著者
塚田 全彦 岡本 美津子 田中 眞奈子 貴田 啓子 小椋 聡子
出版者
東京藝術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2023-04-01

日本国内ではこれまでに多数のセル・アニメーションが制作され、その過程で制作されたセル画は膨大な数に上る。近年アニメーションの文化的価値が認知され、セル画を含む中間制作物の保存の重要性が認識されている。しかし、合成樹脂を含む複合材料で制作されたセル画の保存に必要な各構成材料の劣化の機序、各材料が劣化した際の他の材料への相互影響については十分に検証されているとは言い難い。本研究ではセル画の保存に関する現況を調査するとともに、各材料に対して周辺環境がおよぼす影響と材料間の相互影響を評価し、セル画の長期保存に最適な環境の条件の解明を目指す。これを基にセル画を保存する際の環境の指針の提案を試みる。
著者
小椋 聡子 赤沼 潔 桐野 文良 塚田 全彦
出版者
東京藝術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

研究の概要美術工芸、特に「金属工芸(金工:鋳金技法、鍛金技法、彫金技法)」の分野において、着色技法は作品表面を色彩豊かに表現する手法として重要な役割を担う。そのひとつに各地で伝承されてきた「おはぐろ(お歯黒)(鉄漿)」着色がある。現在も美術金工作品の色調表現として使用されているだけでなく、文化財美術品の保存修復や復元においても重要な要素となる。本研究では、各地の 「おはぐろ」着色液の組成および着色工程を系統的に調査するとともに、分析技術を用いて着色層の色調発現機構を解明する。さらに得られた知見を活用し、銅合金試料への着色再現を実施する。