著者
佐伯 徹郎 藤井 健生 山口 静馬 加藤 裕一
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.209-214, 2003-04-01
被引用文献数
7

短期記憶といった精神作業時に外部から種々の音圧レベル値を持つ有意味又は無意味騒音が侵入してきた場合,その騒音が作業者にどのような影響を及ぼすかを考察した。すなわち,騒音に対するうるささの心理的印象及び正答率や反応時間といった作業成績に着目し,騒音の音圧レベル値や有意味・無意味性にどのように依存するかを考察した。その結果,(1)有意味騒音は低い音圧レベル値であってもうるさく感じ,その傾向は視覚による課題提示の場合に特に顕著である,(2)作業成績については,有意味・無意味騒音ともに,聴覚による課題提示の場合は騒音の音圧レベル値が高くなると低下する傾向にあるが,視覚による課題提示の場合はその傾向は見られない,などの知見が得られた。
著者
山中 亮 松林 武生 佐伯 徹郎 榎本 靖士 山崎 一彦 杉田 正明
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.307-313, 2016-06-01 (Released:2016-05-14)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

The purpose of this study was to examine the relationships between running performance and the cross–sectional area of the psoas major, peak oxygen uptake, and running economy in male junior long–distance runners. The subjects were 37 male junior athletes who achieved good records in interscholastic athletic competition during 5 years (2011–2015). Their seasonal best times in a 5,000 m race (5,000m–SB) were 14:04.11 ± 0:07.25 (13:53.64–14:16.15). In a multiple regression analysis, 5,000m–SB was statistical significantly correlated with the cross–sectional area of psoas major (16.0 ± 1.7 cm2) measured on magnetic resonance imaging and peak oxygen uptake (4.25 ± 0.36 l min-1 [76.9 ± 5.8 ml min-1 kg-1]) during a lactate curve test comprising five stages. However, 5,000m–SB was not related to oxygen uptake at the work–load which was less than the load at the lactate threshold estimated by using the lactate curve test results. These results suggest that a high volume of the psoas major, the largest hip–flexor muscle, and peak oxygen uptake are among the important factors for junior long–distance runner performance.
著者
山口 静馬 佐伯 徹郎 老松 建成
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.82, no.9, pp.1421-1427, 1999-09-25
被引用文献数
7

音声聴取時の外来雑音に対する心理的応答を,音声信号と外来雑音の各音圧レベルやパワースペクトル特性の相対的関連性の下に把握することは快適な音場の設計に重要である.本論文は音声聴取時の外来雑音に対する心理的応答を推定・予測するための手法をファジィ集合を用いて提案したものである.具体的には,音声を聴取している人間が外来雑音にさらされた場合に着目し,音声信号と雑音の音圧レベルやパワースペクトル特性に関するファジィ関係を,SN比とオクターブ数を台とする近似的な2次元メンバシップ関数を用いて求めている.次いで,心理的応答の評価手法をファジィ確率の概念を導入して提案している.最後に,本手法の妥当性と適用可能性を心理実験による実測データに適用して実験的に確認している.理論と実験との間にほぼ良い一致が認められる.