著者
小島 清信 徳田 英幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.148-160, 2015-01-15

講演会などイベント活性化のため,口頭によるコミュニケーションと並行してTwitterのハッシュタグを利用したオンライン上の会話が利用されている.一方,時間順に各々の投稿を同等に扱うため,件数が増加すると,投稿を逐一確認する認知負荷が高くなる.この問題を解決すべく,興味のあるトピックを参加者が短い文字数で入力し,リアルタイムで相互投票によるランキングを集計するTokenCastシステムを設計・実装し,講演会や勉強会などで運用した.その結果,傾向を把握しやすくする効果にとどまらず,興味を高めるのに時間がかかるようなトピックについて参加者の興味をあぶり出す効果が観測され,投票者数の多い55件のトピック中の22%が該当した.この現象を本稿では,"コミュニティの共振現象"と名付けて分析を行い,共振の要件を示した.参加者間で価値の発見が連鎖することにより,後から重要なものを見落とさないだけでなく,イベント自体を創発的な場に変化させる効果を持つ.Recent open conferences sometimes use Twitter to establish supplemental communication channel identified by hashtags. Still, many posts may cause a heavy cognitive load to track them for both speakers and participants because each post has the even priority and is listed in chronological order. We designed a real-time ranking system, TokenCast, which allows participants to post and vote their interests in short words as hashtag. Through experimental operation in some lectures, the trends of topics were aggregated even if spams exist. In addition, the system helps participants to extract their hidden interests by taking longer time than their straight interests. We found that 22% of top 55 topics were brought by this effect, which we name as social resonance, and discuss the requirement to bring the effect. The chain of discoveries by some participants helps others to find important topics and will help the conference to increase innovative interaction.
著者
小島 清信 徳田 英幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.3, pp.371-380, 2013-03-01
被引用文献数
1

ソーシャルフィルタリングといわれる人的ネットワークを介した選択的な情報伝達作用に着目した.Twitterは相手の同意なくリンクをつなぎ換えできるため,ユーザの興味変化がソーシャルグラフとしてAPIを通じて動的に取得可能である.実ユーザの行動を週単位から年単位まで追跡調査することで,リンク数が32(10^<1.5>)以上のユーザにおいて積極的なつなぎ換えを観察した.アンケートを加えてつなぎ換えの分析を行い,中位次数へのリンクを活性化させる分散的選択と探索的選択の特性を導き出した.モバイル環境の普及により人を介する伝達の機会は更に増加すると考えられ,ソーシャルフィルタリングを活用するための知見が応用できる領域は大きい.
著者
小島 清信 徳田 英幸
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J96-D, no.3, pp.371-380, 2013-03-01

ソーシャルフィルタリングといわれる人的ネットワークを介した選択的な情報伝達作用に着目した.Twitterは相手の同意なくリンクをつなぎ換えできるため,ユーザの興味変化がソーシャルグラフとしてAPIを通じて動的に取得可能である.実ユーザの行動を週単位から年単位まで追跡調査することで,リンク数が32 (101.5)以上のユーザにおいて積極的なつなぎ換えを観察した.アンケートを加えてつなぎ換えの分析を行い,中位次数へのリンクを活性化させる分散的選択と探索的選択の特性を導き出した.モバイル環境の普及により人を介する伝達の機会は更に増加すると考えられ,ソーシャルフィルタリングを活用するための知見が応用できる領域は大きい.