著者
宝月 理恵
出版者
日本保健医療社会学会
雑誌
保健医療社会学論集 (ISSN:13430203)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.85-95, 2012-07-20 (Released:2016-11-16)

本稿の目的は、戦後日本における歯科衛生士の専門職化運動を、医療専門職システムにおける専門職プロジェクトとして把握し、その変容過程と特徴を明らかにすることにある。歯科衛生士団体の機関誌、歯科学雑誌、国会会議録、および歯科衛生士を対象としたインタビュー調査記録の分析から、歯科衛生士と業務の協働・分業を行う歯科医師、歯科技工士、(准)看護婦、歯科助手の支配管轄権をめぐる境界線の変容過程を詳細に検討した。その結果、専門職間の縦のヒエラルキーのみならず、縦横の競合関係が歯科衛生士の専門職化プロジェクトの方向性を決定するとともに、国家政策やジェンダー関係といった外的要因が日本における歯科衛生士の専門職化の道程を規定してきたことが明らかになった。
著者
宝月 理恵
出版者
日本保健医療社会学会
雑誌
保健医療社会学論集 (ISSN:13430203)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.85-95, 2012

本稿の目的は、戦後日本における歯科衛生士の専門職化運動を、医療専門職システムにおける専門職プロジェクトとして把握し、その変容過程と特徴を明らかにすることにある。歯科衛生士団体の機関誌、歯科学雑誌、国会会議録、および歯科衛生士を対象としたインタビュー調査記録の分析から、歯科衛生士と業務の協働・分業を行う歯科医師、歯科技工士、(准)看護婦、歯科助手の支配管轄権をめぐる境界線の変容過程を詳細に検討した。その結果、専門職間の縦のヒエラルキーのみならず、縦横の競合関係が歯科衛生士の専門職化プロジェクトの方向性を決定するとともに、国家政策やジェンダー関係といった外的要因が日本における歯科衛生士の専門職化の道程を規定してきたことが明らかになった。
著者
宝月 理恵
出版者
The Kantoh Sociological Society
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.21, pp.83-94, 2008-07-20 (Released:2012-02-29)
参考文献数
16

This research attempts to examine how the school oral hygiene system came to be established in the Taisho and early Showa eras. Prior literature has revealed that it was the dental associations rather than the government that took the lead in enforcing that system. This paper therefore sets up a hypothesis that dentist' demands for expanding their authority might have been a decisive factor in the system. Then, using Andrew Abbott's analytical model on professions, this paper examines the institutionalization of a school oral hygiene system as the result of inter-professional conflict for jurisdiction between school doctors and school dentists. From the analysis of medical discourses in technical journals, it is concluded that academic professional knowledge, jurisdictional claims and external forces affected the institutionalization of the system.
著者
宝月 理恵
出版者
日本保健医療社会学会
雑誌
保健医療社会学論集 (ISSN:13430203)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.85-95, 2012

本稿の目的は、戦後日本における歯科衛生士の専門職化運動を、医療専門職システムにおける専門職プロジェクトとして把握し、その変容過程と特徴を明らかにすることにある。歯科衛生士団体の機関誌、歯科学雑誌、国会会議録、および歯科衛生士を対象としたインタビュー調査記録の分析から、歯科衛生士と業務の協働・分業を行う歯科医師、歯科技工士、(准)看護婦、歯科助手の支配管轄権をめぐる境界線の変容過程を詳細に検討した。その結果、専門職間の縦のヒエラルキーのみならず、縦横の競合関係が歯科衛生士の専門職化プロジェクトの方向性を決定するとともに、国家政策やジェンダー関係といった外的要因が日本における歯科衛生士の専門職化の道程を規定してきたことが明らかになった。