著者
佐藤 弘 宮脇 豊 藤原 直人 桜本 信一 岡本 光順 山口 茂樹 小山 勇 牧田 茂
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.289-293, 2018-12-15 (Released:2019-02-01)
参考文献数
10

生体が手術侵襲で受けたダメージから,より早い回復を目指すことは,術後管理の最大の目標である.術後のより早期に回復を目指す体系的なプログラムにEnhanced Recovery after Surgery(ERAS®)という概念がある.このなかで早期離床を軸とした運動療法は重要な役割を担う.高度侵襲手術の1つに分類される食道癌の運動療法においても,早期離床が重要となる. 胸部食道癌手術の運動療法を早期に施行することは,従来困難と考えられていた.多職種チーム医療による周術期管理により術後第1病日から離床が施行されるようになりその安全性と効果も報告されるようになってきた.しかしながら入院中だけの介入では不十分であり,外来リハビリテーションの確立が急務である.食道癌の運動療法の実際と課題を概説する.
著者
篠塚 望 小山 勇 美濃島 卓哉 俵 英之 上笹 直 渡辺 拓自 松本 隆 安西 春幸 許 俊鋭
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.41-44, 2001-02-28
参考文献数
12
被引用文献数
2

内視鏡的乳頭括約筋切開術 (EST) において乳頭切開における凝固と切開を自動的に繰り返す出力モード (エンドカット) を使用し, その有用性に関し検討した。エンドカットを用いたESTは従来の高周波モードを用いたESTに比し, 出血も少なく乳頭切開部の視野も良好に保たれ, 切石率も高い傾向にあった。またEST施行後の血清アミラーゼも低い傾向にあった。エンドカットは切開ナイフと組織との接触面積や切開速度などにより凝固の強さが制御されるため, 乳頭切開の途中で一気に大きな切開が生じてしまうジッパー現象は1例も生じなかった。エンドカットは出血や穿孔を防止し, より安全かつ正確にESTを施行できると思われ, 今後大いに活用されうるものと思われた。