著者
海宝 龍夫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.234-237, 2016-05-20 (Released:2016-12-27)
参考文献数
3

資源小国日本にあって,日本が世界第2位の生産量を誇る資源があることをご存じだろうか。それはハロゲン元素の一つヨウ素である。ヨウ素は,チリではチリ硝石の副産物として生産される。一方,日本では天然ガスの生産の際に,汲み上げられる地下かん水と呼ばれる塩水から生産され,この2カ国で世界の生産量の約90%を占める(チリ約60%,日本約28%)。しかもその国内生産量の約75%が千葉県で生産されている。ヨウ素は1811年フランス北西部で海藻灰から発見された。その後,海藻を原料とするヨウ素産業はヨーロッパ中心に発展した。日本でも明治時代,千葉県,神奈川県,三重県などの海岸地域でヨウ素の生産が行われたが,その中でも千葉県は,最大の生産量を誇っていた。本稿では千葉県におけるヨウ素の製造法の変遷と最近のヨウ素を取り巻く環境について解説する。
著者
東口 文治 三瓶 春代 寺田 喜信 鷹羽 武史 高久 三枝子 徳田 宏 田口 充 山口 秀幸 海宝 龍夫
出版者
特定非営利活動法人 機能紙研究会
雑誌
機能紙研究会誌 (ISSN:02885867)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.23-27, 2011-03-31 (Released:2012-10-01)
参考文献数
7

Amylose, a linear α-1,4 glucan, is expected as one of functional biomaterials in various industries. However, manufacturing of pure amylose has not been achieved due to an extreme difficulty in the purification of amylose from starch. In recent years, we have successfully developed the novel method to completely synthesize amylose using enzymes. Amylose forms a helical structure, in which various organic and inorganic substances can be contained as a guest molecule, resulting in the drastic changes in the physicochemical properties of the guest matters. The unique functions of amylose have been used in a powder form or at a solution state, which frequently set limit to the applications. Herein, we have developed amylase/cellulose composite fiber, AMYCEL®, to overcome such limitation. In this paper, we report three functions of AMYCEL. The first function is to capture and remove unfavorable compounds. AMYCEL can eliminate the body odor substances such as pelargonic and free fatty acids on the human skin. The second function is the stabilization of unstable molecules. AMYCEL can stably include iodine easy to sublimate, leading to the strong anti-microbial and anti-viral activities. The final function is a slow release of trapped guest molecules. AMYCEL can stably hold menthol at 50%RH and 100°C. With elevated relative humidity and temperature, menthol included inside AMYCEL is gradually released. The releasing speed can be controlled by relative humidity and temperature. A variety of guest molecules can tailor the physicochemical functions of AMYCEL.
著者
藤井 義晴 木村 園子ドロテア 及川 洋征 岡崎 伸 新藤 充 吉田 昌裕 荒谷 博 和佐野 直也 マニナン ジョン・ソロモン サポン アピア・クワメ アドクウエイ アモアテイ・クリスティアナ アジジ マジード マルダニ ホサイン ミシナ マリア カザンツエバ エレナ オニプチェンコ ウラジミル パリサ タヘリ ホセイン アロウイ オシバンド アスマ 宝 龍 白 梅栄 阿 都沁夫 康 高娃 李 振豪 阿仁也 曾 任森 曾 英子 ルオ シンミン ウンダム ロレンス・モナ ミイ アフィ・アティアス イスミル ライハン ベイカー バキ 田村 尚幸 唐内 里緒 小林 賢太朗
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ガーナ、ケニヤ、スーダン、カメルーン、カンボジア、マレーシア、ベトナム、トルコ、イラン、ロシア、中国の雲南省、内モンゴル自治区などに出張したり現地研究者と連絡研究を行い、アレロパシー活性の強い植物を検索した。選抜した植物を重力屈性阻害活性、蔓の巻き付き防止活性を検定する系で検定した。アメリカネナシカズラを用いるつるの巻き付きを防止する検定法を開発した。これらの系によりクズ、シラゲクサフジ、アメリカネナシカズラ等のつる植物のつるの巻き付きを阻害する物質を数種見出した。これらの物質が実際にクズのつるの巻き付きを阻害する検定試験を実施し、現地においても蔓の巻き付きを阻害する活性のある成分を得た。