著者
立岡 文理 曽我部 知広 宮武 勇登 張 紹良
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.142-161, 2018 (Released:2018-09-25)
参考文献数
11

概要. 本論文では数値積分による行列実数乗Aαの計算を考える.Aαの積分表示は減衰の遅い被積分関数の広義積分で表される.これまでは,変数変換により積分区間を有限にした後にGauss求積を用いて計算されてきたが,Aの条件数やαによっては収束性が悪化しうる.本論文では新たなアプローチとして二重指数関数型積分公式に着目し,積分区間の設定方法等をまとめたアルゴリズムを示したのち,その有用性を数値的に検証する.
著者
松尾 宇泰 宮武 勇登
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.213-251, 2012-09-25 (Released:2017-04-08)
参考文献数
49

微分方程式の数値解法のうち,微分方程式が持つ何らかの構造を離散系でも再現する特殊な数値解法のことを「構造保存数値解法」と呼ぶ.構造保存数値解法は,1980年代に常微分方程式系に対し提唱されてから長足の進歩を遂げ,最近では偏微分方程式系に対しても研究が進んでいる.本サーベイでは,これらの基礎と最近の進展について概説する.
著者
宮武 勇登
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.244-246, 2023-04-15

ODE Netなどでは,微分方程式の近似解を用いて定義された目的関数の最小化問題を解く必要があるが,そのためには,目的関数の微分の計算を系統的に効率よく行うことが期待される.紹介論文では,そのための方法論が示されているが,理論の背景には,微分方程式の持つ保存量を厳密に再現するように離散化を行うという考え方があり,同様の議論はNewtonによるKepler問題(特にKeplerの第二法則)の考察にまで遡ることができる.
著者
宮武 勇登
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:24321982)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.15-22, 2018-09-26 (Released:2018-12-26)
参考文献数
35

Continuous stage Runge-Kutta (CSRK) methods, which were introduced around 2010, are a framework of iterative numerical methods for solving ordinary differential equations. It turned out that some CSRK methods preserve some underlying geometric structures of differential equations, such as symplecticity or energy-preservation of Hamiltonian systems. This paper reviews CSRK methods and their recent developments with emphasis on their structure-preservation properties.
著者
宮武 勇登
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

現代科学の多くの分野で,長時間スケール数値計算の需要が高まっている.そのためには,微分方程式の数理的/物理的性質(例えばエネルギー保存則)を活用した構造保存数値解法が適切だが,計算機パワーのハード面の成長に伴い,現場のニーズも多様化・大規模化している現在,精度と計算コストのギャップといった問題がこれまで以上に顕著化している.これらの問題に対して,現状では,各分野の専門性や経験によって解決案が研究されているが,本研究では,より数理的/分野横断的な立場から,汎用性の高い高速かつ高精度な並列構造保存数値解法を開発することを目的とする.本年度はこの目的に対して,主に,微分方程式を離散化した際にあらわれる線形方程式の性質やその解法に関して研究を行った.不連続Galerkin法は比較的容易に高精度な離散化を行える一方,離散化後にあらわれる線形方程式の性質(条件数など)が悪くなることがある.この問題に対する先行研究として,離散化の際に人工的なパラメータを導入するアイデアが知られており,本研究では,構造保存不連続Galerkin法への展開を考え,実際にいくつかの散逸系に対しては有用性を確認できた.ただし,保存系に対してはこのアイデアの素直な適用は難しく,また散逸系に対しても,ほとんど効果の見られない問題例も存在する.その他にも,線形方程式を数値計算するための反復解法についても研究を行い,新しいタイプの適応型SOR法を導出した.
著者
松尾 宇泰 宮武 勇登
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.213-251, 2012-09-25

微分方程式の数値解法のうち,微分方程式が持つ何らかの構造を離散系でも再現する特殊な数値解法のことを「構造保存数値解法」と呼ぶ.構造保存数値解法は,1980年代に常微分方程式系に対し提唱されてから長足の進歩を遂げ,最近では偏微分方程式系に対しても研究が進んでいる.本サーベイでは,これらの基礎と最近の進展について概説する.