著者
澤田 竜希 風間 しのぶ 小熊 久美子 滝沢 智
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.77, no.7, pp.III_209-III_220, 2021 (Released:2022-03-10)
参考文献数
51

海水淡水化は,渇水に影響されず安定した水供給が可能な技術であるが,設置・運転管理の費用や技術の要求水準が高く,開発途上国における有効性の評価は定まっていない.そこで本研究は,世界の人口10万人以上の都市について,インターネット上の約75,000サイトから,web scrapingの手法を用いて世界の淡水化施設情報を収集し,データベースを作成した.その結果,稼働中157,計画中27,建設中1都市の合計185都市の情報が得られた.さらに,このデータベースを用いて世界銀行の1,386の国別指標から,海水淡水化施設の設置に適した都市に関わる4つの指標を選定した.これらの指標をもとに,今後,海水淡水化施設の設置可能性の高い開発途上国の都市人口を推計したところ,24ヶ国で約5,400万人と推計された.これらの結果から,本研究で用いたweb scraping手法の有効性が確認された.
著者
小熊 久美子 小塩 美香 Lohwacharin Jenyuk 滝沢 智
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.59-65, 2017 (Released:2017-03-10)
参考文献数
23
被引用文献数
3

水中の懸濁粒子が紫外線消毒効率に及ぼす影響を調べるため, 粒径や色の異なるカーボンブラック (CB) またはポリスチレン (PS) 粒子の共存下で大腸菌と大腸菌ファージMS2の紫外線不活化特性を測定した。試料の紫外線透過率の低下傾向は, 粒子の素材や色によらず粒径が同じ粒子で類似していた。一方, 微生物の不活化効率は粒子の素材や色による影響をうけ, CBが高濃度で存在すると大腸菌, MS2とも不活化効率が低下した一方, 白色PSでは不活化効率が上昇し, 白色粒子による紫外線の散乱が不活化に寄与したと推察された。MS2の不活化効率は, 濁度0.6-1.5度, 色度13度以上, 紫外線透過率56-70%の条件でも粒子添加なしと有意差はなかった (p>0.05) 。標準粒子を用いた本研究の実験条件では, 水中に懸濁粒子が存在しても紫外線消毒を阻害しない場合や, 粒子による紫外線の散乱で消毒効率が高まる場合のあることが示された。
著者
栗栖 聖 花木 啓祐 小熊 久美子 中谷 隼
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

緑地の効用として暑熱緩和効果と大気汚染物質吸着効果について評価すると共に、都市の大規模緑地空間として江戸城外濠を取り上げ、その価値評価構造を明らかにすると共に、価値の一部を担う水質改善施策を評価した。