著者
鈴木 裕介 小林 渉 林 伸善 橋本 和孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.288-295, 2002-03-15
参考文献数
4

本稿では,H-II Aロケット用の搭載計算機である誘導制御計算機について,その役割,技術的特徴,開発経過等を,ロケットの誘導制御システムの概要とともに紹介する.また,これまでのH-I,H-IIロケット用の搭載計算機からの変遷についても併せて記述する.
著者
小林 渉 岩倉 成志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.I_1067-I_1074, 2016 (Released:2016-12-23)
参考文献数
10

筆者らが開発を進めてきた遅延の発生や波及を高精度に再現する列車遅延連鎖シミュレーションシステムは,信号保安システムの改良や輸送力増強に伴うオペレーションの変更など広範な遅延対策の効果を計測することができるが,遅延対策として有効な階段やコンコース増設などの駅構造の改良の効果を計測することはできなかった.このため本研究では,駅構造の違いによって乗車位置が変化し,それが列車遅延に与える影響を予測可能にする乗車駅ホーム上の旅客の乗車位置選択モデルを構築する.ケーススタディとして階段を増設をした場合の遅延予測を行う.結果として乗車位置選択モデルは乗車分布と降車分布を概ね再現できた.シミュレーションシステムでの再現性もおおむね良好であり,また駅改良による遅延削減の例も示すことができた.
著者
小林 渉 渡部 翔平 岩倉 成志 山下 良久
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_693-I_700, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
16

わが国の都市鉄道需要予測モデルの変数には乗車待ち時間が含まれているが,現行の方法では乗車待ち時間を運転間隔の半分と設定している.これは,運転間隔の長い駅の待ち時間を過大に与えている可能性がある.本研究では,大都市圏の駅における待ち時間の設定方法の提案を目的として,運転間隔が 2.5 分から 30 分の間で列車が等間隔に運転している 26 駅で実測調査を実施した.調査の結果,運転間隔が 7.5 分以上の路線では利用者の平均乗車待ち時間が運転間隔の半分より小さくなり,運転間隔が長くなると,かい離が大きくなった.この結果は,海外の既存研究の成果とも整合する.また,乗車待ち時間を改良した鉄道経路選択モデルのパラメータ推定の結果,乗車時間と乗車待ち時間のパラメータ比が増加することを確認した.
著者
吉枝 春樹 小林 渉 岩倉 成志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.43-62, 2020 (Released:2020-04-20)
参考文献数
25

東京圏の都市鉄道は莫大な乗降者数による停車時間の伸長が,混雑率緩和のための運行頻度増のネックとなっている.これを極めてシンプルな着想で解決する.それは,現在の信号システムに比べ,列車間隔をより短く制御できる移動閉そくシステムで運行頻度を増やして,列車毎の乗降者数を減じ,停車時間を縮減して,大幅に混雑率を低減させるというものである. このため,2つのアプローチをおこなった.まず,運転理論に基づく分析で,最小運転間隔90秒の可能性を示す.次に,停車時間を規定する乗降行動と列車挙動のエージェントシミュレーションモデルを構築する.これを用いて停車時間と運行間隔の縮減を分析し,検討路線では移動閉そくと主要駅の改良により95秒間隔で運転でき,大規模な線増投資を行わずに,混雑率150%まで緩和できることを示した.
著者
岩倉 成志 吉枝 春樹 小林 渉
出版者
芝浦工業大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

東京圏の都市鉄道は,極めて高い混雑率の路線が存在し,列車遅延も発生している.抜本的な輸送力増強が必要だが,予算の縮小や投資リスクで,大規模投資は困難である.わが国は運行間隔120秒程度が最小だが,海外では90秒で運行されている.わが国でも運行間隔90秒まで引き上げれば,混雑率180%を140%以下まで緩和できる.エージェントシミュレーションと運転曲線図の2種の検証で,既存ストックを最大限に活用した超高頻度運行の可能性を検討した.結果,移動閉そくシステムの導入で,田園都市線と半蔵門線で大幅に運行間隔を縮小できることが判明した.また,渋谷駅の容量増強で,運行間隔90秒を達成できることを示した.