著者
安西 春幸 高木 国失 太田 博俊 大橋 一郎 高橋 知之 中島 聰聰
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.21, no.8, pp.2094-2098, 1988 (Released:2011-08-23)
参考文献数
19
被引用文献数
5 4

未分化型腺癌の組織型を示す隆起型早期胃癌は少く, 単発早期胃癌手術症例1, 150例中10例であった. 性別, 占居部位, 深達度は分化型腺癌の隆起型に比較し, 明らかな差はないが, 平均年齢でやや若い傾向にあった.組織学的に隆起形態を3型に分類した. A: 表層粘膜の癌発育によるもの一6例8B: 表層粘膜のみならず, 粘膜下層への癌浸潤を認めるもの-3例. C: 粘膜層より, 粘膜下層での癌浸潤が著明であるもの-1例. Aはsignet-ring cell carcinoma (sig), Bはpoorly differentiateded enocarcinoma (por), Cはmuconodular adenocarcinoma (muc) がそれぞれ多い傾向にあった. 予後は隆起型分化型腺癌同様, 良好であった.
著者
篠塚 望 小山 勇 美濃島 卓哉 俵 英之 上笹 直 渡辺 拓自 松本 隆 安西 春幸 許 俊鋭
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.41-44, 2001-02-28
参考文献数
12
被引用文献数
2

内視鏡的乳頭括約筋切開術 (EST) において乳頭切開における凝固と切開を自動的に繰り返す出力モード (エンドカット) を使用し, その有用性に関し検討した。エンドカットを用いたESTは従来の高周波モードを用いたESTに比し, 出血も少なく乳頭切開部の視野も良好に保たれ, 切石率も高い傾向にあった。またEST施行後の血清アミラーゼも低い傾向にあった。エンドカットは切開ナイフと組織との接触面積や切開速度などにより凝固の強さが制御されるため, 乳頭切開の途中で一気に大きな切開が生じてしまうジッパー現象は1例も生じなかった。エンドカットは出血や穿孔を防止し, より安全かつ正確にESTを施行できると思われ, 今後大いに活用されうるものと思われた。