著者
宮崎 耕輔 谷本 圭志 伊藤 昌毅
出版者
香川高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は,地方部における交通系ビッグデータを活用した地域公共交通計画立案の開発である.昨年度の検討結果を踏まえ,基礎集計の基礎となる利用者個人単位のデータベースの作成ならびに利用実績に着目したデータベースの作成などを行った.具体的には,「5.交通系ビッグデータから地域公共交通計画立案に必要なデータ抽出法の開発」に着手した.提案したデータ抽出法が効果的かどうかについての検討をするに際し,トライアンドエラーの繰り返しをしながら,以下のような分析を行った.抽出したデータベースをもとに,個人単位ならびに利用された駅単位などによって,利用実績を整理した.そして,クラスター分析や非負値テンソル因子分解などを用いて,グループ化し,これらのグループごとの特徴整理をすることによって,利用者の交通行動分析を行った.また,個人単位ならびに利用された駅単位などによって,整理した結果を用いて,経年変化について整理し,時系列分析の手法を用いつつ,クラスター分析等の手法を用いて,グループ化し,これらのグループごとの特徴整理をすることによって,利用者の交通行動分析を行った.以上の交通行動分析結果が適切であるか否かについての検討を行い,提案したデータ抽出法が効果的であるか否かについての判定を行った.なお,効果的なデータ抽出法の模索に時間を要し,今年度のほとんどの時間をデータ抽出法の開発に要してしまった.そのため,次年度以降については,「6.具体的な地域公共交通計画立案へのデータ活用法の開発」「7.地域公共交通計画立案に資するビッグデータの整理ならびにその項目集の作成」を実施することを目指すとともに,さらなる分析を行うことを確認した.
著者
瀬口 哲夫 福島 茂 高山 純一 宮崎 幸恵 宮崎 耕輔
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

1999年以降に合併した、800km^2以上の行政面積を持つ市を研究の対象とした。これら、「合併巨大都市」は、行政規模が大きくなり、集約型の都市を志向する傾向がある。また、土地利用や都市計画、さらに、産業振興・地域活性化では、地域的差異を抱え込みながらも広域調整の点で成果が見られる。一方で、広大な過疎地や山間部を抱えていることから、「都市内分権」や住民自治の強化が求められており、地域自治に先駆的な試みが見られる。
著者
松尾 幸二郎 ヌッサカ・ニムマヴォン ミタル・チャクマ 宮崎 耕輔 杉木 直
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学研究発表会論文集 第42回交通工学研究発表会 (ISSN:27583635)
巻号頁・発行日
pp.7-13, 2022 (Released:2022-11-10)
参考文献数
4

本研究では,交通公園の交通安全教育への寄与に関する基礎的な研究として,児童の交通公園の利用経験が交通ルール認識に与える影響について把握を行うことを目的とし,豊橋市の児童およびその保護者を対象としたアンケート調査により,豊橋市内の交通公園の利用頻度と交通ルール認識との関係の分析を行った.結果として,児童の入学前の交通公園の利用頻度が高い児童ほど,自転車乗用時に「止まれ」の場所で一時停止をする行動が高まることや,無信号横断歩道で一時停止して横断者へ道を譲るという意識および行動が高まることなど,多くの交通ルールの認識に良い影響を与えていることが示された.一方,自転車の左側通行については,入学前の交通公園の利用頻度によって意識は向上するものの,行動までには繋がっていないことも示された.