著者
小林 めぐみ 水野 大 吉田 宗平 佐々木 秀策 有末 篤弘 若林 剛
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.267-272, 2014-04-20 (Released:2014-04-20)
参考文献数
16

開腹手術を要した菓子昆布による食餌性イレウスの2 小児例を経験したので報告する.〈症例1〉1 歳11 か月女児.嘔吐と腹痛のため来院.身体所見で脱水を認め,腹部CT で腹水の貯留と広範な小腸の拡張からイレウスと診断した.保存的治療を行うも腹部症状の改善がみられず,開腹手術を行った.手術では広範な小腸の拡張の先端部に鶏卵大の内容物を認め,小切開にて昆布塊を回収した.〈症例2〉14 歳女児.嘔吐と腹痛のため来院.腹部CT でbubbly mass and impaction, small bowel feces sign を認めた.腹膜刺激症状を伴い,絞扼の危険性も危惧されたため緊急手術を行った.手術では回腸末端までの腸管拡張とメッケル憩室を認めた.憩室を切除する際に内容物である昆布を大量に回収した.2 例とも発症前に菓子昆布を食べたことが確認された.食餌性イレウスは,頻度が低いものの小児外科医が周知しておくべき疾患である.
著者
小林 めぐみ
出版者
映画英語教育学会
雑誌
映画英語教育研究 : 紀要 (ISSN:13429914)
巻号頁・発行日
vol.21, 2016

Although movies have been suggested as a useful resource for teaching World Englishes, there have been no studies exploring the issues arising from using movies for this purpose. One cause of concern in using movies to teach World Englishes is the issue of validity. Since movies are works of fiction with actors performing their roles, the language and issues depicted in the movie may not be realistic portrayals of actual situations. This paper, therefore, attempts to assess the validity by analyzing an example case. Questionnaires were administered to the local viewers about the 2003 Korean movie <i>Please Teach Me English</i> which depicts Korean English. Forty-six Korean university students watched the movie and completed the surveys about English education and sociocultural issues presented in the movie. The results demonstrate how eliciting opinions from a relevant audience can help fill the gap between fiction and reality, offering a more balanced view. Thus, this survey method can serve as one way to reinforce the use of movies. Furthermore, it is hoped that sharing this type of survey results and developing a movie database will contribute to the teaching of World Englishes.
著者
清 佳浩 小林 めぐみ 早出 恵里
出版者
日本医真菌学会
雑誌
Medical Mycology Journal (ISSN:21856486)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.229-237, 2011 (Released:2011-08-31)
参考文献数
14
被引用文献数
2 3

フケ症を対象に,ミコナゾール硝酸塩配合シャンプー(COF)にミコナゾール硝酸塩配合リンス(COFRM)を併用した際のCOFRMの有用性について,リンス基剤(COFR)併用群を対照とした二重盲検比較試験により検討した.その結果,両群間で有効性に差はみられなかったが,いずれの群でも約80%の症例で改善効果が認められた.また,瘙痒については,試験開始2週後で統計学的有意差は認められなかったが,COFR併用群に比べCOFRM併用群の方が高い改善率を示した.また洗髪頻度によって効果に違いがみられたCOFR併用群に対し,COFRM併用群は洗髪頻度に依らず効果がほぼ同等であったことが示された.この事からシャンプーのみならずリンスにもミコナゾール硝酸塩を配合することにより,洗髪間隔に係わらず有効濃度が維持され,その結果Malassezia属真菌の増殖を妨げ,より確実かつ早期に効果が現れるものと考えた. 以上のことから,COFRMはCOFと併用することで,短期間で効果を実感でき,その結果患者のコンプライアンス向上に寄与する有用なリンス剤であると考えられた.
著者
小林 めぐみ 水野 大
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.270-274, 2016-04-20 (Released:2016-04-20)
参考文献数
19

幼児肝未分化胎児性肉腫に対し腫瘍全摘後,補助化学療法を施行し経過良好な症例について報告する.症例は3 歳の男児.発熱,嘔吐を主訴に来院し,右上腹部に小児頭大の腫瘤を触知した.α-fetoprotein(AFP)は正常範囲内であった.入院後も腫瘤は増大傾向を認め,腫瘍全摘出術の方針で肝部分切除術を行った.病理組織学診断は肝未分化胎児性肉腫で,術後補助化学療法を施行した.術後の画像検査ではCT・MRI・PET-CT のいずれも異常所見は認めなかった.近年,肝未分化胎児性肉腫の報告は散見されるようになり,その治療ならびに予後は飛躍的に向上しているが,特異的腫瘍マーカーや画像所見がなく,術後の評価法や治療法は確立されているとは言えない.本症例においても特異的所見はなく再発や転移の評価に苦慮しながら現在フォローを続けている.
著者
小林 めぐみ 早出 恵里 高橋 栄里 助川 のぞみ 清 佳浩 伊藤 弥生
出版者
The Japanese Society for Medical Mycology
雑誌
日本医真菌学会雑誌 = Japanese journal of medical mycology (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.217-220, 2008-07-30

71歳女性の高度に変形,肥厚した爪カンジダ症の1例を報告する.初診,2006年4月5日.基礎疾患に糖尿病,慢性関節リウマチなどあり.ステロイド長期内服中.初診時,両3,4指爪甲は爪郭から1/3のところで横に断裂し,爪甲下角質増殖を認めた.KOH直接検鏡にて仮性菌糸と桑実型の胞子を検出.病理組織では爪甲中にGrocott染色,PAS染色いずれも無数の菌要素を認めた.ATG寒天培地による培養の結果,<I>Candida albicans</I> が分離され,PCRを用いた非培養法でも<I>C. albicans</I> のみ検出され,爪カンジダ症と診断した.同年4月8日よりフルコナゾール100 mg/dayの連日投与を開始.治療開始8週間後には,後爪郭から末梢に向かい2mm程度正常な爪甲を認めた.治療開始14週間後には,爪甲の混濁,肥厚,色調ともに著明に改善した.同年7月25日多臓器不全のため死亡した.