著者
高橋 敏
出版者
スポーツ史学会
雑誌
スポーツ史研究 (ISSN:09151273)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.41-51, 2017 (Released:2018-06-20)

群馬県下には、今日なお上州(上野国)といわれた江戸時代の在村剣術から二五代にわたって受け継が れてきた古武道が確固として命脈を保っている。高崎市吉井町に現存する樋口家と馬庭念流である。兵農 分離の刀狩りで剣術はおろか武器を根こそぎ取り上げられた筈の多胡郡馬庭村に、百姓身分でありながら 道場を構えて根を下ろし、周辺農村から上州一円、北関東、江戸にまで門人を獲得し、最盛期には門人が 数千と豪語された一大流派を築いた。更に明治維新以降の近代化のなかで前代の剣術諸流派が剣道に収 斂・統一される趨勢のなか、脈々と今日まで継承されてきた。そこには江戸時代の上州という風土と社会 が深くかかわっているように思われる。本講は、北関東上州の一農村の田舎剣法から門人数千の一大剣術 流派に発展した馬庭念流を手がかりに二世紀半にも及ぶ未曾有の平和な江戸時代に、身分制度の厚い壁を 破って展開していった武芸について考えてみたい。 上州、関東においては、兵農分離は身分制度として断行されたが、刀狩りは実施されず、武器の所持、 剣術の継承は禁止されることはなく許容された。樋口家は中世以来の在地土豪の権益を失い、公的には百 姓身分になったが、私的な領域においては姓を名乗り、帯刀し、念流を伝授することは黙認された。要は 在地土豪の念流を継承する郷士と馬庭村百姓の二つの顔を持つことになった。 馬庭念流は、江戸時代初頭から四代に長命にして剣技・指導力に優れた当主に恵まれ、北関東を中心に 多くの門弟を集め、江戸にまで進出して道場を経営し、一大流派の結社に発展する。門人は百姓町人のみ ならず、高家新田岩松氏、七日市藩前田氏、小幡藩織田氏、支配領主旗本長崎氏の主従にまで門下の列に 加えている。 なかでも流派念流の結社としての勢力を誇示したのが有名神社の社前において秘剣を披露し、師匠以下 門人名を列記した大額を奉納する儀礼であった。上野四社から江戸神田明神・浅草寺、鎌倉八幡、伊勢外 宮・内宮、遠く讃岐金刀比羅宮にまで足を運び、大枚を投じ奉額している。 このような現象は念流だけではなかった。千葉・斎藤・桃井の江戸三大道場と謳われた民間剣術流派の 盛業に顕著のように、幕藩領主に囲い込まれ、正統とされた剣術が衰退し、民間の剣術がこれに代わって 勃興していったことと軌を一にしたものであった。いわば幕藩秩序そのままの武士が独占する伝統守旧の 剣術から民間の活性化された在村剣術が掘り起こされて、身分制度の枠を打破して、武芸として百姓町人 までが入門、習練する時代が到来したのである。まさに戦国乱世の殺人剣から幕藩領主の子飼いの指南の 剣術を経て、新たに自衛のため、修行のための武芸に生まれ変わろうとしていた。もちろん武芸の大流行 は、念流が江戸から勢力拡大を図る北辰一刀流千葉周作と伊香保神社掲額をめぐって一髪触発のところま でいったように、諸流派の競合・対立を引き起こすことも多々あった。しかし、大勢は総じて流派間の共 存と連携を深めていったことの方が事実である。幕府法令からは民間の帯刀、剣術は厳禁されているが、 時代の武芸熱は冷めるどころか高揚し、諸流派を渡り歩く武者修行の旅が一般化していく。これを可能に したのが諸流派間を結び、連携する一種のネットワークの形成であったように思う。そこには支配秩序に 直結する武士のみならず姓名、諱まで名乗る武士風体の百姓・町人が多く含まれ、身分制度の壁を越えた 一大武芸の文化ネットワークが広がっていた。 剣術、武芸の歴史といえば、権力争奪に絡む殺伐とした合戦、暗殺、仇討ち、テロといった殺人剣を類 推する向きが多いが、平和の時代を背景に自己鍛錬の武芸として定着していったことを見落としてはなら ない。近代剣道に転換する素地はつくられていたのである。
著者
野本 済央 小橋川 哲 田本 真詞 政瀧 浩和 吉岡 理 高橋 敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.1, pp.15-24, 2013-01-01
参考文献数
38

