著者
大野 博之 小島 圭二
出版者
Japan Society of Engineering Geology
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.295-302, 1988-12-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
17

For modeling groundwater flow and mechanical responses of fractured rock mass, to grasp the characteristics of fractures is essentially needed. Recently, the concept of fractal has been applied by some researchers to describe the fracture system. In this study, the authors report a statistical approach made to check the adaptability of the concept of fractal to the fracture system.The lengths of fracture-traces, apperently seen on the surface of rock mass, were measured by sketching and utilizing data of linearment analysis, while the widths of fracture-traces recognized on geological logs and maps were guaged. The measured data of fracture-traces were statistically processed to determine the distribution functions in large and small scales, then, cumulative-frequency curves were examined.Although log-normal distributions were commonly observed for any measured scales, detailed discussion on scale effect in measurement led us that the measurement error and loss of information became larger as the size of fracture-trace became smaller or larger relative to average value of the resolution of human eyes and the objective scales. Removing such effects, the distribution of measured data within a scale was deviated from log-normal, but was correlated approximately by power distribution, indicating that the fracturetraces possibly distribute obeying so-called “Fractal distribution”. The authors prospect that this fact might be useful for estimating reasonably the distribution and the characteristic factors of fractures of any scale from the measurements at available scales.
著者
小島 圭二 大塚 康範 大野 博之 軽部 文雄 土屋 彰義 徳永 朋祥
出版者
一般社団法人 日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.126-139, 2009 (Released:2013-03-31)
参考文献数
17
被引用文献数
2 1

東京湾沿岸の地域開発/自然の人工改変の変遷の50年を振り返り, この人工改変に地質工学がどのように対応してきたか,基盤の科学・技術である地球科学と地盤工学の論理と知見を取り込み, どのように地質工学の論理体系を作り上げてきたのかを示した. すなわち, 地盤図を地盤地質図にするための論理の転換を行ったこと, ナチュラルアナログの論理を用いて地盤物性を求める手法を示したこと, 地層への物性の組み込みや地盤物性の劣化の論理を展開してきたことなどを, 事例を挙げて示した. これまでの50年の成果を踏まえ, 今後は, 自然の現象論・地盤の物性論・方法論の3つの基本論理とそれらを統合した地質工学を発展させていくことが重要である. 具体的には, シークェンスやナチュラルアナログの論理や手法の展開, また, 地層への4次元物性組み込みの論理の展開, すなわち地盤スケールの物性を求めること, 広域かつ長期の時系列データから自然の地盤特性を評価すること, そして人工改変の自然への影響を予測するために, 自然現象の変化を, 広域かつ同時に把握するツールの開発などがある.
著者
原口 強 中田 高 島崎 邦彦 今泉 俊文 小島 圭二 石丸 恒存
出版者
一般社団法人 日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.306-314, 1998-08-10 (Released:2010-03-25)
参考文献数
3
被引用文献数
6 13

未固結堆積物を定方位で連続的に採取する方法として独自に考案・開発した地層抜き取り装置と, 建設現場ですでに確立している鋼矢板打ち込み工法を組み合わせた定方位連続地層採取方法を提唱する. 本方法の原理は, 2つに分割したサンプラーを2段階に分けて地層中に差し込んで地盤中で閉合した断面を完成させ, それを同時に地盤から引き抜くことにより, その間に挟まれた地層を定方位で採取する方法である.本方法は, 活断層調査の現状における様々な問題点を克服するために開発されたもので, 2つの事例 (糸魚川-静岡構造線活断層系・神城断層と東京都旧江戸川) を示す. 糸魚川-静岡構造線活断層系・神城断層では幅35cm, 厚さ12cm, 深さ約11mの連続する定方位地層断面を2本採取し, 急傾斜する地層を切る小断層がとらえられた. 東京都旧江戸川では水深5mの川底から深さ約9mにわたって完新世の軟弱な未固結堆積層を幅30cmの地層断面として採取し, 縦ずれ量約25cmの連続する正断層状の地割れを含む地層断面を採取した. これらの採取結果から本方法が, 軟弱な未固結堆積物の定方位連続地層採取方法として広範に有効であることが明らかとなった.
著者
原口 強 中田 高 島崎 邦彦 今泉 俊文 小島 圭二 石丸 恒存
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.306-314, 1998-08-10
参考文献数
3
被引用文献数
7 13

未固結堆積物を定方位で連続的に採取する方法として独自に考案・開発した地層抜き取り装置と, 建設現場ですでに確立している鋼矢板打ち込み工法を組み合わせた定方位連続地層採取方法を提唱する.本方法の原理は, 2つに分割したサンプラーを2段階に分けて地層中に差し込んで地盤中で閉合した断面を完成させ, それを同時に地盤から引き抜くことにより, その間に挟まれた地層を定方位で採取する方法である.本方法は, 活断層調査の現状における様々な問題点を克服するために開発されたもので, 2つの事例(糸魚川-静岡構造線活断層系・神城断層と東京都旧江戸川)を示す.糸魚川-静岡構造線活断層系・神城断層では幅35cm, 厚さ12cm, 深さ約11mの連続する定方位地層断面を2本採取し, 急傾斜する地層を切る小断層がとらえられた.東京都旧江戸川では水深5mの川底から深さ約9mにわたって完新世の軟弱な未固結堆積層を幅30cmの地層断面として採取し, 縦ずれ量約25cmの連続する正断層状の地割れを含む地層断面を採取した.これらの採取結果から本方法が, 軟弱な未固結堆積物の定方位連続地層採取方法として広範に有効であることが明らかとなった.