著者
森田花野 小泉悠馬 伊藤克亘
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.267-268, 2013-03-06

本稿では、楽譜情報を用いて楽曲のギターパートの演奏難易度を推定する手法を提案する。バンド演奏で既存楽曲を再現する際、特に初心者にとって、前もって楽曲の難しさを判断するのは困難である。そこで、本研究では楽曲の難易度を数値で表現する難易度スコアを提案する。スコア算出には教則本のフレーズを利用する。それらの難易度を教則本音源の演奏の揺らぎにより定量化する。次にそれら難易度情報と主観評価によって得た代表フレーズ全体の難易度を組み合わせて各フレーズの難易度値を推定する。楽曲の難易度推定時には、楽譜情報を入力し類似度の高いフレーズを学習データから選択し、それらフレーズに予め付与された難易度値を用いてスコアを算出する。評価は提案法とバンド経験者による主観評価結果を比較することで行う。
著者
塩出萌子 小泉悠馬 伊藤克亘
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.495-496, 2014-03-11

長期アニメは、幅広い世代で認知度が高く、楽しまれている。視聴者は、そのような作品の各登場人物役の声優の演技や、性格や感情表現方法に固定概念を持つ。そのため、声優が交代した際、声質や表現方法などの差異が、視聴者に違和感を与え、番組離れの原因となる。本論文では、新声優の声を旧声優の声に変換する声質変換器の作成を目指す。変換対象は、同じ人物を演じている声優とし、目標話者(旧声優)の特徴量を元話者(新声優)の対応する特徴量と変換する。変換には、学習データとしてパラレルコーパスを用いる。しかし、声優を対象とするため、必ずしもパラレルデータが用意できるとは限らない。そこで、自由にデータを作成できる中間話者を定義し、元話者、目標話者それぞれとのパラレルデータ作成のため、同じ発話内容の音声データを中間話者で作成する。
著者
小泉 悠馬 伊藤 克亘
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J98-D, no.3, pp.492-500, 2015-03-01

連続励起振動楽器の演奏音の音量変化を,音量記号などに起因するベースラインの大局的変化であるダイナミックスと,発想記号などに起因する局所的変化であるアーティキュレーションに分解する手法を提案する.ダイナミックスとアーティキュレーションの生成過程をそれぞれ和分プロセスと遷移型自己回帰モデルで表現し,遷移型線形動的システムを用いて音量軌跡を分解する.評価実験では,MIDIを用いて作成した人工データと,プロ奏者とアマチュア奏者の音量軌跡の分解実験を行った.人工データの分解実験では分解の標準絶対誤差が1.06dBであり,MIDIでのメゾピアノからメゾフォルテの音量差約4dBよりも小さい誤差で分解できることを確認した.また実演奏音の分解実験では,演奏技術による2要素のバリエーションやばらつきなどの演奏/習熟度解析が行えることが示唆された.