対話音声に対し怒りの感情を高精度に推定するための新しい特徴量について提案する.怒りの種類は,怒鳴った怒り(hot-anger)と静かな怒り(cold-anger)の二つに分類される.hot-angerの推定には従来研究により韻律的特徴の有効性が示されてきたが,cold-angerの推定はこれまで困難であった.本論文では,2話者による対話を前提とし,韻律的特徴以外に対話特有の特徴も捉えることでcold-angerの推定も可能とする.一方の話者が怒っており,もう一方の話者が怒られている対話状況に現れる顕現的な特徴を捉えるため,各話者の発話区間の時間的関係性から"対話的特徴"(発話時間,相づち回数,発話権交替時間,発話時同比)を提案する.コールセンタ対話音声に対し分析を行い,提案する対話的特徴がhot-anger,cold-angerによらず怒り対話音声の推定に有効であることを明らかにした.更にSVMを用いた実験により,韻律的特徴と併用することでcold-angerにおいてF値で24.4pt,hot-angerにおいて8.8ptの精度向上を確認し,提案する対話的特徴量の有効性を示した.
著者
高橋 敏行 冨永 悌二 横堀 寿光 吉本 高志
出版者
日本脊髄外科学会
雑誌
脊髄外科 (ISSN:09146024)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-6, 2001
被引用文献数
1 1

Cervical interbody fusion cages (CIFC) are currently used for anterior cervical fusion. There are few reports documenting their biomechanical property in the cervical spine. The purpose of the present study is to investigate biomechanical stability of the caprine cervical spine implanted with a CIFC device. Thirty-two spinal units (C3-4 and C5-6) were harvested from 16 fresh-frozen caprine cervical spines. Each spinal unit underwent discectomy and transection of the posterior longitudinal ligament, and then was implanted with single CIFCs, double CIFCs, autograft, or autograft and anterior cervical plate. An iliac crest tricortical bone was used as an autograft. The degrees of displacement of the cervical spine specimens by multidirectional moments in flexion, extension, lateral bending and axial rotation were evaluated using a video-recording. The stiffness against the multidirectional loads was calculated from load-displacement curves. There were no statistical differences in stiffness between the single-cage and autograft groups in flexion, extension and axial rotation. The autograft group showed significantly increased stiffness compared with that of the single-cage group in lateral bending. The stiffness values were far larger in both the double-cage and autogtraft with plating groups than in the other groups in all directions. There were no statistical differences in stiffness between the double-cage and autogtraft with plating groups in flexion, lateral bending and axial rotation. The double-cage group showed significantly decreased stiffness compared with that of the autograft with plating group only in extension. The stiffness values of the single- or double-cage groups would represent the characteristic biomechanical properties derived from the structure and shape of the implants.
著者
野本 済央 小橋川 哲 田本 真詞 政瀧 浩和 吉岡 理 高橋 敏
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J96-D, no.1, pp.15-24, 2013-01-01

対話音声に対し怒りの感情を高精度に推定するための新しい特徴量について提案する.怒りの種類は,怒鳴った怒り(hot-anger)と静かな怒り(cold-anger)の二つに分類される.hot-angerの推定には従来研究により韻律的特徴の有効性が示されてきたが,cold-angerの推定はこれまで困難であった.本論文では,2話者による対話を前提とし,韻律的特徴以外に対話特有の特徴も捉えることでcold-angerの推定も可能とする.一方の話者が怒っており,もう一方の話者が怒られている対話状況に現れる顕現的な特徴を捉えるため,各話者の発話区間の時間的関係性から“対話的特徴”(発話時間,相づち回数,発話権交替時間,発話時間比)を提案する.コールセンタ対話音声に対し分析を行い,提案する対話的特徴がhot-anger,cold-angerによらず怒り対話音声の推定に有効であることを明らかにした.更にSVMを用いた実験により,韻律的特徴と併用することでcold-angerにおいてF値で24.4 pt,hot-angerにおいて8.8 ptの精度向上を確認し,提案する対話的特徴量の有効性を示した.
著者
高橋 敏
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.147-164, 2002-03

