一方,自治体レベルでは多くの幸福指標取組みの動きがある.しかし,国土・都市政策に係る学術レベルでの十分な議論や導入実績が十分でないため,現在,自治体が検討のものは共通概念が不足し,政策指標との汎用性に欠ける.以上を踏まえ,本論文は,国土・都市政策における「幸福論」の適用可能性に関する実証的な研究を行ったものであり,その適用可能性に関する基礎的な知見を明示することができた.
著者
安藤 章 森川 高行 三輪 富生 山本 俊行
出版者
日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.907-912, 2007-10-25
参考文献数
11
被引用文献数
5

ロードプライシングは、渋滞問題を解決する最も有効な政策のひとつと考えられているが、合意形成の困難さゆえ、国内での導入実績は皆無であるし、また海外においてもロンドン、シンガポールのように限定的なものになっている。筆者らは、受容性の高い新型ロードプライシングとして駐車デポジットシステム(PDS)を提案している。従来のロードプライシングとPDSの需要面の相違を把握するため、2006年秋に名古屋都心来訪者を対象としたアンケート調査を実施した。本研究は、このデータを用いて、ロードプライシングに対する地域住民の意識構造を解明するとともに、賛成派・反対派の意識構造の相違を明確にすることで、合意形成戦略の視点を明らかにした。最後に、この意識構造方程式を用いて、ロードプライシングと比較した場合のPDSの有効性を検証した。