著者
野本 済央 小橋川 哲 田本 真詞 政瀧 浩和 吉岡 理 高橋 敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.1, pp.15-24, 2013-01-01
参考文献数
38

対話音声に対し怒りの感情を高精度に推定するための新しい特徴量について提案する.怒りの種類は,怒鳴った怒り(hot-anger)と静かな怒り(cold-anger)の二つに分類される.hot-angerの推定には従来研究により韻律的特徴の有効性が示されてきたが,cold-angerの推定はこれまで困難であった.本論文では,2話者による対話を前提とし,韻律的特徴以外に対話特有の特徴も捉えることでcold-angerの推定も可能とする.一方の話者が怒っており,もう一方の話者が怒られている対話状況に現れる顕現的な特徴を捉えるため,各話者の発話区間の時間的関係性から"対話的特徴"(発話時間,相づち回数,発話権交替時間,発話時同比)を提案する.コールセンタ対話音声に対し分析を行い,提案する対話的特徴がhot-anger,cold-angerによらず怒り対話音声の推定に有効であることを明らかにした.更にSVMを用いた実験により,韻律的特徴と併用することでcold-angerにおいてF値で24.4pt,hot-angerにおいて8.8ptの精度向上を確認し,提案する対話的特徴量の有効性を示した.
著者
野本 済央 小橋川 哲 田本 真詞 政瀧 浩和 吉岡 理 高橋 敏
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J96-D, no.1, pp.15-24, 2013-01-01

対話音声に対し怒りの感情を高精度に推定するための新しい特徴量について提案する.怒りの種類は,怒鳴った怒り(hot-anger)と静かな怒り(cold-anger)の二つに分類される.hot-angerの推定には従来研究により韻律的特徴の有効性が示されてきたが,cold-angerの推定はこれまで困難であった.本論文では,2話者による対話を前提とし,韻律的特徴以外に対話特有の特徴も捉えることでcold-angerの推定も可能とする.一方の話者が怒っており,もう一方の話者が怒られている対話状況に現れる顕現的な特徴を捉えるため,各話者の発話区間の時間的関係性から“対話的特徴”(発話時間,相づち回数,発話権交替時間,発話時間比)を提案する.コールセンタ対話音声に対し分析を行い,提案する対話的特徴がhot-anger,cold-angerによらず怒り対話音声の推定に有効であることを明らかにした.更にSVMを用いた実験により,韻律的特徴と併用することでcold-angerにおいてF値で24.4 pt,hot-angerにおいて8.8 ptの精度向上を確認し,提案する対話的特徴量の有効性を示した.