近世史研究にあって身分制度については、長く硬直的な理解がつづいた。士農工商の身分制度が厳しく守られ、特に武士と百姓・町人間の身分移動はあり得ないというのが通説であった。しかし、村落史、都市史研究の進展の中から家や家族史研究の深化によって、身分間移動を示す史料の事実が明らかにされつつある。本稿が取り上げる北関東上州の在郷町桐生新町の織屋吉田家に江戸の武家株売買、譲渡に関する数点の文書を見出した。吉田家では武家株を買収して武家身分に上昇することはなかったが、これらは巨大政治都市江戸に生まれていた武家株売買の状況を示す実に貴重な情報史料である。売り物として登場する武家株は、「矢の根とぎ御用達」(蔵前取五九俵)代金六五〇両、打物御用達(三〇人扶持)一二五〇両の二株である。また、何百、何千両の大金が動く売買譲渡の手続きについては詳細な取り決めを定めており、紛争を回避する手段が講じられている。多くは買い手が売り手の家の養子となって継嗣するため、売り手側の借金の有無、扶養家族の有無によって金額、支払い手続きに様々な工夫がなされている。苟も御家人株とはいえ、幕臣の一翼を担い、それなりの由緒を誇りに世襲を原則とする武家が、金銭によって売買、取り引きされていることにまず驚かされる。このような事実をどのように理解すべきなのか、幕藩体制の内実を揺るがす事態ではないのか。先祖伝来の武家身分を株として売っても生計を立てねばならない窮迫せる武士と、経済的な実力を背景に金にものをいわせて由緒ある武家身分を手にいれようとする町人・百姓身分が存在したことは事実である。近世の身分の内実はどうであったのか、幕藩制の総体の理解にかかわって武家株売買の実態は究明されねばならない。In the study of near modern history, the understanding of the class system has long been inflexible. A common view was that there was rigid demarcation among the classes of warriors, farmers, artisans and tradesmen. They considered it impossible to change in social standing, particularly between warriors and farmers/townsmen could occur.However, deeper studies of family history as a result of advanced studies of village history and urban history have gradually clarified the fact from the historical materials that indicate the mobility between different social standings.At the Yoshida family, a weaver in a zaigo-cho Kiryu-shinmachi in Joshu (North Kanto) that the paper considers, the writer found several pieces of documents regarding the stock trades and transfer by samurai families in Edo.Although the Yoshida family did not rise to the status of warriors by acquiring samurai family stocks, these historical materials give us very important information about the real situation of exchanges of samurai family stocks that were already on the market in the political megalopolis Edo.The two following stocks appeared on the market : "Yanonetogi goyo-tashi" (Kuramaedori 59 bags of rice) for the price of 650 ryo and "Orimono goyo-tashi" (a ration for 30 persons) for the price of 1250 ryo. There were detailed arrangements for the procedures of trades and transfer in which a great deal of money was dealt with, and measures to avoid conflicts were devised. In many cases, as buyers would succeed the family of the seller as an adopted son, various means were contrived for the amount and payment procedures, depending whether sellers had debts or not, or whether they had a family to support or not.Furthermore, it is surprising that the title of the samurai family, which played the role of a vassal of the Shogun and continued to exist based upon heredity with a pride of its own lineage, was traded with money. How should we understand the situation like this? Wasn't it the case that shook the foundation of the Tokugawa Shogunate system?The real situation was that two classes existed : the warriors, who suffered from financial difficulties and had to sell their status as samurai inherited for generations in the form of stocks for a living, and townspeople and farmers, who tried to acquire the traditional status of samurai by resorting to their financial power, namely, money.To know about the real conditions of social classes in the early modern times, the real face of the samurai family stock trade should be clarified in relation to the understanding of the Tokugawa Shogunate system as a whole.
著者
有馬 博 高橋 敏秋
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.37-52, 1975-12

