著者
箭内 浩典 中里 秀則 富永 英義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.357, pp.19-24, 2006-11-09

分散型サービス拒否(DDoS)攻撃対策のひとつとして, IPトレースバックがある.現在多くのトレースバック手法が提案されているが,実用化には不十分で次のような欠点がある.確率的パケットマーキング方式は,パケットがルータを通過する際に部分的な経路情報をマークする手法であるが,攻撃被害者が攻撃経路を再現するためには非常に多くの計算時間がかかり,大規模な攻撃に対応できない.ICMP方式は,低い確率でルータを通過するパケットをサンプリングし,その中身とリンク情報をICMPトレースバックメッセージとして送信する手法であるが,ひとつの攻撃経路あたり数万パケットほどの多量のパケットを再現に要する.そこで,本稿ではICMP方式とマーキング方式を併用する複合型IPトレースバック手法を提案する.2つの情報を活用することで,マーキング手法の欠点である攻撃元までの経路構築・攻撃元探査に要する時間を減らす手法について示す.
著者
箭内 浩典 中里 秀則 富永 英義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.356, pp.49-54, 2006-11-09
被引用文献数
1

分散型サービス拒否(DDoS)攻撃対策のひとつとして,IPトレースバックがある.現在多くのトレースバック手法が提案されているが,実用化には不十分で次のような欠点がある.確率的パケットマーキング方式は,パケットがルータを通過する際に部分的な経路情報をマークする手法であるが,攻撃被害者が攻撃経路を再現するためには非常に多くの計算時間がかかり,大規模な攻撃に対応できない.ICMP方式は,低い確率でルータを通過するパケットをサンプリングし,その中身とリンク情報をICMPトレースバックメッセージとして送信する手法であるが,ひとつの攻撃経路あたり数万パケットほどの多量のパケットを再現に要する.そこで,本稿ではICMP方式とマーキング方式を併用する複合型IPトレースバック手法を提案する.2つの情報を活用することで,マーキング手法の欠点である攻撃元までの経路構築・攻撃元探査に要する時間を減らす手法について示す.
著者
田代 裕和 土橋 健太郎 富永 英義
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.120, pp.229-236, 2006-11-17

無線通信の広帯域化やセンサ技術の高度化に伴い,更なる発展が求められるITS,その中でも車車間通信において様々なアプリケーション・サービスの出現が予想される.一方で限られた周波数・帯域を有効活用するため,各アプリケーション・サービスの要求条件・優先度に応じたMedia Access Control,特に緊急度の高い情報を配信する必要性が生じた際に,該当地域内のAd-hoc ネットワークを端末間でいかに制御し,本情報を要求されるエリアに,要求される時間内に確実に配信するかを考慮する必要がある.そこで本稿では,緊急性の高い情報を配信する必要に迫られた車両は情報に緊急度や優先を希望する時間を埋め込み,周辺車両と連携し,必要に応じて動的にQoS 制御を行う手法を提案する.そして,実際の道路と緊急情報が突然発生するシーンを想定したコンピュータシミュレーションにより,実現可能性について言及する.Recently, Intelligent Transportation System (ITS) is obtaining a grip on reality thanks to the huge development of radio communication technologies and sensor technologies. Inter-vehicle communication is required to to be adaptive to the each requirement of various application. In this paper, we propose a dynamic QoS control scheme for inter-vehicle communications that reduces the delay and forms reliable vehicle networks. Finally, simulation evaluates the proposed scheme from the viewpoint of average access delay and clarifies the effectiveness of the proposed scheme.