- 著者
-
小泉 逸郎
- 出版者
- 北海道大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2014-04-01
本研究では、顕著な表現型多型を示すサケ科魚類を用いて、回遊二型(降海型と河川残留型)の遺伝的基盤と進化的起源を明らかにした。サクラマス、アメマス合計384個体においてゲノム全域から約8,000万塩基サイトの配列を決定した。ゲノムワイド関連分析(GWAS)を行ったところ、降海型と残留型を区別できる遺伝子領域はわずか1-4遺伝子座のみであり、効果もそれほど強くなかった。候補遺伝子領域をニジマスのドラフトゲノムと比較したところ、ニジマスにおける候補領域とは異なっていた。これらのサケ科魚類は似たような回遊特性を持つが、各種で異なる遺伝的変異を用いて降海/残留の表現型多型を達成していると考えられた。