1 前報3)のSU-74型加工トマト収穫機試作にひき続き,1975年にSU-75 FS型加工トマト選果機を試作し実験した。2 この選果機は歩行型クローラ台車にホッパー,さん付きバーコンベア,平ベルト逆転式選別コンベア,選果台その他からなる選果装置を搭載した小型の一挙収穫用作業機である。3 作業車は2~8名としうち1~3名がホッパーへ果実を振り落とす。果実はバーコンベアで搬送され逆転コンベアできよう雑物を除去されたのち選果台に達する。他の作業車は,選果台附近にいて熟度選果を行い出荷可能果を畦上のコンテナへ収容する。4 台車から選果装置を取り外し,代わりに荷台を搭載すればコンテナ運搬車として利用できる。5 ほ場実験の結果,果実収穫作業,コンテナ運搬作業とも従来の作業方法の約2~3倍の作業能率(kg/人/分または箱/人/分)をあげることができ,果実の損失もなかった。6 この選果機は単純小型の構造で品種や栽培条件に制約を受けることが少ないので国内の栽培地へただちに導入できるであろうと推察された。
著者
Zarkasie Kamaluddin 沢田 拓士 吉田 孝冶 高橋 勇 高橋 敏雄
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.87-90, 1996
被引用文献数
6

血清型2型の豚丹毒菌5株の液体培地における増殖性, 全培養菌液で調製した不活化ワクチンのマウスにおける免疫原性, 菌体表層蛋白のSDS-PAGEプロファイル, およびそのイムノブロット像を比較したところ, 多摩-96株は安定した増殖性を示し, 免疫原性が最も高かった. 菌体表層蛋白のSDS-PAGE像とイムノブロット像は供試株間でほぼ類似し, 66-64kDa蛋白が主要共通抗原として認められた.
著者
高橋 敏能
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.13-19, 1984
被引用文献数
1

メン羊3頭を用い,濃厚飼料と粗飼料の給与割合が第一胃液の総脂質含量,脂肪酸組成および微生物中の脂肪酸組成に与える影響を調べた.濃厚飼料(日本農産製ビーフデラックス)と粗飼料(チモシー主体乾草)の比を9:1,5:5および1:9とし,それぞれ600~700g/日を給与した.試験開始2週間後に給餌後1~3時間間隔で24時間にわたり第一胃内容をフィステルより採取し,2重ガーゼでロ過して第一胃液とした.更に同液よりプロトゾアおよび細菌を分画し,それぞれを分析に供した.その結果,第一胃液中の総脂質含量は濃厚飼料多給で顕著に多くなった.給餌後の経時的な観察では,濃厚飼料多給で採食開始4時間まで著しく減少し以後15時間まで漸増したが,粗飼料多給ではほとんど変化がなかった.第一胃液,プロトゾア,細菌中のC<sub>18:0</sub>およびC<sub>18:1</sub>脂肪酸は濃厚飼料多給時に多く,C<sub>17</sub>以下の脂肪酸は糧飼料多給時に多かった.第一胃液および細菌分画のC<sub>18:0</sub>脂肪酸は採食開始4時間まで減少し以後漸増しC<sub>18:1</sub>脂肪酸はC<sub>18:0</sub>脂肪酸と逆の変化を示した.プロトゾア分画のC<sub>18:0</sub>およびC<sub>18:1</sub>脂肪酸は有意な経時的変化を示さなかった.第一胃液中の側鎖脂肪酸は濃厚飼料多給時に低く経時的変化も殆どなかったが,粗飼料多給時には採食開始4時間まで著しく増加し,以後漸減した.特にアンテイソC<sub>13</sub>脂肪酸が,0.5%から11.1%と20倍以上も増加した.この増加は微生物に由来するものではなく無菌液中で起こる現象と思われた.一方,微生物中の側鎖脂肪酸は粗飼料多給時に高かったが経時的変化は見られなかった.
著者
大西 守 澤田 拓士 原田 和記 江嵜 英剛 志村 圭子 丸茂 健治 高橋 敏雄
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.142-147, 2012

