著者
小松 太郎
出版者
上智大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

研究期間にわたり、ボスニア・ヘェルツェゴビナ国の住民参加型学校運営制度と地域社会の社会的結束の関係について確認した。一年目の調査では学校運営協議会の実態を確認した。二年目は紛争中に民族虐殺が発生したスレブレニツアにおいて、少数民族系の生徒に対し面接調査を行った。生徒自身が民族交流の場としての学校を評価していた。三年目は民族混在性の高いブルチコ地区を中心に、協議会委員へ面接調査を行った。多民族から構成される協議会は、学校運営の正統性(legitimacy)を高めていたことがわかった。学校は社会的結束を促進しうる。多民族住民参加型学校運営は学校の正統性を確保しその役割を促進することが示唆された。
著者
山田 肖子 森下 稔 服部 美奈 黒田 一雄 日下部 達哉 大塚 豊 北村 友人 西村 幹子 小松 太郎 乾 美紀 鴨川 明子 澤村 信英
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

本研究では、実践や学問観が多様化する比較教育学に関し、学問観を整理、マッピングするとともに、異なる研究アプローチを持つ者がチームでフィールドワークを行った。成果として、「比較教育学の地平を拓く:多様な学問観と知の共働」という本(分担者の森下稔氏と共編)を刊行した(平成25年3月、東信堂)。また、共同フィールドワークは、モルディブ国で4回にわたって行われ、その成果は平成25年2月に、モルディブ国における成果報告会で発表された。この報告会は、教育省主催で行われ、強い関心を集めた。モルディブ調査に関係した研究者が個別に論文を投稿したほか、25年度に繰り越した予算で和文での報告書も作成した。