著者
服部 和裕 山本 明美 笹井 みさ 谷内 昇一郎 小島 崇嗣 小林 陽之助 岩本 洋 難波 恭子 八重島 智子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.20-30, 2003-01-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
27
被引用文献数
1

腸内にBifidobacteriumが少ないアトピー性皮膚炎患児15例を予備的な菌叢の検索から選択し,うち投与群8例に対してビフィズス菌凍結乾燥末(Bifidobacterium breve M-16V株)を経口投与した.腸内細菌叢の変動とアレルギー症状の推移を観察し,対照群7例と比較した.投与群では,ビフィズス菌末投与1カ月目の時点で,腸内のBifidobacterium占有割合の有意(P=0.0173)な上昇と,総好気性菌占有割合の有意(P=0.0499)な低下を認め,さらにアレルギー症状も有意(皮膚スコアでP=0.0176,総合スコアでP=0.0117)に改善した.一方,ビフィズス菌末の投与はアトピー性皮膚炎の症状改善を対照群に比較して有意に促進したが,自然排泄便を検体とした腸内細菌叢の変動と,アレルギー症状の推移の間には,明確な相関を認めなかった.
著者
服部 和裕 山本 明美 笹井 みさ 谷内 昇一郎 小島 崇嗣 小林 陽之助 岩本 洋 難波 恭子 八重島 智子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.20-30, 2003
被引用文献数
1

腸内にBifidobacteriumが少ないアトピー性皮膚炎患児15例を予備的な菌叢の検索から選択し,うち投与群8例に対してビフィズス菌凍結乾燥末(Bifidobacterium breve M-16V株)を経口投与した.腸内細菌叢の変動とアレルギー症状の推移を観察し,対照群7例と比較した.投与群では,ビフィズス菌末投与1カ月目の時点で,腸内のBifidobacterium占有割合の有意(P=0.0173)な上昇と,総好気性菌占有割合の有意(P=0.0499)な低下を認め,さらにアレルギー症状も有意(皮膚スコアでP=0.0176,総合スコアでP=0.0117)に改善した.一方,ビフィズス菌末の投与はアトピー性皮膚炎の症状改善を対照群に比較して有意に促進したが,自然排泄便を検体とした腸内細菌叢の変動と,アレルギー症状の推移の間には,明確な相関を認めなかった.
著者
小島 崇嗣 谷内 昇一郎 青木 孝夫 小野 厚 蓮井 正史 高屋 淳二 小林 陽之助
出版者
日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.184-192, 2004-06-01 (Released:2010-08-05)
参考文献数
7

アレルギー疾患合併小児162例 (A群) (男/女: 92/70) とアレルギー疾患非合併小児47例 (B群) (男/女: 25/22) を対象としてインフルエンザワクチンの副反応を検討すると同時に, フマル酸ケトチフェンによる予防内服の有用性を調べた. A群のうち即時型の卵アレルギーを有する症例は15例であった. A群の79例とB群の15例 (計94例) ではワクチンの100倍希釈液で皮内テストを施行した. また, 全209例中44例でフマル酸ケトチフェンの予防内服を施行しその有効性を検討した. その結果, 皮内テスト施行例のうち皮膚スコア2 (発赤径20-39mm) を示した症例は, A群24% (卵アレルギー群での検討では13%), B群20%と差を認めなかった. しかし, 両群とも約10%に皮内テストから予測できない強い即時型局所反応がワクチン接種部位に認められた. 遅発型局所反応は209例中24例 (11%) に認められ, A群18例 (11%), B群6例 (11%) であった. 即時型局所反応ろコアとワクチン接種回数との関係では, 即時型局所反応スコアが2以上を示した割合はそれぞれ, 初年度例の6%, 2年度例の23%, 3年度例の26%, 4年以上例の42%であり, 複数回接種により接種部位の即時型局所反応が出やすくなることが判明した. また, 遅延型局所反応でも同様の関係が認められた. フマル酸ケトチフェンによる予防内服の効果に関しては, 即時型局所反応, 遅延型局所反応ともに有効性が認められた.