本研究の目的は日本の乳牛における乳房炎に関与するCTX-M型 <I>β</I>-ラクタマーゼ(CTX-M)産生<I>Enterobacteriaceae</I>の存在を明らかにすることと,その乳房炎罹患牛の臨床経過を調査することである。2006年の8月から2007年1月に北海道根室支庁の1,000酪農場で発生した20,194頭の乳房炎牛の30,237検体の分房乳から分離した51株のセファゾリン耐性のオキシダーゼ陰性・グラム陰性桿菌株をClinical Laboratory Standards Institute(CLSI)標準のコンビネーションディスク法による基質拡張型 <I>β</I>-ラクタマーゼ (ESBLs) 確認テストを用いてスクリーニングした。ESBLs確認テスト陽性株はPCRとDNAシークエンスによりCTX-M-,TEM-,SHV-型 <I>β</I>-ラクタマーゼの遺伝子型別を行った。また21の抗菌薬の最小発育阻止濃度(MIC)を測定した。2農場における2頭の乳房炎罹患牛の3つの分房から3株のCTX-M-2産生<I>Klebsiella pneumoniae</I>を分離同定した。1頭の乳牛は全身症状のない軽症の急性臨床型乳房炎(ブツを含む軽症の水様乳汁,分房の軽度の腫脹と熱感・硬結)を表し,診断後4週間で軽快した。他の1頭の乳牛は全身症状を伴う重症の急性臨床型乳房炎を表し,診断後10週間で軽快した。これらの分離株はアンピシリ,セファゾリン,セフロキシム,セフォタキシム,セフトリアキソン,セフポドキシム,セフチオフル,セフキノム,カナマイシン,オキシテトラサイクリンには耐性を表した。一方,セフタジジム,セフメタゾール,モクサラクタム,イミペネム,アズトレオナム,ゲンタマイシン,トリメトプリム/スルファメトキサゾール,エンロフロキサシンには感性であった。本研究は日本における牛乳房炎に関与するCTX-M産生<I>K. pneumoniae</I>分離株についての初報告である。
著者
高橋 敏之
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998 (Released:1998-04-01)

平成10〜13年度を通しての研究成果は、以下の通りである。1.学術論文「幼児の頭足人的表現形式の連続描画に見られる対象の重要度による描き分け」の複数審査制全国的学会誌への掲載…幼児は、それぞれ自分の人物描画における描画課題を独自にもっている。そして描画対象の重要度に応じて新旧の型を併用すると推察できる。2.学術論文「幼児の頭足人的表現形式に関する先行研究の問題点-W.L.Brittain(1979),鬼丸吉弘(1981),林健造(1987),長坂光彦(1977)の研究を中心にして-」の複数審査制全国的学会誌への掲載…幼児の頭足人的表現形式に関する先行研究を俯瞰し、批判的に考察した。3.学術論文「幼児の頭足人的表現形式の理論的説明における主知的見解とG.H.Luquetの描画発達説」の複数審査制全国的学会誌への掲載…有力な描画発達理論であるG.H.Luquet(1927)の学説は、幼児の描く頭足人的表現形式にも及んでいる。その理論を批判的に考察した。4.学術論文「幼児の頭足人的表現形式に関するH.Engの主知説批判」の複数審査制全国的学会誌への掲載…幼児の描画活動の縦断的事例研究者であり描画心理学の創設者でもあるH.Eng(1927)は、幼児の描く頭足人的表現形式について考察している。その理論を批判的に考察した。5.学術論文「幼児の初期人物描画の理論的説明における主知的見解への批判」の複数審査制全国的学会誌への掲載…本論では、L..S.Vygotsky(1930)、V.Lowenfeld(1947)、W.Grozinger(1952)、W.L.Brittain(1979)などの研究を取り上げ、主知説による頭足人的表現形式の説明を再吟味した。6.学術論文「幼児の人物画研究における用語問題」の複数審査制全国的学会誌への掲載…幼児の初期人物描画と頭足人的表現形式に関する学術用語は、各研究者によって使い方が違い、不統一である。本論では、先行研究を概観・整理し、新しい学術用語を提起した
著者
岡山 万里 高橋 敏之
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学 : 美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
no.30, pp.151-162, 2009-03-21

大原美術館が1993年から行っている幼児対象プログラムのうち,絵画鑑賞プログラム「対話」について,筆者らは14年間の実施記録をもとに考察して,以下のような結論を得た。環境との相互作用により発達する幼児に対して行われる美術館職員の発話は,人的環境からの言語的応答であると同時に,絵画という物的環境からの応答に代わるものとなり,対話は幼児と絵画作品の相互作用を促す役割を果たす。「対話」の中で,幼児は言語訓練の機会を得,絵画の諸要素に出会い,絵画や美術館との関わりの端緒を得る。
著者
中嶋 秀治 水野 秀之 吉岡 理 高橋 敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.365, pp.173-178, 2011-12-12

