著者
森 弥広 宇野 祐一 小林 一輔
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文集 (ISSN:13477560)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.1939-1944, 2003-07-01
被引用文献数
2

太平洋戦争末期に建造され,戦後は瀬戸内海の漁港において防波堤の役割を果たしている,2隻の鉄筋コンクリート貨物船についての調査結果を報告する。船体から採取したコアについて,中性化,圧縮強度,塩化物の浸透状況,鉄筋腐食などを調べた。その結果,高濃度の塩化物を含んでいる鉄筋コンクリート部材であっても,コンクリートの組織が密実であれば海洋環境下においても,優れた耐久性を示すことを確認した。
著者
小林 一輔 宇野 祐一 森 弥広
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.564, pp.243-251, 1997-05-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

酸性雨がコンクリート構造物に及ぼす影響を評価する場合には, コンクリートの特性を考慮した方法によって行う必要があることを指摘した. 次に, 著者らが考案した方法によって実験を行い, 酸性雨によるコンクリートの劣化機構についての知見を得た. 酸性雨の影響を受けたコンクリート構造物から採取したコアの分析を通じて上記の知見を立証した.
著者
小林 一輔
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.38, no.11, pp.22-28, 2000-11-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
20
被引用文献数
6

コンクリートから発生するアンモニアは, 美術館の収蔵庫に保管されている文化財の変色を引き起こすとともに, 半導体や液晶を製造するクリーンルームの汚染源となる。本文は, コンクリートから発生するアンモニアに関する既往の研究の動向を取りまとめたものである。コンクリートからのアンモニア発生は, 素材であるセメントや骨材中に存在する窒化物とアンモニウムイオンを含む粘土鉱物や雲母などの層状珪酸塩に起因すること, 石灰石は上述のようなアンモニア発生物質を含んでいないこと, などの知見に基づいて, コンクリートからのアンモニア発生の対策を示したものである。