著者
矢満田 健 羽生田 正行 宮澤 正久 吉田 和夫 金子 和彦 天野 純
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.175-181, 1996-04-20 (Released:2011-08-10)
参考文献数
15

症例は51歳男性で1983年6月23日左肺癌にて左上葉切除術およびリンパ節郭清が施行された. 組織学的には高分化型腺癌でpT2NOMO, stageIの診断であった. その後肺再発にて, 初回手術の3年6ヵ月後に左下葉部分切除術を, その4年8ヵ月後に左のCompletion Pneumonectomyを, さらにその1年9ヵ月後に右肺上葉の部分切除術をと, 3回の肺再発にて初回手術を含め合計4回の肺切除を施行した. 本症例は組織学的所見を考慮し, すべて初回手術時の再発肺癌と診断したが, 再発に対する積極的な再手術により本例のように比較的良好な予後を呈する症例が存在するので, 呼吸機能の評価で可能であれば, 積極的な外科治療が必要と思われる.
著者
千須和 寿直 田内 克典 大森 敏弘 森 周介 岸本 浩史 小池 秀夫 樋口 佳代子 宮澤 正久
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.2462-2467, 2008 (Released:2009-04-07)
参考文献数
18
被引用文献数
4 2

目的:急性虫垂炎の診断におけるCTを重視したプロトコールの正確性と虫垂径の測定の有用性の評価.対象と方法:2002年1月から2004年6月の間に急性虫垂炎と診断した連続した239人を検討した.CTでの診断基準は6mm以上の虫垂径または2次性の炎症変化とした.病理学的な診断基準は筋層以上の炎症細胞浸潤とした.結果:239人のうち235人がCTを受けていた.222人が虫垂切除術を受け,205人が病理学的に急性虫垂炎と診断された.CTで虫垂径が6mm以上あった200人中193人が病理学的に急性虫垂炎と診断された.手術症例の陽性的中率は92.3%(205/222)で,CTで虫垂径が6mm以上あった手術症例の陽性的中率は96.5%(193/200)であった.また保存的治療症例の35.3%(6/17)が再発し,10mm以上で再発率が50%(5/10)と高かった.結論:CTは急性虫垂炎の診断に有用である.
著者
高砂 敬一郎 矢満田 健 牧内 明子 近藤 竜一 沼波 宏樹 花岡 孝臣 町田 恵美 宮澤 正久 吉田 和夫 青木 孝學 羽生田 正行 天野 純
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.627-631, 1999-07-15
被引用文献数
4 3

症例は75歳, 女性.1992年3月21日, 左下葉の肺硬化性血管腫に対して核出術を施行した.術後, 外来で経過観察されていたが, 手術より約4年後の1996年5月, 胸部X線写真上, 左上下肺野に腫瘤陰影が多数認められ, 擦過細胞診で肺硬化性血管腫と診断された.本症例はその臨床経過より再発と考えられた.従来より肺硬化性血管腫の手術術式は核出術が一般的であったが, 核出術施行後の局所再発症例の報告や本症例を考えると, 可能であれば部分切除術以上の術式の選択が必要と思われた.また, まれではあるが再発を念頭においた術後の経過観察が必要と思われた.
著者
矢満田 健 羽生田 正行 宮澤 正久 吉田 和夫 金子 和彦 天野 純
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.175-181, 1996-04
被引用文献数
1

症例は51歳男性で1983年6月23日左肺癌にて左上葉切除術およびリンパ節郭清が施行された.組織学的には高分化型腺癌でpT2N0M0,stage Iの診断であった.その後肺再発にて,初回手術の3年6ヵ月後に左下葉部分切除術を,その4年8ヵ月後に左のCompletion Pneumonectomyを,さらにその1年9ヵ月後に右肺上葉の部分切除術をと,3回の肺再発にて初回手術を含め合計4回の肺切除を施行した.本症例は組織学的所見を考慮し,すべて初回手術時の再発肺癌と診断したが,再発に対する積極的な再手術により本例のように比較的良好な予後を呈する症例が存在するので,呼吸機能の評価で可能であれば,積極的な外科治療が必要と思われる.