表現豊かな音声において多様性を示す句末音調ラベルをテキストから予測する方法について述べる.本方法では,これまでの読み上げ口調の音声合成の言語解析の出力結果である単語の情報と,アクセント句およびイントネーション句の境界情報を用いる.そして,表現豊かな音声が発せられる場面,および,話者に依存したモデルを構築する.商品宣伝,電話応対の各場面のデータを用いて,句末音調ラベル予測評価実験を行なったところ,数個の特徴量を用いる提案法が,多量の特徴量に基づく従来法に比べて同等以上の一致率(Cohen's kappa)を得ることを確認した.
著者
長久 功 花北 順哉 高橋 敏行 南 学 北浜 義博 尾上 信二 紀 武志 伊藤 圭介
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.133-137, 2009-02-20

Cervical anginaは,何らかの頚椎近傍の病変に由来する狭心症様発作性前胸部痛と定義されている.今回われわれは,非特異的前胸部痛に対して頚椎手術で症状が改善した症例を経験したので,前胸部痛の発生機序と臨床症状の特徴,治療方法について報告する.症例は72歳女性,不安定性を伴った頚椎症性脊髄症で,経過観察中に前胸部痛が出現したが,心疾患由来のものが否定された.後方アプローチによる治療を行った結果,前胸部痛が改善した.前胸部痛の直接的原因は,C3-4間での不安定性に伴ってC3-7間で髄内への圧迫が増強し,頚椎症性脊髄症を引き起こしたためと考えた.頚椎症の症状を伴い前胸部痛が誘発される場合は,cervical anginaを念頭に置いた頚椎,頚髄の検査が重要である.
著者
堀口 健一 松田 朗海 高橋 敏能 萱場 猛夫 角田 憲一 安藤 豊 後藤 正和
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 農學 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.111-117, 2008-02-15

Summary : The objectives of this study were to investigate the fermentation quality characteristics of Chineria-Mama whole crop rice silage and to examine the effect of addition of fermented juice of silage extract (FJSE) and fermented juice of epiphytic lactic acid bacteria (FJLB) on the fermentation quality. Rice plant (Oryza sativa L. line, Chineria-Mama) was cultivated by using conventional methods and was harvested on September 8 (Sept-cutting) and October 6 (Oct-cutting), 2006. The rice plants were cut with a cutter blower into 1-3 cm pieces and were crammed into plastic pouches without (control) or with 1 % of FJSE (FJSE treatment) or FJLB (FJLB treatment) in the fresh matter. All silages were maintained indoors and opened after 1 month. FJSE and FJLB were prepared according to the following method. 100 g of the cut fresh Chineria-Mama silage and Chineria-Mama rice plant were macerated with 500 mL of water and 10 g granulated sugar was added. The mixture was incubated anaerobically at room temperature for 2 days, and then filtered through quadruple layers of cheesecloth. The filtrate was collected in a plastic bucket and blended with 10 g granulated sugar. There was no remarkable difference in crude protein, ether extracts and neutral detergent fiber content between the Sept-cutting rice plant and the Oct-cutting rice plant. The non fibrous carbohydrates content of Chineria-Mama rice plant was 33.1% Sept-cutting and 33.6% Oct-cutting in the dry matter. The pH values for silage of control, FJSE treatment and FJLB treatment were the range of 3.6-3.8. Moisture contents for all silages of Sept-cutting were higher than those of Oct-cutting (P<0.01). The lactic acid contents in the fresh matter of all silages were more than 1 %, and that of FJSE treatment silage was lowest (P<0.05) at Sept-cutting and Oct-cutting. Propionic acid was observed only in FLSE treatment silage (P<0.01). Butyric acid contents were low in the silage of control, FJSE treatment and FJLB treatment. There was no large difference in volatile basic nitrogen content among three treatment silages. The present results suggest that the fermentation quality of Chineria-Mama whole crop rice silage is good, and the addition of FJSE and FJLB prepared in this experiment can not improve on the lactic fermentation of silage. Key Words : Chineria-Mama, fermented juice of epiphytic lactic acid bacteria, fermented juice of silage extract, fermentation quality, whole crop rice silage キーワード:イネ「チネリア・ママ」,サイレージ抽出培養液,原材料由来乳酸菌培養液,発酵品質,イネホールクロップサイレージ