著者
小川 輝繁
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会関東支部ブロック合同講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.189-190, 2005-08-25
被引用文献数
1

日本における煙火事故の年間件数は、製造中が0-3件、消費中が約20件であり、消費中の事故発生件数が製造中に比べてはるかに多い。しかし、製造中に極めて重大な事故が発生している。1992年に茨城県の製造工場で発生した事故では従業員3人が死亡、周辺住民を含む58人が負傷した。また、2003年には鹿児島県の工場で爆発事故が発生し、従業員10人が死亡、周辺住民を含む4名が負傷した。日本の煙火産業の保安について考察した。日本の煙火業者のほとんどは中小企業である。そのため、煙火産業の保安について次のような問題点がある。(1)煙火技術における科学的基礎に基づいた取り組みの不足煙火は業者が代々受け継いできた経験に基づいた技術で製造されている。(2)煙火は手作りで製造されている。煙火職人は爆発危険性物質を手で取り扱っている。(3)ほとんどの煙火業者は経済基盤が弱く、海外から安い製品や半製品が輸入されることが経営を圧迫している。煙火業者の保安のために推進すべき課題は、科学的基礎に基づいた煙火の技術開発と業者の経済基盤の強化である。
著者
若園 吉一 小川 輝繁
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.138, 1968-06-15 (Released:2018-11-08)
著者
坪井 孝夫 小川 輝繁 宇高 義郎 三宅 淳巳 石井 一洋
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

炉心溶融時に生ずる水素に起因するデトネーションに関して、3年間に以下の研究成果を得た。(1)炉心溶融時の雰囲気中に存在する水蒸気がデトネーションへの遷移(DDT)に及ぼす影響を実験的に調査するために、水蒸気濃度を0%から4-5%へと変化させた結果、全長13mのデトネーション管では3-8%の水蒸気を含む混合気ではDDTが生じなかった。実験条件によりこの限界は変化した。衝撃波管を用いた実験では、DDTが生ずるまでの誘導時間は、水蒸気濃度と初期温度に強く依存した。(2)局部的に混合気濃度が異なる場合、すす膜観測より、通常のすす膜構造と異なる規則的模様が観測され、複数の燃焼形態か混在することが観察された。(3)生じたデトネーションが構造物間の狭い空間を伝播する際の挙動については、間隙長一定の場合に、デトネーションのセルサイズが同一であっても混合気の組成によって伝播形態が大きく異なった。さらに混合気の組成(当量比、窒素およびアルゴン希釈割合)を大きく変化させた場合は、同一のセルサイズに対しては水素過剰混合気の方が速度欠損が大きかった。同一希釈量では、窒素希釈の方がアルゴン希釈よりも間隙内速度欠損が大きかった。(4)デトネーション管端にステンレスチューブを複数本最密になるよう挿入し、チューブ内径および長さがDDT過程に及ぼす影響について調べた結果、チューブの挿入によりDDT距離が大幅に短縮された。本研究の遂行にあたり、石井一洋、三宅淳巳、坪井孝夫と同行の大学院生がアーヘン工科大学を訪れ、アーヘン大学のオリビエ教授、シュミット助手、ビークリング助手、グレーニッヒ教授を招聘し、研究打ち合わせ並びに共同実験を行った。